November 7, 2011 / 7:28 AM / 9 years ago

ギリシャ問題前進も解決道半ば、イタリア飛び火で深刻化を懸念

 11月7日、日銀内では、ギリシャについては一歩前進を評価する声が聞かれる一方、イタリアなどへの問題波及や、周辺国国債下落による欧州金融機関の資本不足を通じたシステム不安への懸念はくすぶり続けている。都内の日銀本店で2008年11月撮影(2011年 ロイター)

 [東京 7日 ロイター] 前週末の主要20カ国・地域(G20)首脳会議でイタリアの国際通貨基金(IMF)による監視受け入れが決まり、ギリシャはパパンドレウ首相の退任と連立政権の樹立が決まった。日銀内では、ギリシャについては一歩前進を評価する声が聞かれる。

 一方、イタリアなど周辺国への問題波及や、周辺国国債下落による欧州金融機関の資本不足を通じたシステム不安への懸念はくすぶり続けている。為替円高も含めて、引き続き予断を許さない状況に変わりはない。 

 ギリシャでは、与党からの造反が懸念されていた内閣信任案が可決され、パパンドレウ首相が辞任し野党との連立政権が樹立されることとなった。日銀内では新体制が決まることで、IMFや欧州連合(EU)からの資金供与や債務削減の前提となる財政再建の実現性が高まったことを評価する声が聞かれる。ギリシャの再建が進めば、他の南欧諸国についても同様に財政再建が進むとの思惑から市場が冷静さを取り戻すとの見立てだ。 

 一方、ギリシャについて根本的な解決はほど遠く、イタリアなど周辺国への影響も未知数との見方もある。10月26日のユーロ圏首脳会議で、金融機関が保有するギリシャ債の返済免除幅が従来の21%から5割に拡充されたが、事実上の債務不履行(デフォルト)状態が続くとの見方もあるためだ。

 イタリア下院は8日、財政関連法案の採決を行うが、ベルルスコーニ首相に対して辞任を求める声が拡がるなか、現地報道によると20─40人の与党議員が造反、離反するとみられている。10年イタリア国債の利回りは4日、一時6.4%台とECBが8月に市場でイタリア国債を購入し始めて以降、最も高い水準に達し、市場での資金調達に影響が出るとされる7%が視野に入り始めている。

 G20では欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の拡大で、中国など新興国から具体的な資金協力が全く出なかったことで、市場の不安感を払しょくする「見せ金」が準備されていない点も一部では懸念されているもようだ。 

 G20サミットでは日本が先週実施した為替介入について説明、大きな批判はなかったとされるが、日銀では、為替についても予断を許さない状況が続くとの見方。1ドル78円で安心できるとは言い切れず、海外情勢を日々注視しなくてはならない情勢に変化は生じていない。 

 ギリシャやイタリア国債を保有する欧州系金融機関が資本不足となる可能性や、それら金融機関に対するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を発行してきた米金融機関に対する市場の疑念が晴れない限り、金融機関同士の疑心暗鬼が資金繰り問題を生みかねない。2日に日銀が行ったドル資金供給オペには1年4カ月ぶりに応札があるなど、日本国内にも欧州のドル調達難の波が届きつつあり、日銀として緊張の解けない日々が続いている。  

  (ロイターニュース 竹本能文)

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