[ニューヨーク 15日 ロイター] 米ニューヨーク市警は15日、反格差社会デモ「ウォール街を占拠せよ」の参加者らを、活動拠点として利用していた公園から強制退去させた。
数百人規模の警察官が午前1時(日本時間午後3時)からテントやシートなどを取り壊し、147人を逮捕。デモ参加者の中にはお互いを鎖でつなぐなどして抵抗する者もいたが、約3時間15分で全員が退去した。
デモ参加者が法を犯さない範囲で活動していたため、当局は手が出せない状態が続いていたが、公園を所有する企業が14日、ブルームバーグ市長に強制退去を要請。同市長は声明の中で、「デモ参加者は2カ月に渡ってテントや寝袋で公園を占拠してきたが、これからは議論の力で訴えてほしい」と述べた。
公園には排泄物の異臭が漂っており、当局やデモ参加者によると、強姦や窃盗、薬物の取引などの犯罪が横行していたという。
またニューヨーク市の裁判所は15日、同市が新たに定めた「公園内のテントや寝袋を禁止する」という規則を認め、強制退去させた行為にも違法性はないとの見解を示した。