June 14, 2011 / 3:14 AM / 9 years ago

訂正:5月の中国CPI伸び率は34カ月ぶり高水準:識者こうみる

 [北京/東京 14日 ロイター] 中国国家統計局が14日発表した5月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比5.5%と、34カ月ぶりの高水準となった。4月は同5.3%だった。5月の鉱工業生産は前年比13.3%増。ロイターがまとめた予想は13.2%増だった。

 6月14日、中国国家統計局が発表した5月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比5.5%と、34カ月ぶりの高水準となった。写真は上海で2月撮影(2011年 ロイター)

 5月の中国指標に関する市場関係者の見方は以下の通り。

●予想通りで軟着陸観測強まる

<外為どっとコム総合研究所 社長 植野大作氏>

 最も注目されていたCPI(消費者物価指数)がほぼ予想通りで、中国経済の軟着陸観測が強まった。北京五輪前はインフレ率が9%程度まで上昇したが、今の5─6%という水準でインフレを抑制できるのであれば、(中国当局は)金融引き締めもこれまでのペースで淡々と続けていくだろうし、人民元の高め誘導も現状を維持するだろう。指標の発表前にハードランディングを懸念した持ち高調整で売られていた豪ドルは、その分買い戻されているようだ。

●来月(訂正)にも追加利上げの可能性

<IHSグローバル・インサイト(北京)エコノミスト XIANFANG REN氏>

 CPI(消費者物価指数)が過去最高を更新し、追加利上げの可能性が高まった。われわれは中銀(中国人民銀行)が来月(訂正)にも利上げに踏み切るとみている。

 6月の消費者物価インフレ率は、比較ベースとなる数字の低さと最近の供給ショックにより、さらに高進するだろう。

 全体的には経済は着実な成長を続けている。鉱工業生産の成長率はわずかにペースダウンしたものの、懸念するほどではない。

●景気鈍化を実質的に懸念せず

<華創証券(北京)のアナリスト、ヒュア・ゾンウェイ氏> 

 インフレは予想どおりで、消費者物価指数(CPI)は6月に引き続き上昇するだろう。

 鉱工業生産は比較的鈍化したが、これは電力不足と輸送面での支障におるものだ。浙江省をこのほど訪れたが、製造業の新規受注はかなり堅調だった。つまり景気鈍化は留意するものの、実質的な懸念ではないということだ。

 小規模企業の多くが資金不足に苦しんでおり、政府は構造的な措置を講じる可能性がある。金利政策については、政府は非常に慎重だ。

●労働コスト値上がりなどで物価は年内高水準で推移

<信金中央金庫 総合研究所 上席主任研究員 黒岩達也氏>

 中国の物価は、かなり高めな水準で、年内は推移することを予想する。食品については、干ばつの影響による供給減で値上がりが続いており、食品を除く物価についても、労働コストの値上がりや原材料価格の上昇を受けて、インフレ圧力がなかなか抑制しきれない状況だ。

 中国政府は、一方で、内外価格差を縮めるために給与水準の押し上げを進め、ある意味でインフレを促す政策を採用している。他方、給与所得者以外が多く住む農村部では、依然暮らし向きが苦しく、生活を守るためにインフレを抑制する必要があり、難しい政策運営を迫られている。

 人民元については、実効レートでみると4月が年率でマイナス1.6%と、人民元高が進んでいない。対ドルでは切り上げ後の最高値を更新したものの、対円や対ユーロについては依然として元安が続いている。実効レートで前年比5%程度の切り上げを実施しない限りは、インフレの抑制の効果が上がらないだろう。

●CPIは6月がピーク、その後鈍化へ

<中国光大証券(北京)のエコノミスト、XU GAO氏> 

 CPI(消費者物価指数)は予想の範囲内だった。CPI伸び率は6月はおそらく(前年同月比)5.8%に達し、ピークとなるだろう。その後7月は5.5%に鈍化、8月には5.0%程度に低下する見通し。

 PPI(生産者物価指数)は予想をやや上回った。鉱工業生産の着実な増加と合わせ、経済が想定ほど沈静化していないことを示している。

 全般には、成長は徐々に減速、インフレもコントロールされている。 

 中国人民銀行(中央銀行)は今月、再び利上げするだろう。ただその後、年内は、追加利上げはない見込みだ。今年下半期には、1カ月に1回のペースでのRRR(預金準備率)引き上げはない、と考えている。

 インフレの鈍化に伴い、中国は今年第4・四半期に政策スタンスを変更し、財政支出を加速、クレジットの抑制措置を緩和するとみられる。

●月内の追加利上げはない

<中国招商銀行(深セン)のエコノミスト XU BIAO氏>

 われわれの予想では、6月の物価が5月を上回れば6月のヘッドラインインフレ率(総合インフレ率)は6%を超えそうだ。現時点では、6月のCPI(消費者物価指数)が6%台に乗ることは間違いないだろう。

 しかし、ヘッドラインインフレの高進は必ずしも中銀(中国人民銀行)による追加利上げを示唆しない。金融政策立案者は、政策が効果を発揮するまでには一定の時間がかかることを理解している。

 このため、われわれは中銀が6月中に追加利上げに踏み切ることはないとみている。中銀は2カ月おきに利上げを実施してきたこれまでの慣習を変え、向こう数カ月の間に金融政策スタンスを緩める可能性すらありそうだ。

 鉱工業生産の伸びは依然鈍化を続けている。電力不足もあり、予想されていた。ただし、伸びの鈍化が市場予想ほどではなかったことは注目に値する。

●今年後半に金融政策を中立に転換も

<OCBC銀行(シンガポール)のエコノミスト、DONGMING XIE氏>

 指標は市場が予想していたよりも総じて弱い内容だった。

 われわれが最も驚いたのは、5月のPPI(生産者物価指数)の数字だ。PMI(購買担当者景気指数)の輸入価格指数が5月に大幅に低下したにもかかわらず、PPIは依然高水準だった。輸入インフレが引き続き、中国の頭痛の種である可能性を示唆している。

 貿易統計ならびにコモディティーへの旺盛な需要と考え合わせると、今年はハードランディングシナリオは予想しにくい。ただ中国はアジアで、今年後半に金融政策を最初に中立に転換する国の1つになるかもしれない。

●CPIはインフレリスク示す

<フォアキャスト(シンガポール)のエコノミスト、CONNIE TSE氏>

 消費者物価指数(CPI)の上昇はインフレリスクを強調している。経済成長ペースは鈍化する見通しで、成長鈍化は、中国購買担当者指数(PMI)の低下や暗い世界経済見通しと一致している。

*発表者側の申し出により、2番目のコメントの「来週」を「来月」に訂正します。

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