October 21, 2011 / 2:57 PM / 8 years ago

タイの洪水による被害企業一覧(21日午後8時現在)

 [東京 21日 ロイター] タイの記録的な洪水により、日系企業の現地生産への影響が広がっている。日系企業が多数進出するアユタヤ県では、工業団地が冠水するなど被害が大きく、ホンダ(7267.T)など多くの工場が操業停止に追い込まれている。

 10月21日、タイの記録的な洪水により、日系企業の現地生産への影響が広がっている。写真はバンコク郊外の様子(2011年 ロイター/Kerek Wongsa)

 タイに拠点を持つ日系各社の生産・営業状況や再開の見通しなどをまとめた。

 ◎21日午後8時現在

 ・トヨタ自動車(7203.T):自社工場に被害はないものの、洪水の影響で部品供給が滞っている。10月10日から始まったタイの3つの車両工場の生産停止は28日まで継続する。21日までの減産台数は3万7500台。31日以降の稼働については状況を見ながら判断する。24日からはインドネシア、フィリピン、ベトナムでも稼働日数や生産シフトを減らすなどして生産調整する。トヨタによると、洪水で樹脂・鋳物・電子部品など100品目の調達に影響がでている。

 ・ホンダ(7267.T):アユタヤ県ロジャナ工業団地にある四輪車工場は、取引先からの部品供給停止で10月4日から8日まで生産を休止した。8日には工場敷地内も浸水し、工場内への立ち入りができなくなっており、生産再開のメドは立っていない。一方、二輪車工場は10月11日に治水対策のため操業を休止。12日以降も取引先からの部品供給停止のため、生産を休止している。21日から完成車の生産を再開する予定だったが、従業員の安全を確保するため生産再開を延期した。

 ・パイオニア6773.T:ロジャナ工業団地内の2工場で10月8日から操業を停止している。それぞれカーオーディオ、カーステレオなどを手がけており、建物の1階部分に浸水している。操業再開の時期は未定だが、暫定的に同23日まで臨時休業することを決めた。中国、マレーシア、日本のグループ工場での代替生産などの対応策を決め、実行にとりかかっている。

 ・日本電産6594.OS:6工場が操業停止中。いずれもハードディスクドライブ(HDD)用モーター関連で、タイ日本電産のランシット工場(パトンタニ県)が13日以降、稼働を停止している。浸水被害はないが、周辺の道路が冠水している。現在、再開に向けた準備を進めている。バンガディ工場(同)も12日に稼働を停止。工場内に一部浸水している。ロジャーナ工場(アユタヤ県)は工場内への浸水により、10日に操業を停止した。モーター部品工場も3工場が稼働停止中。日本電産の世界全体のHDD用モーターの生産量のうち、タイ拠点が占める割合は非公表。ただ、中国、フィリピンにも生産拠点があるため、状況を見極めながら、代替生産などの対応を検討する考え。

 また、バンガディ工業団地で家電用モータを生産する日本電産シバウラエレクトロニクス・タイランドや、ナワナコン工業団地(パトンタニ県)でカメラ用シャッタなどを生産する日本電産コパル・タイランドも工場内浸水で操業を停止中。

 ・HOYA(7741.T):ハイテク工業団地にあるHOYAレンズタイランドのアユタヤ工場は、浸水しており、12日から操業を停止している。メガネレンズの特注製品を製造している工場で、生産量は公表していない。メガネレンズの一般製品を量産するパトゥムタニ工場は浸水はないが、社員の安全を考慮し、21日夕から操業を一時停止する予定。今後の水位状況を判断し、安全が確認された場合は速やかに操業を再開する。

 ・スタンレー電気(6923.T):パトゥムタニ県で半導体・超小形電球・光電機器製品を製造・販売するエイシアンスタンレーと自動車照明製品・自動車電球・金型を製造・販売するタイスタンレーの両拠点を21日付で一時閉鎖した。現地に両拠点の合同BCP本部を設置し、対応している。

 ・曙ブレーキ工業(7238.T):チョンブリ県アマタナコン工業団地で自動車用ディスクブレーキなどを製造・販売するアケボノブレーキタイランドは、浸水の被害はないが、納入先の完成車メーカーの操業停止に合わせ12日から操業を停止している。操業再開は未定。

 ◎19日午後6時現在

 ・日産自動車(7201.T):10月19日までとしていたタイの四輪車工場の生産停止を同28日まで延長する。タイ工場は小型車「マーチ」などを生産しており、2010年度の生産実績は20万4434台。10月14日まで一部生産を継続していたが、週明け17日から部品不足で操業を見合わせていた。

 ・ミネベア(6479.T):ロジャナ工業団地のダイキャスト部品工場が浸水し、7日から操業停止中。工業団地閉鎖のため詳細は未確認で、復旧の時期は未定。外部からの購入量拡大に向け手配をしている。

 アユタヤ県でボールベアリングを生産するアユタヤ工場は停電と断水で7日から操業を停止しているものの、25日からの生産再開に向けて準備中。ミネベアは世界で月産2億─2億1000万個のボールベアリングを生産しているが、同工場が生産量で最大。

