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日銀内でも市場混乱のマクロへの影響を注視
2007年9月6日 / 07:46 / 10年後

日銀内でも市場混乱のマクロへの影響を注視

 [東京 6日 ロイター]  欧州中央銀行(ECB)が5日、米サブプライムローン(信用度が低い借手向け住宅ローン)問題に端を発した金融市場の動揺沈静化に向け、全力を挙げる姿勢を鮮明にしたことで、市場では日銀の利上げ見送り観測が一段と強まってきた。

 9月6日、日銀内でも市場の混乱が与える米経済への影響を注視しており、マクロ的な影響が出てくるかどうか、慎重に見極めるべきとの見方が広がりつつある。写真は日銀本店で。4月撮影(2007年 ロイター/Yuriko Nakao)

 日銀内でも市場の混乱が与える米経済への影響を注視しており、マクロ的な影響が出てくるかどうか、慎重に見極めるべきとの見方が広がりつつある。

 サブプライム問題の影響がマーケットを大きく揺さぶり出した8月中旬以降、日銀はマーケットの様子やサブプライム問題がマクロ経済に与える影響について、注意深く見守ってきた。米市場における当初の極端な質への逃避現象は、いったん小康状態になったものの、この問題の火元とも言える米クレジット市場の混乱は「収束には程遠い」とスチール米財務次官が5日に指摘したように、機能停止状態が継続している。

 こうした中で日銀内でも、サブプライム問題が「足元の米経済に悪影響を及ぼし始めた」(幹部)との見方が出てきている。仮にこの先、マクロ経済へのマイナスの影響が大きくなってくれば、7月から8月にかけて「多少前進しているかもしれない」(福井俊彦総裁、8月23日会見)としていた日本経済への影響も無視できなくなる。

 米国の個人消費が落ち込めば、日本の輸出が直接打撃を受けるだけでなく、中国などの新興国の米国向け輸出減を通じて、間接的にもダメージを受けるため、これが顕在化するリスクを日銀内では懸念する声が出ている。

 このため日銀は、米経済指標など中心にマクロ指標の内容を丹念にチェックし、米経済がソフトランディング(軟着陸)シナリオから外れそうになっているのかどうか、慎重に見極めていく方針だ。

 18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で示される声明の内容は、日銀の景気判断の大きな材料になるが、それまでに出てくるデータも詳細にチェックし、米連邦準備理事会(FRB)が利下げ対応を迫られるほど景気下振れのリスクが高まっているのか、日銀独自の判断を固めていく。

 一方、マーケットでは日銀が当面、利上げできないとの観測が広がっている。ECBが6日の理事会で利上げを見送れば、国際的な政策協調の側面からも、9月18、19日に政策委員会・金融政策決定会合で日銀は利上げを見送るだろうとの見方が多い。

 福井俊彦総裁は8月23日、金融政策決定会合後の記者会見で「金融政策運営は、各国の中央銀行が自らの判断基準でもって、それぞれの経済・物価情勢、先行きの見通しをもとに判断していくものであって、相互に調整するというものではない」と述べ、日銀の金融政策運営はECBやFRBの政策に縛られないと強調した。

 だが、市場では現実には9月の利上げ見送りをかなり織り込んでいる。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)金利が織り込む9月利上げの確率は1割程度、10月も3割程度にとどまっている。みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト、上野泰也氏はECBの声明を「市場が見ていた9月利上げ見送りを事実上宣言した」と位置づけた上で「日銀の利上げについては9月は論外、年内の利上げが封印されたとみている。混乱が収束したとしても、日銀利上げは最速で来年1月」との見通しを示した。

 (ロイター日本語ニュース 志田義寧)

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