November 14, 2011 / 4:08 AM / in 8 years

ドル77円前半で上値重い、ユーロ1.37ドル後半で米財政協議意識

 [東京 14日 ロイター] 正午のユーロ/ドルは、ニューヨーク市場午後5時時点と同水準の77円前半で推移している。ドルは11日の海外市場で約2週間ぶり安値となる77.05円まで下落したが、東京市場では下げ渋った。

 11月14日、正午のユーロ/ドルは、ニューヨーク市場午後5時時点と同水準の77円前半で推移している。9月撮影(2011年 ロイター/Lee Jae-Won)

 ただ、上値の重いなかで77円付近のストップロスが意識されており、下げ止まり感は乏しい。ユーロ/ドルはモンティ元欧州委員のイタリア首相指名を受けて早朝に1.38ドル台に乗せたが、ユーロの買い材料はそろそろ出尽くしとの見方から買い一巡後は1.37ドル後半に下落した。もっとも、米財政赤字削減協議の難航からドル売りの流れもできてきており、ユーロの下値を支えた。

 午前のドル/円は、77.10─77.29円の19銭レンジでもみあった。海外市場では10月31日の介入以来、約2週間ぶり安値となる77.05円まで下落したが、東京市場では短期筋の動きも限られ、下値を売り込む動きにはならなかった。実需勢の動きも乏しいという。

 ただ、31日の介入以降、ドルの水準は着実に切り下がっており、上値の重さは否めない。市場では、77円付近のストップロスが意識されており「欧州時間に入ると、下値をトライする動きが出る可能性がある」(大手銀行)との声が出ている。一方、76円台は買いも入っており、急落はないとみられている。

 朝方に発表された7─9月期GDPは、事前予想通りの実質前期比プラス1.5%と、東日本大震災からの反発で比較的高い水準になった。ただ、欧州ソブリンリスクが世界景気に下押し圧力をかけていることに加え、円高が日本の輸出企業の業績を圧迫しており、このレベルの景気回復が続くかは不透明。「円を買う理由にはならない」(住友信託銀行マーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏)との声が聞かれる。

 ユーロ/ドルは、モンティ元欧州委員のイタリア首相指名を受けて、早朝に1.3815ドルまで上昇した。イタリアの政治混乱が一服したとの受け止め方だ。しかし「欧州発のユーロ買い材料は、モンティ氏の首相指名で一巡した。これ以上いい話は、欧州からはでてこないだろう」(国内銀行)との声が聞かれ、ユーロは早朝の買い一巡後は売りが優勢になった。1.38ドル台では売りが厚く、1.37ドル後半に押し戻された。

 ただ、ユーロの買い材料は一巡しても、ドルの売り材料がユーロ/ドルをサポートした。

米財政赤字の削減をめぐる超党派の特別委員会の合意期限が23日に迫るなか「合意できないのではないか」(大手銀行)との見方からドル売りの流れができつつあるという。「ユーロ売りの流れもドル売りの流れもある。目新しさのあるドル売りが今後強まれば、ユーロは1.39ドル台まで上昇する可能性も十分にある」(大手銀行)との声が聞かれる。

 <後退していた介入警戒感が復活>

 11日の海外市場での77円を狙ったドル/円の下値トライでは、介入警戒感の後退が指摘されている。安住財務相が11日、3月の東日本大震災後の為替介入は、欧米の理解を得て協調で実施したが、「その後は残念ながら(欧米と)同じ認識に立てなかった」と語ったことで、介入のハードルの高さが意識された。さらに、APECや日米首脳会談など個別の国際会談をにらんで国際イベントの最中には介入はしにくいとの見方が広がり、ドル/円は77.05円まで売り込まれた。

 しかし「IMFのラガルド専務理事が安住財務相との会談で介入について比較的穏やかに受けとめていたことに加え、APECでも日本の介入については強い非難も出なかった。このため、過度な変動があれば介入があるとの見方が復活している」(国内銀行)との声が聞かれる。

 ラガルド専務理事は12日、安住財務相との会談で日本の為替介入についても少し話したとし、為替市場における無秩序な動きや過度の変動を抑えるためのもので「G7声明に沿ったもの」と認識している、と述べた。 ただ、「われわれは、介入の最も効果的な方法は協調行動だと考えている」と付け加えた。

 <ドイツの銀行救済がイタリア危機へ>

 草野グローバルフロンティア代表取締役 草野豊己氏は、イタリア国債の利回りが、10年債で7%を超える水準まで急騰した背景について「ギリシャ債務のヘアカットにあたり、ドイツの銀行救済をねらってデフォルトを回避したため」とみている。 

 欧州首脳はギリシャ支援にあたり、デフォルト回避にこだわった。デフォルト認定されればCDSのクレジットイベント決済につながりかねないためだが、この場合に受ける影響は、欧州の銀行のなかでは150億ユーロのCDSを売っているドイツの銀行が突出しているという。

 しかし、他の国の民間金融機関からみれば、CDSの買いはつまり、リスクヘッジのための保険機能の買いだ。しかし、クレジットイベント決済がなされないなら保険の意味をなさなくなる。国債の保有リスクをヘッジできなくなり、周辺国国債を売る動きが加速したことがイタリア10年債での7%を超える利回りの急騰につながった。ソブリンCDSで契約残高が一番大きいのがイタリアという。

 そして、イタリアの債務問題が拡大すれば、イタリア向け与信が4102億ドルと突出しているフランスの銀行、ひいてはフランスへの懸念が高まる。フランスとイタリアの共鳴だ。フランスのソブリンCDSスプレッドは上昇基調にある。そして、ムーディーズによると、フランスの格付け(シニア格付け)はトリプルAだが、CDSからみた格付けは「Baa2」だ。

 草野氏は「これまでの例からみて、フランスのシニア格付け引き下げは秒読みの段階に入ったとみている。欧州首脳がデリバティブ商品の影響を読み切れなかったことが、危機の連鎖につながった」とみている。

*内容を追加して再送します。

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