October 10, 2007 / 11:16 AM / 11 years ago

ロイターサミット:新富裕層取り込み、金融機関の営業手法改善が必要=アブラハム

 [東京 10日 ロイター] 富裕層マーケティングを支援するアブラハム・グループ・ホールディングス(東京都港区)の高岡壮一郎社長は10日、30─40代の「新富裕層」を取り込むためには、金融機関は従来の旧富裕層向け営業手法を改め、不動産や新興国市場など特定分野における強みをアピールし、他社との差別化を図ることが必要との認識を示した。

 10月10日、アブラハム・グループ・ホールディングスの高岡社長は、30─40代の「新富裕層」を取り込むためには、金融機関は従来の旧富裕層向け営業手法を改めることが必要との認識を示した(2007年 ロイター/Toru Hanai)

 高岡社長は、富裕層向け資産運用ビジネスを提供する金融機関幹部や専門家を集めた「ロイター・ウエルス・マネジメント・サミット」で、新富裕層はリスク許容度が高く、コモデティーにリンクした債券などのオルタナティブ投資商品やインドでの開発案件などニッチな投資機会などへの関心が高い、と指摘した。 

 <新富裕層の間ではシティグループとHSBCが人気>

 アブラハムは、金融資産1億円以上を保有する富裕層向けのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「YUCASEE(ゆかし)」を展開するほか、富裕層向け投資情報サービスも提供している。SNS内には、富裕層を囲み込みたい企業がコミュニティーを開設し、アブラハムは手数料などを得るしくみ。

 会員には新規株式公開(IPO)で富を築いた企業オーナーや医師、弁護士などの専門職、外国為替など金融商品の取引で資産を形成した30─40代の富裕層が多いという。

 自らも六本木ヒルズレジデンスに住む高岡社長によると、新富裕層は金融・投資に関する知識の水準が高く、既存の金融機関が提供する金融サービスに満足していない向きが多い。受け身の姿勢が目立つシニア富裕層への対応には慣れているものの、高度な運用ノウハウの取得を求める新富裕層のニーズに対応仕切れていないためだ。

 同社長によると、日本の金融機関は地主など旧富裕層向けの営業手法を踏襲しているので、困難に直面している。新富裕層は「自力で勉強し、会社を作り、様々なリスクを潜り抜けて自分の判断力で富を得たので、納得できない投資はしない」傾向が強く、金融機関の規模やブランドへのこだわりも比較的小さい。「自分より詳しい知識を持つプライベート・バンカーを探している」という。

 同社長によると、1500兆円の個人金融資産の2割を全人口の1.2%の富裕層が保有している。この富裕層のうち、30─40%を新富裕層が占めており、金融機関が富裕層ビジネスで成功するためには、このセグメントの取り込みが課題になる。

 実際、富裕層マネーを獲得するため、国内外の金融機関が資産運用サービスを強化している。高岡社長によると、新富裕層の間では国内勢より外資系金融機関への評価が高く「シティグループやHSBCの評判がいい」という。

 <新富裕層は再び増加へ>

 野村総合研究所の金融コンサルティング部上級コンサルタントの宮本弘之氏によると、昨年1月のライブドアショック以降、新興株相場が低迷し、IPO市場が冷え込んだことで「新富裕層の資産運用や、プライベートジェットなどの消費行動もおとなしくなっている」という。  

 しかし、アブラハムの高岡社長は、新興市場は4年のサイクルで上昇局面を迎えるとみており「2010年ごろにはIPOが再び盛り上がり、新富裕層が増える」と予想する。

 アブラハムも「5年以内には株式公開する計画」(高岡社長)という。

(ロイター日本語ニュース 大林 優香、天羽 枝里子)

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