July 9, 2009 / 8:35 AM / in 10 years

FRBに対する監査法案、下院で支持拡大

 [ワシントン 8日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)にとって長年の天敵とされるロン・ポール下院議員(共和、テキサス州選出)が提出している「FRB透明化法案」が下院での支持を拡大しており、FRB関係者は警戒している。

 下院での同法案に対する賛同者は現在250人に達している。FRBの独立性に関して9日に議会公聴会が開催され、FRBのコーン副議長が証言する見通し。

 今回の金融危機対策のほか、投資銀行ベアー・スターンズや米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N)の救済などで、FRBが数兆ドルの資金を投じたことに対して、国民の間では批判的な見方が出ており、FRBに対して一段の説明責任を求める声も強まっている。

 オバマ大統領の金融規制案では、FRBに対し金融システム全体に対するリスク監視の役割が与えられたが、これも適否をめぐり議論が活発化している。

 これらの不満を背景にポール議員は2ページ半の法案で、FRBの金融政策決定に対し、政府監査院(GAO)の監査を免除する条項の明確な撤廃を求めている。FRB関係者はこれに対し、最良の長期的な決定を下す能力が損なわれる可能性があるとして、危険な動きと捉えてる。

 ポール議員はロイター・テレビに対し「FRBはなぜ独立的であるべきなのか。かれらにとっての独立性は秘密を意味し、望むことはなんでもできることになり、数十億ドルを使い、彼らの友人を救済することを意味する」と述べた。

 民主党議員78人も賛同している同法案はまた、FRBと他国の中央銀行との取引やFRBの緊急貸出オペレーションのほか、FRB当局者間の協議内容もGAOの監査対象にすべきとしている 

 同法案が法制化されるには、下院の民主党指導部の支持が必要となる。同指導部は今ところ法案に対し明確な意思表示はしていない。

 しかしアナリストによると、議会は現在、金融危機を受け、国民感情に非常に敏感になっているため、法案は真剣に検討される必要がある。

 ワシントン・リサーチ・グループの金融サービス政策のアナリストは「現在、過去数十年で最もポピュリズム的な議会となっている。このような法案の法制化は勢いづく可能性がある」と述べた。

 議会では、金融機関の経営幹部報酬に対する批判があるほか、クレジットカード規制改革法案も成立した。民主党指導部の間では、国民の支持を得られると思うような法案を阻止することは躊躇する空気が強まっているという。

 FRB側はポール議員の動きを深刻に捉えている。

 バーナンキ議長は6月25日の議会証言で「この法案について私が懸念しているのは、GAOがわれわれのプログラムの運用や詳細に加え、政策決定の判断まで監査することになれば、実質的には議会が金融政策を乗っ取ることになることだ」と指摘。「それはFRBの独立性の否認であり、金融システム、ドル、わが国の経済状態にとって非常に破壊的なことを意味する」と述べた。

 ポール議員の法案賛同者は、FRBの翼を切ることではなく、非常に秘密的な機関を少しだけ白日のもとにさらすことが法案の趣旨としている。

 上院では他の法案に同様な法案を付帯させようとしたが、手続き上の理由から阻止されている。

 しかし、アナリストによると、2010年11月の中間選挙までには、あと数人の民主党議員を説得し支持を取り付けた上で、財政関連法案に付帯させてこのFRB透明化法案が正式に取り上げられる可能性があるという。

 (Barani Krishnan記者;翻訳 宮本辰男:編集:村山 圭一郎)

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