August 30, 2011 / 3:07 AM / 8 years ago

ブラジルの基礎的財政黒字目標引き上げ、早期利下げにつながらず

 [サンパウロ 29日 ロイター] ブラジルのマンテガ財務相は29日、2011年の基礎的財政黒字目標を100億レアル(63億ドル)引き上げる方針を示した。これは国内総生産(GDP)の約0.25%に相当する規模。

 市場はそれを好感し、ブラジルの金利先物利回りが低下したほか、株式市場では住宅建設関連株など金利に敏感なセクターが上昇した。

 一部の投資家は今回の黒字目標引き上げについて、ブラジル中銀による予想以上の早期利下げが可能になる兆しと受け止め、早ければ31日の政策決定会合で金利を引き下げるとの見方も出ている。

 しかし、この日のマンテガ財務相の発表は、中央銀行や金融市場ではなく議会を念頭に置いたもので、公共セクター労働者の賃金引き上げなど、インフレにつながる議員からの支出拡大要求を阻むことが主な目的とみられており、中期的な金利見通しの大幅な修正につながるものではなさそうだ。

 <従来の目標はおおむね達成>

 マンテガ財務相も言っているように、2011年の基礎的財政黒字目標の引き上げは、財政政策の変更にはほとんどつながらない。

 ブラジルは今年になって約300億ドルの支出を削減しているほか、好調な税収が寄与し、すでに2011年の基礎的財政黒字目標である1180億レアルの約80%を達成している。黒字目標を100億レアル引き上げたことは、年間を通じて黒字の積み上げを継続する方針を示すものだ。

 実際、マンテガ財務相は、黒字目標の引き上げはさらなる支出削減を意味するものではないとしている。

 そのため、支出抑制策の強化で金利が予想よりも早く引き下げられるという投資家の期待は、根拠が乏しいようだ。

 <緊縮策への反発>

 マンテガ財務相が黒字目標の引き上げを打ち出した背景には、ルセフ政権の連立与党内部の多くの議員が、ここにきて財政政策を公然と批判しているという事情がある。

 議員らは、ルセフ大統領による緊縮財政策や、汚職を理由に一部の当局者を解任したことなどに不満を募らせている。

 ルセフ大統領に近い当局者は、議会が公共部門の労働者の賃金に下限を設定する法律など、新たな支出を伴う法案を成立させるのではないかと懸念している。そうなればインフレ抑制を目指す政府の努力に水が差されるためだ。

 ブラジルのインフレ率は年7.1%と、中央銀行の目標レンジ上限である6.5%を大幅に上回っている。

 その意味で、マンテガ財務相のコメントは主に、年末までの歳入を新たな支出に回さないという、議員らに向けた公の警告と言えよう。

 <早期利下げは見込み薄>

 多くのエコノミストは、昨年の力強い経済成長でインフレ圧力が高まっているため、ブラジル中銀は利下げに転じるまでに時間が必要だと指摘している。

 中銀は今年になって政策金利を5度にわたって引き上げ、主要国では最高の12.5%となっている。ロイターが先週実施したアナリスト調査によると、31日の政策決定会合では金利が据え置かれる見通し。

 最近のデータはブラジル経済が鈍化していることを示しているが、労働者の間で賃上げ期待が依然として強いことなど、中銀が年末まで金利を高水準に維持せざるを得ない理由もいくつかある。

 ブラジルの政府支出の大幅削減につながる大規模な改革が実施されなければ、引き続きインフレ抑制が金融政策の主な課題になると思われる。

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