September 28, 2011 / 12:46 AM / in 8 years

ドイツ、連立与党のみでEFSF拡充法案可決できない可能性

 [ベルリン/アテネ 27日 ロイター] ドイツ連邦議会(下院)が29日に予定している欧州金融安定ファシリティー(EFSF)機能拡充法案の採決で、メルケル首相は連立与党での過半数を確保できない懸念がでている。

 9月27日、ドイツ連邦議会が予定している欧州金融安定ファシリティー(EFSF)機能拡充法案の採決で、メルケル首相は連立与党での過半数を確保できない懸念がでている。写真は8月撮影(2011年 ロイター/Fabian Bimmer)

 首相の統一会派であるキリスト教民主同盟(CDU)・キリスト教社会同盟(CSU)は27日、内部で予備採決を実施。参加者によると、11人が反対票を投じ2人が棄権した。野党の社会民主党と緑の党はEFSF機能拡充法案への賛成を表明しているため、法案可決は確実視されているが、連立与党内で過半数の賛成を確実にできるかどうかが、メルケル首相の求心力を大きく左右することになる。

 定数620の下院で、連立与党の議席数は330。首相の統一会派と連立を組む自由民主党(FDP)では、議会採決で2─5人が反対に回るとともに、最大6人の棄権が出る可能性がある。19人以上の反対もしくは棄権が出れば、連立与党のみで過半数票の311を確保することが難しくなる。

 連立与党での過半数獲得ができなかった場合でも、首相は2013年の次回選挙を前に議会を解散する義務はない。だが、今後数カ月に対ギリシャ第2次金融支援や欧州安定メカニズム(ESM)に関する議会採決を控えており、与党で過半数票を確保できなければ、メルケル首相がさらに厳しい立場に追い込まれるのは必至だ。

 27日の株式市場では、欧州の資金力増強に向けて4400億ユーロ規模のESFSが拡充されるとの期待感から、世界的に株価が上昇。欧州ではFTSEユーロファースト300種指数.FTEU3が4.55%上昇し、1日の上昇率としては2010年5月以来の大きさとなった。 

 また、欧州当局者が債務危機への断固たる対応を準備していると伝えられたことから、安全投資先となっていた独連邦債の価格は下落。危機解決策への期待からイタリア、スペイン、フランスの国債のデフォルト(債務不履行)に対する保証コストも低下した。 

 一方、ドイツのテレビ局n-tvによると、ショイブレ財務相は、中道右派の議員の怒りを鎮めるため、EFSFの規模拡大を計画していることを否定した。ただ、これによって、EFSFがギリシャ危機の波及回避に向けた一段の資金調達にレバレッジ活用される可能性をめぐる疑問が直接解消されたわけではない。

 <協調確認した独ギリシャ首脳会談>

 メルケル首相は27日夜、ベルリンでギリシャのパパンドレウ首相と会談。メルケル首相は、ドイツは強いギリシャを期待し、ギリシャが国際支援を受けるための条件を履行するに当たり、同国の信認回復に向けドイツとしてできることをすべて行う考えを示した。

 また、EFSF拡充法案をめぐる独連邦議会の採決について、連立与党だけで過半数票を獲得し、可決できると確信していると語った。

 一方、パパンドレウ首相はメルケル首相に対し、欧州諸国から対ギリシャ支援のシグナルを受け取ることが非常に重要だとし、ギリシャにとって欧州の団結が必要だと語った。

 パパンドレウ首相はまた、ギリシャは支援条件を確実に履行すると言明。また、2012年以降、基礎的財政収支の赤字を解消することを目指す考えを示した。

 同相はこれに先立ち、ドイツ経済界の代表らを前に演説し、「ギリシャは痛みを伴う現在の時期を乗り越え、成長と繁栄を取り戻すために戦っていくことを約束する」と語った。

 <ギリシャの痛み> 

 ギリシャ議会は27日、国際支援条件を満たすための緊縮財政策の一環として政府が提示した不動産税の導入を承認した。今回の採決は、80億ユーロ(110億ドル)の次回融資を確保するための追加財政健全策をギリシャ政府が実行できるかどうかが問われる試金石とみられていた。

 ただ、厳しさを増す緊縮措置に対する市民の反発は強く、この日も国会前には1000人のデモ隊が集結。またストライキにより地下鉄やバスなどの公共交通機関は停止しており、税当局者や財務省の一部職員も48時間ストを実施している。ストは28日も続く見通し。

  国際通貨基金(IMF)との協議から戻ったギリシャのベニゼロス財務相は、デフォルト観測がギリシャを傷つけているとし、同国が第2次支援を受けるには7月21日の欧州首脳会議での合意を堅持することの重要性を強調した。同相はまた、IMFを含む3者合同調査団は29日までにアテネに戻り、ギリシャは来月の資金需要に間に合うタイミングで次回融資分80億ユーロを受け取る見通しだと明らかにした。関係筋によると、合同調査団は28日にアテネに戻り、次回融資実施に向けた審査を完了させる見通し。

 多くのアナリストは、ギリシャは次回融資を受けるものの、数カ月以内、おそらく来年初めにデフォルトに陥ると予想している。

 <EFSF規模「拡大しない」とユーログループ議長> 

 欧州委員会は27日、EFSFのレバレッジ活用について欧州連合(EU)は正式な協議は開始していないと表明した。同委員会の報道官は定例会見で「現段階では、正式なものは何もない。正式な協議は行われていない」と述べた。

 一方、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長は27日、EFSFの規模は拡大しないと言明。議長は記者団に対し「EFSFの規模は拡大しないが、最も効果的な方法で活用する」と語った。欧州当局者は4400億ユーロのEFSFについて、ユーロ圏各国が提供する保証規模を拡大することなく効力を高める方法を検討していると述べていた。

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