Reuters logo
米FRBが0.50%ポイント利下げ:識者はこうみる
2007年9月18日 / 21:49 / 10年前

米FRBが0.50%ポイント利下げ:識者はこうみる

 [ワシントン 18日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準を0.50%ポイント引き下げ、4.75%とした。住宅市場の低迷や金融市場の混乱による経済への影響を軽減することが目的。

 9月18日、米FRBはフェデラルファンドFF金利の誘導目標水準を0.50%ポイント引き下げ4.75%に。写真は7月18日、バーナンキ議長(2007年 ロイター/Jason Reed)

●今後の政策は経済動向が主導

<JVBフィナンシャル・グループの主席エコノミスト、ウィリアム・サリバン氏>

 最終的な影響を見極めることは困難だ。FRBの利下げは、クレジット市場の収縮が考えられている以上に大規模で、FRBが現時点で積極的な措置が現在必要と判断したことを示唆している。また恐らく当面利下げがないという含みもある。将来の金利決定が経済動向に主導される可能性があることを示し、それは経済指標が上向けば、FRBが2008年まで金融政策の手を休めることができる。

 今日の措置に救済の要素があったと考える。重要なことは、世界の投資家に、FRBが多かれ少なかれインフレとの戦いを断念したと受け取られるリスクを冒しているということだ。これにより、イールドカーブのスティープ化やドル下落、長期資金のコストが上昇する可能性があり、多くの不透明要素がある。

 株式市場では当初、好材料と受け取られるだろうが、今後の影響について考慮する必要がある。どのようにインフレ期待が展開するかを見極める必要があり、長期的にしっかりと抑制されない可能性がある。

 また、目先のサブプライムローン(信用度の低い借り手への住宅ローン)問題を解決しない可能性もある。フェデラルファンド(FF)金利がどの水準になっても、サブプライム金利は、年内に一段と高い水準に改定される。

●慎重な見方退け大胆な先手

<RBSグリニッチ・キャピタルの首席国際ストラテジスト、アラン・ラスキン氏> 

 フェデラルファンド(FF)金利と公定歩合の50ベーシス・ポイント(bp)引き下げで、FRB議長は緩和サイクルに大胆な先手を打った。信認のために慎重すぎるほどに慎重になると見られていた。FRBは先回りをしたのか、それとも単にパニックに陥ったのか、市場は判断を迫られる。パニックに陥ったとの見方にしても、金利差の観点からしても、ドルにとっては大きなマイナス要因だ。

 インフレリスクを放置したと見る向きもあるだろう。高リスク資産の面から見れば、今回の措置は表面化していない問題がもっとあることをFRBが認識しているとの懸念に拍車をかけ、キャリー取引、資源国通貨などにとっての直後のプラスの影響は限定的となる可能性がある。

●景気へのリスクを未然に防ぐ姿勢示す

<ポイント・ビュー・フィナンシャル・サービシズの首席投資ストラテジスト、デービッド・ディエズ氏>

 ウォール街は今回の動きを受け入れているが、それは住宅市場の弱さに起因する経済成長へのリスクを未然に防ごうとする連邦準備理事会(FRB)の姿勢を反映しているからだ。

 多くの投資家が初夏からのFRBの対応の遅れを非難していたが、FRBは現在、後手に回る代わりに、クレジット市場の震撼が経済成長の深刻な足かせとなる可能性をこれ以上容認しない姿勢を示している。投資家は、今回の決定が全会一致の決定だったことを安心感を持って受け止めた。

 長期国債の売りは3つのことを示唆している。1つは、今回の利下げがインフレリスクの抑制という点では効果がないこと。恐らくインフレが今後ある時点で生じるというリスクが強まったことを示唆している。

 2つ目は、経済成長の回復、経済が一段と強くなる可能性が高まったということ。これは投資資金への需要が拡大し、長期債の金利が上昇することを意味する。3つ目として、米債券を保有する海外投資家の立場からみて、利下げによってドルの価値が低下し、米国債のようなドル建て資産を保有する魅力が若干低下することが懸念される可能性がある。

●インフレ抑制への信認薄れる

<イートン・バンス・マネジメントの首席エコノミスト、ロバート・マッキントッシュ氏>

 予想どおりだったが、望まない結果だった。この数年の行き過ぎたリスクテイクをかなりあからさまに救済した形だ。最大の目的であるインフレ抑制について、FRBに対する信認は薄れるだろう。経済では多くの動きがあるので、次回の会合まで落ち着くのを待ってからもう1度見直すことができたはずだ。過剰反応だった。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below