October 29, 2007 / 12:00 AM / 10 years ago

サブプライム問題、クレジットライン発の金融危機も=草野グローバルフロンティア

 [東京 29日 ロイター] 草野グローバルフロンティア代表取締役の草野豊己氏は、27日に都内で講演し、サブプライム(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題に言及し、欧米の金融機関の問題は保有する住宅ローン担保証券(RMBS)やこれを組み込んだ債務担保証券(CDO)などの評価損から、これらに投資した系列のストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)への巨額のクレジットラインに広がりをみせると指摘、金融危機に発展する可能性もあり、最初の節目は11月中旬に来ると警戒している。

 サブプライム問題で世界の金融市場が揺れた8月中旬以降、RMBSやこれを組み込んだCDOに対する不安感から、これらに投資していたSIVに対する警戒感が強まった。SIVは資金調達を主に資産担保CP(ABCP)に頼ってきたが、欧米中銀の大量の資金供給にもかかわらずABCPに買い手がつきにくい状態が続いているという。銀行系列のSIVは、銀行の組成したRMBSやCDOに投資する一方、資金繰りを確実なものにするため銀行からクレジットラインの提供を受けているケースが多く、これが今後、銀行の財務を圧迫する懸念があるという。

 草野氏は「8月中旬以降、SIVは資金調達が難しくなっており、クレジットラインを通じて銀行から融資を受ける可能性がある。しかし、SIVの資産は値付けさえできないものも多く、融資は実行した途端に不良債権になりかねない」とみている。

 草野氏によると、欧米大手銀行上位10行の傘下にあるSIVのCP発行残高は2007年3月現在で約4650億ドルで、これら10行の株主資本(約5000億ドル)に匹敵する規模。現在はこれよりは減少しているとみられるが、これらのCPは長くても3カ月程度のものが多く、11月中旬には償還を迎えることになる。新たなCP発行ができなければ資金繰りのためにクレジットラインを利用する可能性があり、「これが金融機関の財務を悪化させ、場合によっては破たんにつながることも考えられる。体力のある銀行は四半期決算ごとにどんどん引当金を積んでくるだろうが、体力のないところは動けずに事態を悪化させていく」(草野氏)と予想する。

 草野氏は11月中旬を金融市場の大きな節目とみているが、理由はヘッジファンドの動向にもある。投資家が運用難のファンドを解約する場合、契約にもよるが、四半期末、半期末、年末などを運用期限として、その45日前までに解約を申し出るというケースが多いという。8月中旬の株式市場の混乱は、9月末の解約に備えたヘッジファンドの手仕舞いが背景にあったが、次のヤマ場は12月末の解約。「ここで解約したい投資家は11月中旬までに申し入れをし、これを受けたヘッジファンドは解約分のポジションを有無をいわさずに手仕舞う。9月末でかなり解約は進んでいると聞いているが、いったん戻ったヘッジファンドのパフォーマンスはここにきて再び悪化の兆しがあり、注意が必要だ」という。

 さらに、政策発動のタイミングも問題。米金融当局は10月30─31日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開いたあとは12月11日まで予定がなく、11月は政策発動の空白期間となる。金融市場が大混乱に陥れば緊急開催という手はあるが、混乱がじわじわ進んだ場合に定期開催のFOMCなら可能な予防的なアクションは難しくなる。10月31日は、世間的にはハロウィンにあたるが、草野氏は「米国では、ハロウィンが終わると冬がくる」と警戒している。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below