[ジッダ 25日 ロイター] サウジアラビアのアブドラ国王は25日、国王に対する国政助言機関である諮問評議会への女性の参加のほか、自治評議会(地方議会)選挙での女性の立候補や投票を認めると発表した。同国で女性が参政権を得るのは初めて。
アブドラ国王は演説で、諮問評議会での女性の参加を認めることを決定したと発表。また「地方議会選挙での女性による立候補を認め、投票権を与える」と明らかにした。女性の投票実施は2015年に予定されている次期選挙からとなる。
同国では女性は自動車の運転が許可されていないほか、労働や出国の際にも男性からの許可を必要としているが、これらの分野での権利については言及されなかった。
中東や北アフリカでは「アラブの春」と呼ばれる反体制運動が広がり、エジプトなどでは政権崩壊につながったが、サウジでのデモは比較的小規模にとどまっている。同国政府は3月、失業給付の引き上げや健康保険の充実などで総額1300億ドル(約10兆円)近くに上る懐柔策を発表していた。
サウジアラビアに関する著書もあるロバート・レイシー氏は国王の演説について、「アラブの春が発生して以来、初めて行われたポジティブで前進的な演説だ」と述べた。