October 25, 2007 / 4:23 AM / 12 years ago

ロイター個人投資家調査:軽減税率廃止、株投資「手控え」「やめる」が53%

 [東京 25日 ロイター] ロイターが実施した個人投資家10月調査で、証券税制で現行の軽減税率が廃止された場合の投資行動を聞いたところ、「株式投資をこれまでよりも手控える」「株式投資をやめる」との回答が合わせて53%となった。

 10月25日、ロイターが実施した個人投資家10月調査で、軽減税率が廃止された場合の投資行動を聞いたところ、株式投資を「手控える」「やめる」との回答が合わせて53%となった。写真は9月、都内で撮影した株価ボード(2007年 ロイター/Toru Hanai)

 また、税率が上がった場合の株価については「少し下がる」との答えが52%と最も多く、31%が「かなり下がる」と回答。値下がりを見通しが全体の83%を占めた。日本株への投資スタンスを示すロイター個人投資家DI(「強気」の割合から「弱気」の割合を引いて算出)はマイナス22と前月のゼロから大幅に悪化し、2006年1月の調査開始以来、最低の水準となった。 

 調査に回答したのは、ロイターCO.JPの個人投資家向けメールマガジン購読者である全国の個人投資家1477人(男性92%、女性8%)。調査期間は10月15日─18日。回答者の年齢層は20代が5%、30代が20%、40代と50代がともに21%、60代以上が24%、70代以上が9%だった。

 調査期間中は、原油先物が史上最高値を更新し、一時1バレル=90ドル付近まで上昇した。日経平均株価は、米国でのサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題を発端とする信用収縮懸念を受けた株価下落が一巡し、11日には1万7500円付近まで上昇。7月26日以来の高値水準を付けたが、調査期間中に下げに転じ、1万7000円を下回った。外為市場では、7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)を控えて円高傾向になっていた。 

 <軽減税率廃止で株取引「手控える」と「やめる」合計が過半数>   

 現行の証券税制は、株式の譲渡益と配当にかかる税率を本来の20%から10%に軽減している。軽減税率は株式市況の低迷を受けて2003年に導入された。軽減税率は、上場株式と公募投信の譲渡益が07年末、配当が07年度末に廃止される予定だったが、証券業界の要望などを受けて昨年12月にそれぞれ1年間延長された経緯がある。金融庁は「貯蓄から投資への流れは、まだ道半ば」と判断しており、引き続き個人投資家の市場参加を促進して市場の国際競争力を強化するために、08年度の税制改正でも軽減税率(10%)について延長を求める方針。一方で、軽減税率に対しては「金持ち優遇」との批判があり、参院で第1党の民主党は軽減税率の延長に反対の意向を示し、与党内にも財政再建に向けて軽減税率の廃止論を求める声が出ている。 

 軽減税率の廃止時期が近づいていることに伴い、税率が20%に上がった場合の投資行動を質問したところ「株式投資をこれまでよりも手控える」と「投資行動は変わらない」との回答がそれぞれ46%だった。「株式投資をやめる」との回答は全体の7%にとどまったが、「手控える」と「やめる」の比率が53%となり、過半数となった。

 また、税率が上がった場合の株価見通しについては「少し下がる」との回答が52%と最も多く、31%が「かなり下がる」と答えた。値下がりを見通す回答者は合計83%となった。「変わらない」との回答は17%にとどまった。

 下がるとみる回答者からは「税増加分だけ利益が減少するので、利益確定の売りが増加する」(60代男性)、「デイトレードなどを敬遠する人が増えると思う」(40代男性)、「リスク変動商品に対する税率として20%は高すぎる」(40代男性)、「他のリスクの少ない商品に投資するから」(40代男性)、「外国人投資家が余計に日本株に関心を持たなくなる」(40代女性)──などの指摘があった。

 一方、「変わらない」との答えからは「低すぎる預金金利の現状で預金へシフトするとは考えられないから」(50代男性)、「他に代わる投資対象がないため」(60代男性)、「(税率軽減は)特例措置だったから」(60代男性)、「長期保有が増えると思われるため」(60代男性)、「貯蓄から投資へ流れが変わってきているため、あまり影響ない」(30代男性)──との声があった。    

 <個人投資家DIは大幅悪化、米経済やサブプライムの影響懸念の声> 

 日本株への投資スタンスを示すロイター個人投資家DIはマイナス22となり、前月のゼロから大幅に悪化した。2006年1月の調査開始以来、最低水準となった。

 年齢別にみると、「弱気」の割合は「20代」(70%)、「40代」(65%)で多く、「強気」の割合は「70代以上」(44%)、「60代」(42%)で多かった。

 「弱気」な回答からは「米国経済の先行き不透明さに、不安を感じている」(70代男性)、「サブプライム問題がまだ収まっていない」(60代男性)、「内需不調及び未だ外国人投資家主導の市況で受動的」(40代男性)、「政権の不安定」(60代男性)──などの指摘があった。

 一方「強気」な答えからは「企業業績が良いのに欧米に比べて出遅れている」(50代男性)、「新興国の経済が良好で、しばらくその状況が続きそう」(40代男性)、「実体経済は底堅いから」(30代男性)──などの声が出ていた。

 業種ごとの投資姿勢(「強気」から「弱気」を引いたDI)を調べたところ、自動車の悪化が止まらず2006年7月以来の低水準となった。IT・ハイテクも大幅な悪化で、今年3月と同水準に低下した。8業種のうち改善したのは薬品・健康、素材のみで、建設・不動産や金融・保険、卸小売、サービスなどに対する投資マインドの低迷が続いている。 

 「現在、投資したい/投資資金を増やしたい株」(複数回答)では、国際優良株、割安株が低下し、成長株、小型株、景気敏感株などが上昇した。 

 「現在、投資しようとしている/投資金額を増やそうとしている金融商品」(複数回答)では、国内株式の人気が低下し、06年1月の調査開始以来、最低水準となった。一方、外国株式が上昇し、調査開始以来の最高水準となった。このほか、預貯金、外国債券、株式投信、上場投信、商品相場、外貨預金などに対する関心が上昇し、国内社債、REITなどが低下した。 

 株式投信と答えた回答者にどの国・地域への投資を考えているか質問したところ、日本が低下する一方で、アジア・オセアニア、ユーロ圏、ユーロ圏以外の欧州、ブラジル、インド、中国が上昇。中国は今年に入って人気が一服する場面があったが、足元で急回復している。インドは前月に続き上昇し、他の地域にと比べて最も高い50%超の比率となっている。北米は前月に続き小幅に上昇し、ロシアは3カ月連続の横ばいとなっている。 

 「現在、外為証拠金取引をしているか、もしくは将来やりたいと思っているか」との質問に対し、31%が「はい」と回答。「いいえ」の回答が69%を占め、9月とほぼ横ばいだった。   

 *ロイターCO.JPの個人投資家向けメールマガジン購読者は、年収500─799万円が32%と最も多く、1千万円以上が26%。会員が株式投資をする頻度は1カ月に1回が32%と最も多く、1週間に1回が22%となっている。

 今回の回答者の金融資産残高(除く不動産)は、1000─1999万円が21%で最も多かった。次いで、500─999万円が20%、500万円未満が19%、3000─4999万円が13%、2000─2999万円が11%、5000─9999万円が10%、1億円以上が5%だった。

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