July 8, 2009 / 8:09 AM / 10 years ago

中国ウイグル自治区の暴動、想定される今後の展開

 [上海 8日 ロイター] 中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチでの暴動は、死者が少なくとも156人となり、胡錦濤国家主席が主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)への出席をとりやめ、急きょ帰国する事態となった。

 7月8日、中国新疆ウイグル自治区での暴動は、死者が少なくとも156人に。写真は5日に撮影し、7日にウルムチ市当局が提供(2009年 ロイター)

 5日から始まったウイグル族や漢民族による抗議行動や衝突、襲撃で1000人以上が負傷、1434人が逮捕されている。

 この混乱が今後、どのような展開をみせるか、想定されるシナリオを以下に挙げた。

 <自治区内で混乱波及>

 *デモや暴動は、自治区内の特にウイグル族の占める割合が多い地区へと広がる可能性がある。

 すでに国営メディアは、古代シルクロードの町カシュガルで抗議行動があったと報道しているほか、亡命ウイグル人組織もウルムチ以外への混乱波及を指摘している。ただ、これらの事実関係を確認することは非常に困難。

 *治安当局は、ウルムチでの暴動を受け、同様な動きを未然に防ぐため自治区内で厳戒態勢を敷く。

 <武装グループが攻撃>

 *中国政府がテロリスト攻撃をしていると非難している「東トルキスタン・イスラム共和国」などとして独立をめざす武装集団が爆破や銃撃による攻撃を仕掛ける可能性がある。

 新疆ウイグル自治区では、2008年夏の北京五輪開催中も含め近年、爆弾爆発や銃撃が多発している。同様な攻撃はあり得る。

 オランダとドイツでは中国の代表団が、正体不明の集団から襲撃されている。

 ただ、アナリストや人権団体からは、武装グループの組織力や攻撃力を疑問視し、中国当局が主張するほどの脅威はないとの指摘もでている。

 *テロリスト攻撃があった場合、当局が抑えるのが困難なほどの激しい怒りが住民の間で広がるほか、ウイグル族に対する当局の取り締まりが一段と強化されることが予想される。そうなれば、ウイグル族の反発も強まり、憎悪・疑念の悪循環が繰り返されることになる。

 <自治区経済への打撃>

 *観光、特に国内観光が打撃を受ける。すでに旅行代理店からは需要の落ち込みが報告されている。ただ、政府は自治区民の支持確保も狙った現行政策の一環で自治区経済浮揚を図るとみられる。

 *アナリストは、混乱が自治区全体に波及して当局がまったく制御できなくなり、自治区外に波及するような事態にならなければ、市場への影響はないとみている。これまでのところ、中国株式市場はほとんど反応していない。

 <当局が自治区統治体制を大幅に緩和>

 *可能性は低い。政府はインフラ整備などに巨額の資金を投入しているほか、一人っ子政策の適用を免除するなど、ウイグル族を優遇する措置も講じている。

 *自治区政策を変更すれば、政府は弱腰と見られ、反政府勢力を勢い付かせかねない。そのような議論を行うとしても、外部に知れないよう行うとみられる。

 <自治区の独立を承認>

 *少なくとも共産党政権の間は想定できない。共産党が政権の座から降りても可能性は低い。自治区が分断不能な中国の一部と信じて育ってきた国民が簡単に独立を容認しないと予想される。

 *中央アジアやパキスタンと接し、天然資源が豊富な新疆は戦略上非常に重要な地域である。

 *新疆の独立を認めれば、チベットやモンゴルの独立機運に火をつける可能性がある。

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