August 6, 2011 / 1:11 AM / 7 years ago

S&Pが米国債を「AAプラス」に格下げ、最上級失うのは史上初

 [ニューヨーク 5日 ロイター] 米格付け会社のスタンダード&プアーズ(S&P)は5日、米国の長期信用格付けを最上級の「AAA」から「AAプラス」に1段階引き下げた。米国債が最上級の格付けを失うのは史上初。S&Pは格下げについて、財政赤字削減計画が米国の債務の安定化には不十分との見方を反映したと説明した。

 8月5日、S&Pは、米国の長期信用格付けを最上級の「AAA」から「AAプラス」に1段階引き下げた。写真はワシントンの米財務省で、2008年11月撮影(2011年 ロイター/Jim Bourg)

 S&Pは、米国の新たな格付けの見通しを「ネガティブ」としており、今後1年から1年半の間にさらなる格下げが行われる可能性もある。

 S&Pは声明で「格下げは、米議会と政権が最近合意した財政再建計画が、政府の中期的債務ダイナミクスの安定に必要とみられる水準に達していないとのわれわれの見解を反映している」と表明した。

 オバマ大統領が8月2日に署名した債務上限引き上げ法案には、今後10年間で2兆1000億ドルの財政赤字削減策が盛り込まれたが、赤字削減規模はS&Pが必要とみている4兆ドルを大幅に下回った。

 S&Pは7月14日、米国の格付けを引き下げ方向で見直すと発表していた。 

<借入コスト増加も> 

 今回の格下げによって、いずれ米政府、企業、消費者の借入コストが上昇する可能性が高い。

 米証券業金融市場協会(SIFMA)の試算によると、格下げによって米国債の利回りは最大0.7%ポイント上昇する可能性があり、国債発行のコストは1000億ドル程度増えることになるという。

 これまで世界で最も安全な投資先とされてきた米国債の格付けは、英国やドイツ、フランスやカナダなどの国債の格付けを下回ることになる。

 ムーディーズ・インベスターズ・サービスは今週、米国の格付けを当面Aaaで維持することを確認している。フィッチ・レーティングスは、今月中に格付けの見直しを終える方針を示している。

 S&Pによる格下げは、海外の米国債保有者、特に1兆ドル以上の米国債を保有する中国の懸念を招く可能性がある。中国政府は米政府に対し、財政問題に適切に対応し、中国の米ドル建て資産の価値を守るよう繰り返し要請してきた。 

<短期的には安全な逃避先としての地位を維持> 

 市場では世界経済の減速に対する懸念が強まっており、米国債は格下げが懸念されていたにもかかわらず、底堅く推移している。30年債US30YT=RRは今週、週間ベースで2008年12月以来の高いパフォーマンスを記録した。

 CRTキャピタル・グループの国債担当シニアストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「週明けの東京市場では条件反射的にいったん(米国債が)売られるだろうが、その後は再び買いが入るだろう」との見方を示した。

 ハリス・プライベート・バンクのジャック・アブリン最高投資責任者は「長期的な見通しは厳しい。ただ短期的には安全な逃避先としての地位を維持するだろう」と述べた。 

 ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は「まったく予想外というわけではなかった。すでにドル相場にはかなり織り込まれていたと思う。ドルにはさらに一定の圧力がかかるだろうが、急落する公算は小さいとみている」と指摘。

 「外国人投資家が米国債を積極的に売却してくるとは考えていない。市場の奥行きと流動性において他の選択肢がほとんどないことが理由の1つだ」と述べた。

*情報をさらに追加して再送します。

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