June 20, 2011 / 6:20 AM / 8 years ago

ロイターサミット:財政破たん、震災で「前倒し」ない=PIMCO

 [東京 20日 ロイター] 世界最大の債券ファンド運用会社、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)で日本の債券運用を統括する正直知哉マネージングディレクターは20日、「ロイター日本再生サミット」で日本の財政破たんの臨界点について「震災で前倒しになったとは考えていない」と述べた。  

 6月20日、PIMCOで日本の債券運用を統括する正直マネージングディレクターは、日本の財政破たんの臨界点について「震災で前倒しになったとは考えていない」と述べた(2011年 ロイター/Toru Hanai)

 今回の震災復興は、政策資金の調達へ国債の追加発行を伴うため、日本の財政状況を一段と悪化させるとの懸念が出ている。これについて、正直氏は「歴史的にみて財政赤字の拡大は民間部門の貯蓄増加を伴うことが多い」点などをあげ、国内で国債を安定消化する環境に大きな変化は起きない、との見方を示した。  

 復興に関する中長期の懸念材料は、むしろサプライチェーンの回復と電力不足問題にあると指摘。サプライチェーンの回復は進んではいるものの、「必ずしも震災以前のレベルに戻るとは考えづらい。日本のサプライチェーンの役割がアジアに代替されるという中長期的なリスクがある」と語った。 

 電力不足についても「原発をどう代替するかなど、政策に失敗すれば民間の期待成長率を下げる結果になる。経常収支にも影響がでる」と述べ、復興の財政措置および東電の賠償支援が最も優先すべき課題と指摘した。    

 東京電力(9501.T)の原発事故をめぐる対応については、「賠償支援がどのようになるかというのが重要」としたうえで、賠償については原子力賠償法、東電の一般担保社債については電気事業法という既存の法律を尊重した議論を進めるよう提言。「法のもとの議論と資本の論理をゆがめないことが必要」との認識を示した。

 市場にはギリシャの債務問題、米経済の減速、エマージング諸国の金融引き締めなどへの懸念があり、世界的にリスク回避的な投資行動がみられるが、同氏は、ピムコの投資スタンスについて「ここ数カ月は変わっておらず、震災以降も変わっていない」と述べた。相対的に魅力的な投資対象として新興市場での収益が大きい企業の社債や新興市場の社債、為替をあげる一方、4月以降、同社が日本の事業債セクターのエクスポージャーを増やしたことを明らかにした。   

 PIMCOは1971年に、主に従業員給付年金プラン、基金、財団などを対象に、個別の運用サービスを提供することを目的に創設された運用会社で、2011年3月末現在、運用資産は1.28兆ドルとなっている。

 ロイターサミットは、ロイター編集局が世界各地で行っている報道イベントで、時々のタイムリーなテーマについて各地のオピニオンリーダーを連続インタビューし、その内容を記事、写真、映像で世界各地に配信している。今回は6月20日から22日まで、日本だけでなく世界にとっても重要な東日本大震災からの復興策をテーマに「ロイター日本再生サミット」として開催している。

(ロイター日本語ニュース 岩崎 成子)

*内容を追加して再送します。

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