[ニューヨーク 16日 ロイター] ロシア当局から先月脱税などの容疑でモスクワのオフィスが捜索を受け、コンピューターやファイルを押収されたエルミタージュ・キャピタルの創設者で最高経営責任者(CEO)でもあるビル・ブラウダー氏は13日、ロイターのインタビューに対し、ロシアへの投資から手を引く考えはないと明らかにした。
エルミタージュ・キャピタルは40億ドルの運用資産を持つアクティビスト投資ファンドで、ロシア企業を対象とする世界最大のファンドを運用している。
ブラウダー氏は1996年にロシアでエルミタージュ・ファンドの運用を開始したが、約2年前にロシア当局から国家の治安にとって脅威になる人物と宣言され、ビザを取り消された。
ブラウダー氏はそれ以来ロシアに戻っておらず、ロシア以外で投資するファンドを立ち上げるために6億2500万ドルを集めたが、ロシアへの投資を断念するとの市場の憶測を否定した。
同氏によると、エルミタージュ・キャピタルは捜索を受けた後、モスクワの投資スタッフをロンドンに移し、ロシアへの投資を継続している。
ブラウダー氏は1997年にエネルギー大手のガスプロムGAZP.MMに経営体制の変更を迫り、ガスプロム株を35倍に高騰させ、エルミタージュのその年のリターンは228%に達したことがある。