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首相辞意表明:識者はこうみる
2007年9月12日 / 08:28 / 10年前

首相辞意表明:識者はこうみる

 [東京 12日 ロイター] 安倍晋三首相は12日午後、首相官邸で緊急会見し、「首相の職を辞するべきだと決意した」と辞意を表明した。首相は、テロ対策特別措置法の継続に野党が強い反対をしている中で、「新たな首相の下で、テロとの戦いを目指すべきと判断した」と説明。「自らけじめを付けることで、局面の打開が必要と判断した」と述べた。市場関係者のコメントは以下の通り。

 9月12日、安倍晋三首相、辞意を表明。都内では首相の辞意表明を伝える号外が配られた(2007年 ロイター/Yuriko Nakao)

●投資家のリスク回避姿勢変わらず

<JPモルガン・チェース銀行 為替資金本部FXストラテジスト 棚瀬順哉氏>

 辞意報道が流れた直後の外為の反応は、株価主導の動きだった。最初に日経平均が上昇して円売りになったが、その後株価が反落すると円売りも一服となった。株価が上昇したのは、もともと支持率が低い内閣だったので、辞意表明はネガティブなニュースではないと受け止められたのだろう。円は動いたといっても50銭も変動していない。かなりサプライズなニュースにも関わらず、外為市場の値動きが限られたことは、外為相場にとって首相辞意の影響が限定的だったといえる。投資家のリスク回避姿勢が主導する相場展開が続いており、それを変えるようなものではなかったということだ。

 歴史的に見ても日本の政治の変化がドル/円のトレンド転換につながったことはない。クレジット市場の状況から派生する投資家のリスク回避姿勢が、為替のトレンドを決めている最近の流れを変えるものにはならない。その流れが続くなら円安が続くわけでもない。為替市場は株価にらみの展開が続くだろう。

●日銀の利上げ、10─11月もないとは判断できず

<野村証券金融経済研究所・シニアエコノミスト 森田京平氏>

 今後の政権が民主党寄りの財政のばら撒き政策に傾倒すれば、景気には短期的にはプラスとなろう。しかしそうなれば、長期的には財政政策で信任を失い、長期金利が上昇、成長速度が低下する可能性もでてくる。しかし安倍首相の会見を聞く限り、今後の政権が極端なばら撒き路線に入ることはなさそうだ。

 原理原則としては、首相の辞任が日銀の金融政策に影響することはないはずだが、市場が安定していることも、こうした見方をサポートしている。欧米と違って、短期市場に混乱がないのであれば、利上げを踏みとどまることはないとみる。今のところ金融市場の動きは合格点だ。

 9月は利上げ見送りとなろうが、10月も11月も利上げがないと判断する材料にはならない。

●リスク許容度低下から一般債買い継続

<新光証券 債券営業部 投資情報室 クレジットアナリスト 金子良介氏>

 次の首相が誰になるのか、政策運営がどうなるのかなど先行きの政局がみえてこないため、現時点ではリスク許容度が低下する可能性が高く、円債が買いやすくなる。

 国内普通社債(SB)など一般債についても、投資家は期間収益を得るために継続的な買いを続けるとみられる。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)では、リスクヘッジ需要が高まる可能性を排除できない。

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