August 3, 2011 / 10:32 AM / 7 years ago

「グロソブ」基準価額が設定来安値、分配型旗艦ファンド岐路に

 [東京 3日 ロイター] 国内最大の公募投信である国際投信の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」62002137JPの3日時点の基準価額が、設定来安値の5044円を付けた。

 8月3日、国内最大の公募投信である国際投信の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」の基準価額が、設定来安値の5044円を付けた。2日撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)

 毎月分配型の先駆けとして登場し、依然として公募投信最大規模を誇る「グロソブ」だが、投資家が選好する分配金競争では後発組の高分配ファンドに水をあけられ資金流出を余儀なくされている。投資先がソブリン債という性格を活かし、分散投資の中で、ベース資産としての「グロソブ」をアピールしたいところだが、足元の急激な円高で基準価額が5000円割れ目前の「グロソブ」は新たな岐路に立たされている。

 「投信なのに毎月分配金が出るなんて凄い」──分配金が毎月出ることに感動した投資家は多い。高齢層の年金補完目的や早期リタイア組の小遣い稼ぎ的投資など、目的はさまざまだが、毎月の分配金を楽しみにした個人投資家の圧倒的支持を得て「グロソブ」は、全都道府県で販売される国民的ファンドに成長した。

 ただ毎月分配があることだけで、投資家が満足するはずはなく、分配金の高額化に向けた運用各社の競争から登場したのが、現在主流となっている通貨選択型だ。投資先の債券や株式の値上がり益に為替のリターンを上乗せするという2階建て構造(ダブルデッカー型)の通貨選択型は、より高い分配金のねん出が可能だ。販売会社からは「グロソブの一部を解約し、分配金の高い毎月分配への乗り換えは恒常的に続いている。そのためにも乗り換え先となる高分配商品の導入が必要になっている」との声もある。「分配型の生みの親が、分配金競争で自らの足元をすくわれた格好だが、グロソブにはグロソブの良さもある。円高局面では厳しいが、応援したい商品だ」(国内証券)との声も聞かれた。

 「グロソブ」の資金流出は継続しており、7月は約532億円が純流出したが、国際投信は足元では「米国ハイ・イールド債オープン(通貨選択型)」や「ワールド・リート・オープン(毎月決算型)」62004672JPが純流入ランキング上位に入るなど、「グロソブ」とは別の資産クラスの分配型が立ち上がってきている。追加型株式投信でみると、国際投信としては7月は44億円の純流出にとどまり、以前ほど「グロソブ」の資金流出が響かない状況になりつつある。

 基準価額が5000円割れ目前の「グロソブ」だが、97年12月から運用して14年目。ロシア危機やリーマンショック、そして足元の円高局面を経ても、既払い分配金は累計で6941円。設定来からのホルダーは元本割れしていない計算だ。「分配型という性格上、基準価額がさがるのは仕方ないとしても、設定来、これだけ円高が進行したにもかかわらず14年目でまだ元本割れしていないことに、債券投資の威力を感じた」(国内投信)との声も聞かれた。設定当時の円/ドルレートは1ドル=128円近辺。最安値を付けた3日のレートは77円台。過去13.5年の間に円高は40%進行した格好だ。

 「グロソブ」の3日時点の純資産残高は2兆3015億円。

 (ロイターニュース 岩崎 成子) 

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