July 27, 2011 / 10:13 AM / 7 years ago

「玉虫色」の原発賠償支援法案 東電法的整理の可能性残る

 7月27日、衆院東日本大震災復興特別委員会で一部修正のうえ可決された原発賠償支援法案に対して、市場での疑念が深まっている。写真は6月撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)

 [東京 27日 ロイター] 衆院東日本大震災復興特別委員会で26日に一部修正のうえ可決された原発賠償支援法案に対して、市場での疑念が深まっている。同法が成立すれば、福島第1原子力発電所事故をめぐる巨額賠償負担がのしかかる東京電力(9501.T)の資金繰りを支援する枠組みが動き出す。

 東電の株主や社債権者、貸し手の銀行にとっては短期的にはポジティブだ。一方、法案には株主などにも協力を求めるとの文言が入っているが、「協力」の意味ははっきりしない。与野党内には依然、「債務超過、あるいは破綻させないとは明記していない」(民主党議員)との声もくすぶっており、東電の行く末はなお見通せない状況だ。

 「ポスト菅の代表選では、東電を破綻処理させるかどうかが争点の一つになる可能性がある」――。民主党のある中堅議員はこう打ち明ける。法案が成立すれば、原子力損害賠償支援機構が東電の資金繰りを支援できるほか、資本不足に陥っても公的資金注入によって債務超過も回避することができる。しかし、この議員は支援法案について「債務超過にさせないとも、破綻させないとも明記していない。東電の抜本処理をどうするのかは、今後の政治課題だ」と話す。今回の支援法案の決着は、あえて「玉虫色」を残し、将来へのフリーハンドを確保したともいえる。

 今回の修正では国の賠償責任が明確化されたが、これも東電の存続には不安要因となる。東電を破綻処理した場合、被災者に対する損害賠償に影響が及ぶため、東電を存続すべきだというのが政府の基本姿勢。しかし、国が賠償の責任を持つことになれば「東電を破綻させない理屈が通らなくなる」(民主党議員秘書)というわけだ。

 法案そのものには、東電が資金援助を申し込んだ場合、「株主その他の利害関係者に対し、必要な協力を求めなければならない」との文言が盛り込まれた。具体的な「必要な協力」とは何を意味するか、は明示されていないが、「無配はもちろん、破綻処理による100%減資の可能性とも読み込める」(国内系ファンドマネージャー)との疑心暗鬼も生じさせている。

 東電の27日終値は前日比81円安の431円に下落。前場から売りが続き、後場は一時426円に下げた。先のファンドマネージャーは「支援法案を読み込んでみると、決して東電にポジティブな内容になっていない。警戒感で売られた」という。

 一方で、安心材料として評価できるという指摘も少なくない。BNPパリバ証券の中空麻奈氏は「東電のクレジットリスクを見る際に最大のポイントだった支援法案が通ることはクレジットの悪化に歯止めをかけることになる。総体でいえば、非常にいいニュースでポジティブだ」と分析する。その一方で「国の政治リスクが残っている限りは安心、大丈夫とはいかない」とも話している。

 (ロイターニュース 布施太郎 取材協力 浦中大我 編集 北松克朗)

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