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米経済悲観論が後退、海外勢の一部が債券売り戻し
2007年10月4日 / 06:57 / 10年前

米経済悲観論が後退、海外勢の一部が債券売り戻し

 [東京 4日 ロイター] 4日の東京市場は、前日NY市場の流れを受けて小幅の株安/債券安となっている。市場の一部では、米経済への過度の悲観論が後退し、世界的に債券を売り戻す動きが出始めているとの声が浮上しており、東京市場でも海外勢の国債先物売りが出ているという。

 10月4日、米経済への過度の悲観論が後退し、世界的に債券を売り戻す動きが出始めているとの声が市場の一部で浮上。写真はニューヨークで8月撮影(2007年 ロイター/Gary Hershorn)

 ただ、サブプライム(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題が完全に解決したわけでなく、年末にかけてマーケットの緊張度が高まるとの懸念もくすぶっている。

 <東京市場でも海外勢に債券売りの動き>

 前日NYでは、株と債券がともに下げた。米証券会社による半導体メーカーの投資判断が弱かったことで、ハイテク株を中心に売りが優勢になった。米債市場では、ISM非製造業景気指数のうちで雇用と価格指数が上昇し、10年米国債利回りは前日の4.53%台から4.56%台に上昇した。

 この流れを受けて国債先物は反落。じりじりと下げ幅を拡大した。現物市場では、物価連動国債入札を前にヘッジ売りが出て金利が上昇。10年最長期国債利回り(長期金利)は前日に比べて1.5ベーシスポイント(bp)高い1.705%に上昇した。

 物価連動国債の入札後も売りが出て一時、1.715%まで利回りが上昇。国債先物12月限は134.57円までいったん売られた。「入札に伴うヘッジ売りが、午後も断続的に出ていた」(邦銀)との声が出ている一方、「海外勢の売りが先物に出ていたようだ」(外資系証券)との見方があった。

 この点に関連し、ある邦銀関係者は「今週に入って、株先売り/債先買いというそれまでの取り引きと反対の売買をしている海外勢が増えている。このところ米国勢を中心に世界的に金利が上がる方向のポジションを作ろうとしている兆しがあり、その一環とみられる」と話す。

 国内証券の関係者は「米市場関係者の中で、サブプライム問題の影響に関する見方が分かれてきている。後遺症が深刻との見方がある一方で、年内に利下げが1回あった後は、2008年に利上げに転換するとの予測も複数出てきている。過度の悲観論の修正がこのところ、海外勢の取り引きの中に出てきている」と指摘する。

 ただ、別の邦銀関係者は「年末に向けて、資金が趙たちできない欧米銀行の様子がマーケットに知れわたると、サブプライム問題に再び、脚光が当たる可能性がある。そのときにマーケットが再び動揺するリスクがあり、まだ安心できる状況ではない」と述べている。

 外為市場では、前日海外で一時、116.78円と1カ月ぶり円安水準を付けた後、海外勢のドル買いと輸出筋のドル売りが交錯し小幅の取り引きが継続した。

 市場では「ドル/円がチャートを上に抜けてきた。上がりそうな雰囲気になっている。米雇用統計が上振れならもう一段(上に)行くかもしれない」(外資系銀)との声が出ている。

 このドル上昇に関しても「FRB(米連邦準備理事会)が来年に利上げするなら、ドルは買えるとの思惑が一部のヘッジファンドで出てきていることの表れ」(国内証券関係者)との指摘がある。 

 <株式市場でも利益確定売り>

 東京株式市場では、日経平均が4日ぶりに反落している。前日の米国株安に加え、週初から400円強の大幅上昇となっていたため、幅広い銘柄に利益確定売りが先行した。市場では「海外勢のバスケット買いが前日に比べほぼ半減している。一方で国内機関投資家が早くも利益確定の動きをみせているため、上値を抑えられている」(大手証券エクイティ部)との声が出ている。

 国内機関投資家の損益分岐点ともいえる日経平均の9月月中平均は1万6235円。中間期末に評価替えした機関投資家にとって、株価はすでに利益を出せる水準にある。

 ただ「この時期に大きく資金を動かすことは考えにくい。大幅高の後であり小口のポジション調整的な動きだろう。個人投資家のマインドも回復し、極端に相場が悪化することは考えにくい」(野村証券ストラテジストの藤田貴一氏)との声もあるように、市場では自然な調整の範囲内とみている。

 丸和証券調査情報部次長の大谷正之氏は「全般的にはきょうのECB理事会や週末の米雇用統計を警戒しながらの取引となっている。ECB理事会はユーロ高への言及があるかどうかが注目だ」と話している。

 東証1部市場がさえない動きとなっている半面、マザーズ、ヘラクレスなどの新興株市場には資金流入が続いている。「年内にも公的年金が新興株を買い始めるとの観測が根強く、海外短期資金の先回り買いが入っている」(欧州系証券)という。楽天証券経済研究所チーフストラテジストの福永博之氏は「新興市場の回復が進み、これまで動きの鈍かった個人投資家の買い意欲が高まる兆しが出てきた。利益確定をしながらも順バリで値上がりする銘柄を買う良い形の投資行動が増えている」とみている。

 (ロイター日本語ニュース 田巻 一彦)

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