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野田首相がTPP交渉参加を正式表明

 [東京 11日 ロイター] 野田佳彦首相は11日夜の記者会見で、あす開幕するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合で、環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加に向け、関係国と協議に入ることを正式に表明した。

 11月11日、野田首相はTPP交渉への参加に向け、関係国と協議に入ることを正式に表明。写真は10月ソウルで撮影(2011年 ロイター/Jo Yong-Hak)

 TPPを通じて、高い経済成長を続けるアジア太平洋地域の「成長力を取りこむ」一方、交渉にあたっては「十分な国民的な議論を経た上で、あくまで国益の視点に立って結論を得る」考えを示し、党内に高まった慎重論に配慮する姿勢も見せた。

 <国益実現に全力、「勝ち取るものは勝ち取る」>

 野田首相は、交渉参加をめぐるこれまでの論議の中で「大きなメリットとともに、数多くの懸念が指摘されたことは十二分に認識している」としながらも「貿易立国として繁栄を築き上げた日本が、豊かさを次世代に引き継ぎ、活力ある社会を発展させるには、アジア太平洋地域の成長力を取り入れないといけない」との考えを表明。今後の関係国との協議では「守るものは守り抜き、勝ち取るものは勝ち取る。国益を最大限に実現するために全力を尽くすことが基本だ」との姿勢を示した。

 同時に、交渉参加を決断した背景として「貿易・投資立国である日本が、アジア太平洋地域でフロンティアを開拓することに意義がある。アジア太平洋地域で、これからの日本の存在感をどう考えるべきか、ということを経済を中心に考えた」と話した。

 <農業対策で予算措置>

 TPP参加へ反発が強い農業に関しては、10月に決定した「食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」に基づいて予算措置を行う方針を重ねて表明。2011年度第4次補正予算の編成については、国会審議で「二重ローンの問題も含め、追加財政需要が出た場合は予算措置をすると言った。第4次補正という言い方はしていない」と、否定的な見解を示した。

 <一体改革へ野党に協議呼びかけ、消費税引き上げ法案を年度内に国会提出>

 野田首相は、社会保障と税の一体改革について、6月にまとめた政府与党案を具体化していくと述べ、野党に協議への参加を呼び掛けた。政府与党案には10年代半ばまでに消費税率を段階的に10%まで引き上げる方針が明記されているが、こうした法案について「法律上は11年度末までに提出することになっている。準備をしっかりやっていきたい」と年度内の法案提出にあらためて意欲を示した。

 また、企業買収を利用して損失隠しを行っていたことが明らかになったオリンパス7733.Tについては「不適切な会計処理があったことは誠に遺憾」とし、「厳格な対応をしなければいけない」と語った。

 (ロイターニュース 基太村真司 伊藤純夫)

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