[上海 16日 ロイター] 中国では人口増抑制のため導入された「一人っ子政策」の影響で少子高齢化が進んでいるが、上海では今月15日から、未登録の飼い犬の増加を規制する「一匹犬政策」が導入された。
毛沢東政権時代には、犬を飼うことは「ブルジョアの娯楽」として禁止されていたこともある中国だが、著しい経済成長や生活様式の西洋化などを受け、中流階級層では愛犬家が増えている。
上海では、未登録の飼い犬の数は推定60万匹。飼い主からは「一匹犬政策」に早くも強い反発が出ている。
56歳のGuo Huiyingさんは「犬を2匹飼っている。新政策では1世帯につき1匹しか飼えないが、犬たちとは5年も一緒に暮らしてきた。家族同然で、1匹を手放すことなどできない。片方は親類の家で飼うことを考えている」と述べた。
上海や北京など都市部では、大事に飼われている血統書付きの犬の姿を良く見かける一方、飼い主に捨てられた野良犬の数もうなぎ上りで増えている。
「一匹犬政策」では、すでに登録済みであれば複数の犬を引き続き飼うこともできるが、未登録だった場合は1匹しか手元に残すことができない。また地域によって差はあるが、飼い主は年間300─500元(約3700─6200円)の費用を当局に支払う義務がある。
飼い主たちは飼い犬の登録や2匹目以降の新たな飼い主探しを、向こう1カ月以内に済ませなければいけないという。