[トリポリ 30日 ロイター] リビアの反カダフィ派、国民評議会(NTC)のマハムード・ジブリル暫定首相は29日、暫定政権の樹立に向けた交渉が中断されていることを明らかにした。また、自身は新政権に参加しない方針を表明した。
ジブリル氏は、リビア全土が解放されるまで暫定政権の発足はないと言明。カダフィ大佐派の拠点シルトとバニワリードでは現在も戦闘が続いているとし、「この2カ所が早期に解放され、暫定政権の樹立に着手できることを願う」と述べた。
このほか同氏は、内戦で負傷した兵士への対応と海外在住リビア人留学生への資金援助として、4億ドル(約306億円)を配分したと発表。また、死亡した兵士の遺族に毎月400リビア・ディナール(約2万5000円)を、内戦参加のため仕事を辞めた兵士に同450─500リビア・ディナールをそれぞれ支払うとした。
国連などによると、シルトでは市民の脱出が相次いでいる。同地とバニワリードでは、激化する戦闘で救援隊員の配置が困難になっているという。
一方、カダフィ前政権で最後の首相を務めたマハムーディ氏は、拘束されているチュニジアからリビアへの送還に抗議するため、ハンガーストライキを始めたことが弁護士の話で明らかになった。同氏は21日夜、不法入国を理由にチュニジアで拘束されていた。