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米FRB、13年半ばまで超低金利維持:識者はこうみる
2011年8月9日 / 20:23 / 6年後

米FRB、13年半ばまで超低金利維持:識者はこうみる

 [ワシントン 9日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は9日発表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、ぜい弱な景気や金融市場支援に向け、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を今後少なくとも2年間は維持する方針を表明した。

 8月9日、FRBが発表した連邦公開市場委員会の声明で、超低金利政策を少なくとも2年間は維持する方針を表明した。写真はワシントンのFRB本部。6月撮影(2011年 ロイター/Jim Bourg)

 専門家の見方は以下の通り。

 ●建設的、比較的高いインフレ容認

 <アルセニオ・キャピタル・マネジメントのマネジングディレクター、ジョセフ・アルセニオ氏>

 連邦公開市場委員会(FOMC)声明は建設的だ。QE3(量的緩和第3弾)への即座のシフトは示唆しなかった。金利の長期間維持を決めたことで引き締めの可能性が低いことを示唆した。これは高水準のインフレには建設的だ。

 市場が下げているのは、長期にわたり緩やかな成長を予想する見方が文言に組み込まれているためだ。ただ、FRBの成長予測能力はこれまで芳しくなく、私はFRBの予想通りになるとはみていない。FRBが比較的高水準のインフレを容認することを意味しているだけだ。

 低金利は長期的に商品(コモディティー)、つまり原油にプラスとなる。

 ● 緩和策拡大の用意を明示、反対票懸念せず

 <CRTキャピタルの国債金利ストラテジスト、デービッド・アダー氏>

 現在の金融政策スタンスに関してより明確な時間枠を示すとともに、明らかにバランスシートの拡大や債券の保有期間延長への用意があることがうかがえ、ハト派的な内容だ。

 われわれは、3人の地区連銀総裁が反対票を投じたことをそれほど懸念していない。これはQE3(量的緩和第3弾)に対してではなく、長期間(extended period)という文言に対しての反対票とみられる。

 ●説得力欠く、経済・市場どちらも支援せず

 <ディシジョン・エコノミックスのマネジングディレクター兼シニアエコノミスト、キャリー・リーヒー氏>

 市場の支援には説得力を欠く内容だ。米連邦準備理事会(FRB)は、「長期間」との文言を少なくとも2013年半ばまでと再定義した。だが現在の市場の状況からして、FRBが2012年、もしくは2013年に引き締めを行ったとしても、どんな違いがあるのだろうか。

 小規模な変更にもかかわらず、今回の決定には3人が反対票を投じた。これは1992年以来のことだ。

 市場は、FRBが今はさらなる行動を起こす意思を持っていることを実感する必要がある。2012年半ばではなく、2013年半ばまで引き締めを行わないと単に表明するだけでは不十分だ。(このようなことは)誰も気にしてはいない。

 今回の声明は、リスク資産、経済のどちらも支援しない。

 ●現状維持の確約で不透明性払しょく、今後の焦点はデフレリスクに

 <ITGのシニアエコノミスト、スティーブ・ブリッツ氏>

 予想通りの内容で、声明から示されたことは現状維持ということだ。いずれにせよ、2013年半ばまでの利上げを予想する向きはいなかった。

 声明は、米連邦準備理事会(FRB)がこれまでに実施してきた措置を継続していくことを確約した格好で、これに関する市場での不透明性は払しょくされた。

 さらに、今後のFRBの決定において、失業に絡むリスクではなく、デフレリスクが決め手になることも明確になった。

 今回の決定に反対した連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの3人は依然として、現在の金融政策がインフレ・バイアスを引き起こしているとの見方を示し、失業や成長は構造的な問題で、FRBの政策がインフレリスクを高めていると確信していることを明確に伝えた。

 経済がデフレ局面に突入したことを示す確証が得られなければ、FRBは動かないだろう。

 ●2013年半ばの文言、確実性もたらす

 <ブルティック・キャピタル・マーケッツ(フロリダ州)の新興国市場債券調査部長、アルベルト・バーナル氏>

 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明発表後、相場は非常に振れが大きくなっている。市場関係者の6割は何らかの形で量的緩和第3弾(QE3)が打ち出されると期待していたが、実際にはQE3に関する言及はなかった。その一方で、米連邦準備理事会(FRB)が金利について再検討する潜在的時期については、2013年半ばという非常に明確な言及があった。

 これは、例えば2年間で2%の自動車ローンを求める場合、その期間は金利が上昇しないことが前提となるため、市場に多大な確実性をもたらし、信用活動の押し上げにもつながるだろう。

 声明では、家計と企業に関する記述が分かれ、家計の支出は横ばいだが、企業投資は引き続き拡大したとの認識が示された。これは非常にハト派的だ。

 FRBは必要に迫られれば行動を起こす。今回FRBが行動しなかったのは、パニック状態を示す特定のメッセージを発したくなかったからだろう。

 決定に際し反対票が出たことはポジティブではなく、FRBが一枚岩になっていないことを示している。米経済の先行きについては、アナリストや投資家、それに政策当局者らの間でも多くの疑問が残されており、経済が大幅に悪化しているのか、それともそれほど悪化していないのか、しっかりとした見通しを立てることが非常に困難となっている。反対票が出たということは、経済成長の速度をめぐり多大な不透明性が存在することを物語っている。

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