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テーマ探す市場、月末に米利下げならドル安進展か
2007年10月23日 / 07:24 / 10年後

テーマ探す市場、月末に米利下げならドル安進展か

 [東京 23日 ロイター] 23日の東京市場は、米株反発の安心感から株が買い戻され、前日に大幅に進んだドル売りと長期金利低下が止まった。市場では、新たなテーマ探しが始まり、月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げやその後のマネーの展開に関心が集まり出した。

 10月23日、東京市場は米株反発の安心感から株が買い戻され前日に大幅に進んだドル売りと長期金利低下が止まった。写真は昨年4月に東京証券取引所で撮影(2007年 ロイター/Yuriko Nakao)

 市場の一部では、FOMCで利下げが決まれば、一段とドル安が進むのではないか、との声も浮上している。

 <海外勢の資金は東京株式市場を素通りし、新興市場に流入か>

 株式市場では、米国株の下げ止まりや円高一服を好感し、日経平均が上昇に転じ一時、1万6500円を回復した。しかし、東証1部売買代金は低調な水準で終始し、市場は閑散ムードに包まれた。「海外勢は小幅買い越しとなっているが、先駆した鉄鋼、非鉄を売り、出遅れの自動車、繊維を買うなど入れ替えが中心。9月中間決算の本格化を控えているうえ、為替動向の先行きが不透明なため、積極的に買い上がる動きはみせていない」(準大手証券エクイティ部)という。

 ミューチュアルファンドやヘッジファンドの決算を控えて「海外勢はポジションを売り買いともに落とす動きが目立つ。銀行株の上昇は買い戻しが中心だろう」(外資系証券)とみられている。

 ある投信関係者は「日本株のパフォーマンスの悪さを考えると、買い戻しの資金は新興国市場に回り、東京市場は逆にミューチュアルファンドのタックスロス売りの対象になる。9月中間期の上方修正は出ても2008年3月期の上方修正は期待しにくいほか、証券税制など政策リスクも意識される。日本株を積極的に買う理由は見当たらない」と指摘している。

 水戸証券・投資情報部長の松尾十作氏は「円高一服とは言え、きょうの水準の114円台では、輸出関連株を積極的に買える水準ではない。クリスマス商戦が厳しいのではないかとの見方もあり、決算の確認を経て再び上昇するまで、目先はさえない展開が続く可能性がある」と話している。

<こう着した円債市場、FOMC後のトレンドに着目>

 円債市場は、前日とは一変してこう着感の強い展開になった。午前の取引で国債先物は米債高/株安に歯止めがかかったのを受け、小反落した。一般債発行に絡む需給調整や、25日実施の20年利付き国債入札を控えた超長期売りも出た。ただ、財務省が国債買入消却を実施すると通告したのをきっかけに下げ渋った。「海外勢からとみられる先物のテクニカル売買の買い戻しが入った可能性がある」(外資系証券)との指摘もあった。

 午後も、前日終値をやや下回る水準で推移し「新たなテーマ探しの地合いになりつつある」(邦銀関係者)との声が出ていた。

 UBS証券・チーフストラテジストの道家映二氏は、東京市場に主体的な動きはなく、外部環境の動向しだいという色彩が濃くなっていると指摘する。「国債現物2年ゾーンの利回りが0.8%を割り込むか、10年米国債利回りが4.3%を割り込むか、日経平均が1万6000円を割り込むか、というところでマーケットの先行きが変わってくる」とみている。

 そのうえで「月末のFOMCで0.25%の利下げが決定されれば、アク抜け感が出て米株が上昇し、過度の悲観論が修正される展開を予想している」と話す。

 他方、別の邦銀関係者は、FOMCでの0.25%利下げを米株式市場は織り込んでおり、FOMC後の特徴ある動きは、ドル安だろうと予想している。「結局、先のG7(7カ国財務相・中央銀行総裁会議)でのメッセージが、米利下げに伴うドル安の容認であったということが、FOMC後に広く市場参加者の認識となるのではないか」という。

 ある国内証券の関係者も「ユーロ高/ドル安が足元では収まっているが、FOMC後に活発化する展開が予想される」と述べている。

 ただ、23日の外為市場は、日経平均が小幅の値動きにとどまったことで、大きな上下動が少ない相場となった。株価が上昇すれば円売りが進むとみられていたが、日経平均や上海総合株価指数上昇が小幅にとどまっているため、市場は円売りに慎重になっているという。ある大手証券関係者は「投資家は、戻り売りと押し目買いに挟まれ、方向感を模索している」と話す。

 <携帯新料金がCPI全面採用なら、長期金利急低下の思惑>

 こうした中で、月末のFOMCとともに注目されているのが、通信各社が導入を発表している携帯電話の新料金体系が消費者物価指数(CPI)にどのように反映されるのかという問題だ。

 市場では「10月中に何らかの対応を総務省が示すのではないか」(邦銀関係者)との思惑が出ているが、仮に総務省が新料金体系をCPIに全面的に導入することを決めれば「CPIはかなり低下して、日銀の利上げ時期にも影響を及ぼす可能性がある」(邦銀関係者)との見方が出ている。

 UBS証券の道家氏は「選択性の料金体系なので、100%そのまま導入される可能性は低く、CPIへのインパクトも小さいだろう」とみている。

 しかし、別の邦銀関係者は「全面的に導入されれば、CPIを0.3%程度は押し下げるのではないか。そうなれば、日銀の利上げ時期にも大きな影響を及ぼし、長期金利が1.5%でとまらずに急低下する可能性もある」と語る。

 月末に集中するイベントで、マーケットのトレンドが大きく変化する可能性が高まっているようだ。

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