 ボールべアリングや機械加工品などのバンパイン工場(アユタヤ県)は従業員の安全確保のため15日から操業を停止してきたが、20日から生産を再開する計画。

 小型モーター部品のナワナコン工場は、人的・物的被害はないが、危険地域に指定されたため、14日午後から操業を停止中。

 ・ケーヒン(7251.T):ロジャナ工業団地にあるケーヒンオートパーツ(タイランド)が8日から工場の操業を停止している。現地点で再開のめどが立たない状況。二輪車・汎用製品は日本とインドネシアの工場で代替生産し供給体制を確立。四輪車用製品についても日本や中国などの拠点で補完生産の準備を整えた。

 ・クボタ(6326.T):耕運機などを生産するナワナコン事業所(パトゥムタニ県)で18日午後、建屋・設備への浸水を確認。生産停止は11日から続き、再開時期は未定。トラクターなどを製造するアマタナコン事業所(チョンブリ県)の操業を17日以降、停止している。浸水被害はなかったが、洪水で一部サプライヤーからの部品調達が困難になったため。再開時期は未定。同事業所のトラクターの年産能力は2万─2万5000台。業績への影響は現時点では不透明だが、重大な影響が見込まれる場合は速やかに開示。現時点では日本国内の生産への影響は発生しない見込み。

 ・フジクラ(5803.T):折り曲げ可能なフレキシブルプリント基板(FPC)などを生産するナワナコン工場(パトゥムタニ県)では、予防的に操業を停止していたが、工場への浸水が確認され、操業停止を継続している。タイの6工場が操業停止中で、操業中に2工場でもサプライチェーンの乱れで業務に支障がでる恐れがある。業績に大きな影響を与える可能性があり、詳細が判明次第、速やかに開示するとしている。

 ◎18日午後6時現在

 ・日立製作所(6501.T):冷蔵庫コンプレッサー生産工場や日立金属(5486.T)、日立化成工業(4217.T)の現地子会社など計4社5工場で、浸水するなどの被害が出ている。日立の中西宏明社長は18日、洪水被害の状況について、部品調達網(サプライチェーン)などへの影響も含め「まだ何とも言えない、分からない」と述べた。また、現時点では「在庫でもたせていて、一部は日本での代替生産で対応している」と語った。

 操業停止したのは、日立金属子会社の日立メタルズ(タイランド)がロジャナ工業団地とナワナコン工業団地に持つ各1工場、同子会社のHMP(タイランド)のロジャナ工業団地内の1工場、日立アプライアンスの子会社、日立コンプレッサー(タイランド)のロジャナ工業団地内の1工場、日立化成子会社の日本ブレーキ(タイランド)がハイテク工業団地内に持つ1工場。

 ・東芝(6502.T):パトゥムタニ県のバンカディ工業団地にある東芝セミコンダクタ・タイ社の家電製品向け半導体やパワーデバイスなどを生産する工場、東芝家電製造タイ社の工場など8拠点が10月11日午後から操業を停止している。物理的な被害は出ていないが、19日までの停止を決定しており、20日以降については状況を見て判断する方針。

 一方、同県ナワナコン工業団地にある東芝ストレージデバイス・タイ社のハードディスク工場は、11日午前から操業を停止。同団地には操業停止要請が出ており、稼働再開の時期は未定という。

 ・パナソニック(6752.T):3工場が操業を停止している。ホームアプライアンス社のタイ子会社で、冷蔵庫用熱交換器を製造するパナソニック冷機デバイスタイでは、工場が立地するナワナコン工業団地内で避難指示が出たため、12日に操業を停止。その後、堤防が決壊し、工業団地内が浸水したが、立ち入りできないため設備への被害は不明という。またパナソニック電工では、照明器具や配電部品、電子機器向け積層基板などを手掛けるパナソニック電工アユタヤが9日に、小物家電や制御機器用部品などを手掛けるパナソニック電工タイは11日に、それぞれ操業停止。このうち、パナソニック電工アユタヤは工場内の発電所が水没したため、復旧には相当時間がかかる見通し。2拠点とも一部品目は中国での代替生産が可能で、今後の製品・部品の供給体制について検討を進めている。

 ・TDK(6762.T):4工場が操業を停止している。10月9日以降、停止中のTDKタイランドのロジャナ工場(金属磁石、記録メディア、センサの加工・製造)、マグネコンプ・プレシジョン・テクノロジー社のロジャナ工場(HDD用サスペンション製造)の2工場が、浸水により操業を停止。敷地内に立ち入りできないため、被害の詳細は不明。さらに13日以降、アユタヤ県内の別の工業団地に立地するTDKタイランドのワンノイ工場(金属磁石応用製品)と、マグネコンプのワンノイ工場(HDD用サスペンション製造)の2工場が稼働を停止している。設備被害はないが、安全性を考慮した。また、マグネコンプでは、ロジャナ工場の生産設備の一部を同社のワンノイ工場に移設している。操業再開の時期は未定。各工場の生産規模については未公表。

