July 29, 2011 / 11:53 PM / 9 years ago

復興基本方針またも玉虫色の決着、償還財源の不確実性高まる

 7月29日、東日本大震災からの復興対策を盛り込んだ政府の復興基本方針は、復興債の償還財源を確実に担保するために明記されていた「臨時増税」の文言や増税規模が民主党の強い抵抗で削除され、あいまいな表現に修正された。写真は基本方針とりまとめを受けて会見した菅首相(2011年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

  [東京 29日 ロイター] 政府・与党間調整による政策決定が、また、玉虫色の決着に終わった。東日本大震災からの復興対策を盛り込んだ政府の復興基本方針は、復興債の償還財源を確実に担保するために明記されていた「臨時増税」の文言や増税規模が民主党の強い抵抗で削除され、あいまいな表現に修正された。

 背景は、社会保障・税一体改革でも繰り広げられた「増税反対論」。当初5年間に必要な13兆円の財源手当ては「歳出の削減、国有財産売却のほか、特別会計、公務員人件費等の見直しやさらなる税外収入の確保および時限的な税制措置」などの手段を列挙するにとどまり、増税に異論を主張し続けたある議員は「基幹税増税をゼロにするオプションを手に入れた」と胸を張る。

 しかし、「増税」以外による財源確保の規模について、民主党部会では詰めた議論はしていないという。

 岡田克也幹事長が2009年衆院選マニフェスト(政権公約)について「政策の必要性と実現の見通しについて検討が不十分だった。見通しの甘さを国民に率直におわびしたい」と謝罪したのはわずか1週間前。にもかかわらず、復興対策の財源の裏付けは不透明な決着に終わった。

 政府は「復興債」の償還を臨時増税で確実に担保し、具体的な規模も明記することで、財政規律に配慮した姿勢を明確にする考えだった。しかし、玉虫色の決着で、償還財源の不確実性が高まった格好だ。

 政府税制調査会は来週から復興財源に伴う「税制措置」について、具体的な検討に着手する。復興債発行に伴う償還財源手当てでは、基幹税のうち所得税と法人税を中心に据え、早ければ「来年からの増税」(政府税調関係者)も視野に据えていたが、基本方針に増税額が明記されなかったことで具体的な税目の検討は振り出しに戻った感は否めない。あいまいな決着の副作用で、予算編成にも支障をきたしかねず、政権与党のガバナンスが問われている。

 (ロイターニュース 吉川裕子;編集 石田仁志)

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