June 7, 2011 / 1:16 PM / 9 years ago

焦点:次回日銀会合は成長基盤支援で追加策議論

 [東京 7日 ロイター] 日銀は13─14日に開く金融政策決定会合で、成長分野に向けた金融機関の投融資を促進する成長基盤強化支援制度の今後のあり方を議論する。

 6月7日、日銀は13─14日に開く金融政策決定会合で、成長分野に向けた金融機関の投融資を促進する成長基盤強化支援制度の今後のあり方を議論する。日銀本店前。1日撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)

 これまでの実績で一定の効果があったと判断しているが、金融機関の成長分野への取り組みをさらに後押しするため、動産担保融資などの普及支援も視野に、貸出枠の拡充も含めて議論する公算が大きい。金融政策については、東日本大震災や海外経済の動向を点検し、国内企業マインドの急速な悪化につながる為替・株式市場の急変がなければ、現状維持とする見通し。

 <成長支援は「呼び水」効果に一定の役割、復興支援との関係は今後の検討課題>

 昨年8月に始めた成長基盤強化支援のための貸し出し制度は、デフレ克服をめざし、国内の実質経済成長率を引き上げるため、環境、エネルギーなど18の成長分野に投融資する金融機関に対して日銀が年0.1%と低利で融資するもの。期限は1年だが借り換えで最長4年貸し出す。ことし6月8日の第4回貸し出し分を含め、これまで2兆9424億円を貸し出し、当初の上限3兆円にほぼ達しており、同制度の今後のあり方が焦点となっている。

 日銀内では、金融機関の成長分野への融資を促す「呼び水」効果という一定の役割は果たしたとの評価では共通している。ただ、金融機関の低利融資競争をあおっている、との副作用も一部で指摘されており、単純な融資枠の拡大には慎重だ。

 その中で、行内では不動産担保に依存した金融機関の融資姿勢の柔軟化を支援するため、在庫商品や売掛金などの動産を担保とした融資を促進するような新たな仕掛けを組み合わせる案が浮上している。

 動産担保融資は優良な有形資産は持たずとも優れた技術など無形の経営資源をもつ中小企業向け融資として、経済産業省などが普及を提唱してきた。動産担保の価値を正確に評価して管理する難しさもあり、これまでは普及が進んでいない。二重ローンに苦しむ被災地企業の復旧支援にも有用との見方もある。

 当初、検討対象に挙がっていたとみられる震災復興支援との連携については、復興構想会議の提言など政府側が対応策を検討中の段階にあることに加え、復興に必要な金融面での需要が読めない状況にある。このため、今後、これらの点が明らかになってきた段階であらためて検討する方針だ。

 <景気回復シナリオを維持、金融政策は据え置き>

 景気認識については、サプライチェーン(供給網)の回復が企業努力によって前倒しされる動きがみられるなど、供給制約解消に向けた動きが着実に進展しているが、日銀では、基本的に「生産面を中心に下押し圧力の強い状態」に変わりはないとみている。市場では、米国や中国などを中心に世界経済の減速懸念が指摘されているが、日銀は当初から米国経済を楽観視しておらず、中国など新興国経済の緩やかな調整は、成長の持続性を高めるとみている。このため、日本経済の先行きについても、供給面での制約が和らぎ、生産活動が回復するにつれ「2011年度後半以降、緩やかな回復経路に復す」との従来の見通しを据え置く見込みだ。このため、政策金利と資産買入基金は、それぞれ現状維持とする見通し。

 (ロイターニュース 竹本能文 伊藤純夫;編集 内田慎一)

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