 ・キヤノン(7751.T):ハイテク工業団地とロジャナ工業団地にあるインクジェットプリンター工場の操業を6日以降、停止中。ハイテク工業団地で製造しているインクジェットプリンターは、年内にも稼働を予定していたタイの別工場(ナコンラチャシマ県)とベトナム工場への移管を検討。また、ロジャナ工業団地のインクジェットプリンター用紙は、国内に移管する方向で検討している。

 ・ソニー(6758.T):アユタヤのハイテク工業団地にあるデジタルカメラ工場の操業を11日午後から停止中。14日に工場建屋内が浸水した。当面は操業を停止せざるを得ない状況にあるという。同工場は、ミラーレスカメラ「NEX」を含むデジタル一眼カメラ「αシリーズ」のボディを製造する、ソニーで唯一の工場。同工場では、コンパクトカメラ「サイバーショット」も一部生産しているが、サイバーショットは他に中国・無錫と日本の幸田テック(愛知県)でも製造している。今後、代替生産などあらゆる手段を講じ、対応する考え。バンガディ工業団地内にある半導体関連工場では浸水被害はなかったが、操業停止の協力要請を受け、14日以降、現在も稼働を停止中。チョンブリ県内にあるカーオーディオ工場は操業しているという。

 ・ニコン(7731.T):ロジャナ工業団地にある連結子会社ニコンタイランドが浸水被害を受け、デジタル一眼レフカメラと交換レンズを生産する工場が10月6日から操業を停止。建物1階部分は浸水を確認しているが、被害の詳細は不明。復旧の時期は未定。

 同工場はニコンのデジタル一眼レフカメラの約9割、レンズの約6割を生産している。同敷地内に在庫専用の倉庫はなく、在庫としては流通在庫が中心となる。その量については公表していない。

 社内に緊急対策本部を置き、今後の対応の検討を進めている。

 ・マツダ(7261.T):米フォード・モーター(F.N)と折半出資で設立した四輪車工場で10月11、12日の操業を停止した。工場自体に被害はない。13日から昼勤務のみ稼働させていた乗用車の生産ラインも、19日から22日まで操業を停止する。ピックアップトラックの生産ラインは11日からの生産停止を22日まで延長する。

 ・三菱自動車(7211.T):自社工場に被害はないものの、部品不足で13日夜から22日まで生産を停止する。ただ、在庫部品のある車種については18、19日は稼働する。24日以降は状況を見極めながら決定する。

 ・味の素(2802.T):飲料工場のタイ味の素カルピスビバレッジ社が浸水のため操業を停止中。コーヒー飲料はタイ味の素販売の工場の増産と外部生産委託先での生産を開始し、カルピス製品は外部委託の活用を検討中。鶏肉などの冷凍食品を生産するタイ味の素冷凍食品も操業停止が続き、工場への浸水が確認された。同国にある主力工場での増産などの対応を始めた。

 ◎17日午後6時現在

 ・旭化成(3407.T):アユタヤ県ハイテク工業団地にある機能樹脂の着色・コンパウンドを手掛ける旭化成プラスティックスタイランドは、洪水の影響で浸水し、操業を停止している。敷地内の立ち入りが困難な状況にあり、被害の詳細の把握ができていないという。

 ◎14日午後7時半現在

 ・古河電気工業(5801.T):ロジャナ工業団地内にある4拠点で浸水被害を受けており、操業を停止中。現時点では、詳細な被害状況を確認することはできていない。今後の操業については、代替生産などの検討も含め、状況を見ながら判断。

 ◎13日午後7時現在

 ・東洋製缶(5901.T):ロジャナ工業団地にある連結子会社3社で建物が浸水し、10月7日から操業を停止している。3社はプラスチック製品の製造販売会社、飲料PETボトルの製造販売会社、技術・管理サービス会社。被害の詳細は情報収集中。 

 ◎12日午後7時半現在

 ・セブン&アイ・ホールディングス(3382.T):米セブン―イレブン・インクがライセンス供与する形でタイ国内にセブン―イレブンを6086店舗(6月末)出店。被害状況は、現在、セブン―イレブン・インクを通じて確認中。

 ・ファミリーマート(8028.T):アユタヤ周辺の約20店舗を一時閉鎖中。タイには9月末時点で659店舗を出店。

 ・加賀電子(8154.T):ロジャナ工業団地にあるアユタヤ工場が10月6日から操業を停止。復旧時期は未定。

 ・住友金属工業5405.T:タイに4社の連結子会社があるが、ロジャナ工業団地で電磁鋼板の加工販売を行うタイスミロックスが浸水による退避令で、10日から操業を一時停止している。同社は電子部品用の電磁鋼板を加工販売しており、加工能力は年間7万2000トン。再開の見通しは不明。建屋・設備・製品の被害については調査中。業績への影響も調査中だが、影響は軽微となる見込みという。

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