November 7, 2011 / 7:08 AM / 9 years ago

海外勢は依然リスク回避姿勢、伊債務問題や米赤字削減策に焦点

 11月7日、海外勢は依然としてリスク回避姿勢を崩しておらず、東京市場ではイタリアの債務問題のほか、米財政赤字削減策に焦点が移りつつある。写真は都内の株価ボード。昨年8月撮影(2011年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 [東京 7日 ロイター] 海外勢は依然としてリスク回避姿勢を崩していない。ギリシャ危機への懸念は後退しつつあるが、イタリアの債務問題のほか、米財政赤字削減策に焦点が移りつつあるためだ。

 東京市場は国内機関投資家などが下支えしているものの、日本株が海外の材料に翻ろうされる展開は目先も続きそうだ。日経平均は8600円―9000円のボックス相場で推移するとの見方が多い。

 邦銀系の株式トレーダーによると、7日の東京市場では海外勢の8800円付近の売りが観測されたという。日経平均が8800円以上の水準になれば輸出株や金融株など主力株を中心に売りたいという欧州マネーや海外ヘッジファンドからのリミット付きの注文とみられている。カンヌの20カ国・地域(G20)首脳会議やギリシャ政局、米雇用統計の発表などイベント通過したが、東京市場の商いは一向に膨らまず、海外勢の売りに押され、日経平均は上値が重い。

 「海外勢が縮小する一方で国内勢が小規模な買いを入れている」(別の株式トレーダー)とされるが、押し上げる力は弱い。前出の邦銀系株式トレーダーは「下落局面では公的年金や機関投資家の買い支えがみられても海外勢が上値を買う動きが期待できない」とし、向こう1カ月間は8600円―9000円のボックス相場を予想している。

 海外勢の慎重な投資スタンスの背景にはやはり欧州債務問題などのリスク要因がある。三田証券株式営業部長の倉持宏朗氏は「ギリシャ債務問題は連立政権の発足合意で一段落」としながらも「イタリア情勢の不透明感などもあり楽観的なムードはない。国内企業業績の悪化も重しになっている」と慎重姿勢を緩めていない。イタリア債務危機に焦点が移ったことを受け、日経225オプションの8500円プット11月限は30%付近で推移している。

 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのメルシュ・ルクセンブルク中銀総裁は、イタリアが確約した改革を実行しないと判断した場合、イタリア国債の買い入れ停止の可能性を指摘した。カンヌのG20首脳会議では欧州金融安定ファシリティー(EFSF)への協力に消極的な発言が目立っただけに、ECBが手を引けば市場の不安感が高まるのは必至だ。市場では「欧州ソブリンを支えているのはECB」(外資系証券)との声も多い。

 さらに、米財政赤字の削減をめぐる超党派の特別委員会の協議が暗礁に乗り上げていることも新たな不安要因だ。赤字削減策の取りまとめ期限が迫る中、赤字削減策で合意できなければ深刻な状況を招くとの懸念が強まっている。超党派委員会は11月23日までに、少なくとも1兆2000億ドルの赤字削減策について合意する必要があるが、合意にこぎつけられなければ2013年から同額の歳出削減が自動的に発動される。

 こうしたネガティブな環境下で、ECBや米連邦準備理事会(FRB)の追加緩和観測も強まっている。日銀が追加緩和を実施し、政府が史上最大規模とみられる円売り介入を行ったにもかかわらず、市場では円高警戒感は消えていない。イベントは一巡したが、海外要因に加え円高が日本株を二重に圧迫する構図は継続したままだ。

 (ロイターニュース 吉池 威 編集:伊賀大記)

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