October 11, 2007 / 7:56 AM / 12 years ago

住宅着工の急減、一部企業に短期的な業績下振れリスク

 [東京 11日 ロイター] 住宅着工件数が急減している。その背景には6月に施行された改正建築基準法によって、着工認可に時間を要するようになったことがあり、中長期的にみれば建設業界全般に影響はないとの見方が一般的だ。しかし、短期的には受け渡しが来期にずれ込むケースあるため、2008年3月期業績に下振れリスクが生じる企業も出てくるという。

 10月11日、6月に施行された改正建築基準法で着工認可に時間を要するようになったことから住宅着工件数が急減している。写真は2003年8月に東京の住宅地で撮影(2007年 ロイター/Yuriko Nakao)

 <姉歯ショックで混乱>

 9月下旬に国土交通省が発表した8月の新設住宅着工戸数は前年比43.3%減と、1974年4月の41.8%減を抜いて過去最大の下落幅を記録。ロイターの事前調査では予測中央値で住宅着工戸数は前年比16.0%減だったことから、市場に強いネガティブなサプライズ感を与えた。

 これについて同省では、6月20日施行の改正建築基準法で、審査期間が長期化していることを理由に挙げている。同法で建築基準や罰則が強化されたため、着工許可を得るために時間がかかるようになる一方、制度変更によって行政・業界ともに混乱しているという。耐震偽装問題をきっかけに法改正されただけに、今回の落ち込みを「姉歯ショック」と呼ぶ業界関係者もいた。

 <信頼感で受注に差>

 ただ、同省では、判定員を9月から400人追加するなど、審査の遅れへの対策を打ち出しており、住宅着工の今後について「へこんだものは、今後増える局面があるとみる」と予想している。

 野村証券・アナリストの福島大輔氏は「需要と着工は別と考えるべき」としたうえで「需要ではなく、あくまでも急減は特殊要因による。大型の案件になると、着工が1─2カ月程度遅れても完成は1─2年後である点を踏まえれば、あまり影響はないとみるべきだ」と話す。

 ある住宅会社の幹部も「先送りされるだけで、需要の大きな変動はない」としたうえで「心配される耐震偽装問題の影響も、実績のある大手などに信頼度の高さから注文がシフトするなど、むしろ好材料。まじめに当たり前のことを行ってきた企業は、建設コストが上がるなどということもない」と指摘していた。

 住宅業界への影響については「統計に表れた減少幅よりも、今年に入って受注に増勢一服感が出てきたことの方が気になる」(ある外資系証券のアナリスト)との声も出ている。

 <今期業績に影響も>

 また、中長期的には影響は軽微とされながらも、短期的には業績下方修正する企業が出てくる可能性もあるという。

 野村証券の福島氏は「工期の短い案件については、本来、来年の3月までに受け渡しされる予定のものが4月以降に伸びる、いわゆる期ずれとなる案件も出てくる。長い目でみれば収益変動要因にならずとも、2008年3月期だけを考えれば、下方修正リスクが生じる企業も出てきそうだ」とコメントしていた。

 (ロイター日本語ニュース:水野 文也)

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