January 25, 2008 / 10:39 AM / 12 years ago

水野日銀審議委員インタビューの一問一答

 [東京 25日 ロイター] 水野温氏日銀審議委員は25日、ロイターとの単独インタビューに応じ、今後2─3カ月は日本経済は踊り場にとどまり、景気の基本的なメカニズムを見極める上で今が重要な局面だと語った。

 1月25日、水野日銀審議委員はロイターとの単独インタビューで、今後2─3カ月は日本経済は踊り場にとどまり景気の基本的なメカニズムを見極める上で今が重要な局面だと語った(2008年 ロイター/Yuriko Nakao)

 世界同時株安の状況下、利下げによる対応については、議論するとしても景気下支え効果は薄く、副作用にも注意して慎重に検討を加えるべきだと指摘した。

 インタビューの詳細は以下の通り。

 ──12月の決定会合で利上げ提案を取りやめた背景は何でしょうか。

 「11月の金融政策決定会合まで、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題に絡んだ米国経済の下押し圧力が日本経済に与える影響は想定されるリスク要因の1つに過ぎないと考え、わが国経済は輸出を起点とした生産・所得・支出の前向きのメカニズムの下で、緩やかに拡大しているとの見方から、政策金利の引き上げを提案してきた」

 「しかし、12月の金融政策決定会合時点までに得られたハード・データ、ソフト・データを踏まえると、わが国経済が、改正建築基準法や貸金業法の施行をはじめとする各種制度変更の影響、原油価格高騰を典型とする──これは原材料だけでなく、食料品も上がっているので──原材料価格の上昇によるマイナスの影響が当初の私の想定を上回っていることを踏まえ、今後も生産・所得・支出の前向きのメカニズムが維持できるかを点検する必要があるとの判断にいたり、利上げ提案を取り下げた」

 「改正建築基準法施行に伴い、住宅投資の減少は、広がり・深さ・長さのいずれの面からも、当初予想よりも大きいものとなっている。国土交通省は今月、改正建築基準法に準拠した構造計算ソフトの一部を仮認定した。建築確認の審査を一部省略できるが、構造が比較的複雑な建築物には適用できない可能性があると同時に、構造計算の2次チェック(ピアチェック)を行う有資格者の人数が限られているという人的ボトルネックの問題は未解決のままだ」

 「この間、マンション価格が上昇する中で、マンション販売は、このところ減少が目立ってきており、期末在庫も増加傾向をたどっている。したがって住宅投資について言えば、制度改正の影響プラス需要が落ちてきている部分もあるので、住宅投資の見通しも少し慎重に見ていく必要があるのではないかと思っている」

 「原材料価格については、高騰が続き、今後も持続する可能性が少なくないとの見通しを私なりのヒアリングから持ち、それが結果的に、中小・零細企業を取り巻く経営環境が、今後相当厳しくなると考えた」

 「さらに言えば、今後2─3カ月は、足元の日本経済が踊り場にとどまり、来年度には潜在成長率をいく分上回る水準に復帰するがい然性が高いと見込まれると中間評価では言っているが、昨年10月の展望リポートに盛り込んだ基本的なメカニズムに変調がないかを見極める上で、今が重要な局面だと判断したことも、利上げ提案を取り下げた一因」

 「なお、サブプライムローン問題に端を発した世界経済金融の不透明感は高まっているが、個人的には、海外と国内をみた場合には、国内の景況感の下振れの方がより深刻であるという見方は変えていない」

 ──景気が悪化しても、今の低金利是正のために金利正常化へ向けた動きを続けるべきとのお考えはなかったのか。

 「景気の下振れ懸念が高まっていることが明らかな局面では、金利正常化を理由に利上げに踏み切ることは不適切だと判断したということ。したがって、利上げ提案を取り下げたことは、自分の経済金融情勢の判断と整合的だと思っている」

 「こうした中にあっても、私は、いつまでも現在のような超低金利政策を継続することは、経済の適切な資源配分をゆがめると思っている。また、経済のグローバル化が進展する中で、わが国経済だけが実体経済からかい離したきわめて低い政策金利に据え置いた場合、諸外国の資産価格や国際商品市況を実勢に合致しない水準まで押し上げるリスク要因の1つになると思っている。したがって、今後数カ月のハードデータによって、わが国経済がいわゆる踊り場と言われる状況を経て、再び緩やかな拡大を続けるがい然性が高まった場合には、持論である金利正常化の考え方に沿って、再び金融政策運営を考えていきたい」

 ──世界経済の先行きをどう見ているか。まず、米国経済についてうかがいたい。

 「今年の世界経済については、大局観としては、米国経済の減速はあるものの、アジアをはじめとするエマージング諸国(新興国)の経済がけん引するかたちで、実質4%程度の成長を維持すると考えている。4%程度に減速するが、引き続き高いところにとどまる。米国経済の減速はちまたで言われている想定よりも長引く可能性があり、世界経済の成長にもある程度マイナスの影響を与える可能性があるとみている」

 「米経済は、最近の経済指標を見る限り、個人消費は減速感を強めているが、その程度はおおむね想定の範囲内で動いていると理解している。非農業部門雇用者数(月当たり増加数)は、昨年10─12月期平均では9.7万人増と同7─9月期の7.7万人増をむしろ上回っている。こうした中で、12月のコア小売売上高(小売売上高全体からGDPの個人消費の基礎統計とならない自動車、建設資材、ガソリンの3項目を除いたもの)は前月比プラス0.2%と11月の同プラス0.8%から大幅に減速したものの、10─12月期で見ると前期比プラス0.7%と増加基調を持続している。雇用情勢や個人消費の悪化に弾みがついたとの判断は早計だ」

 「米景気減速の深さは、さほど大きなものにならないと思うが、問題は本年下期以降の回復テンポ。不良債権問題を処理した後のわが国の経験を踏まえると、米国経済が巡航速度に回帰するまで時間を要する可能性は小さくない。仮に米国の金融部門と家計部門が本格的なバランスシート調整に陥ると、2009年まで米国経済は回復しないという『L字型回復』になる可能性も否定できない。個人的には、住宅市況の底入れ時期、個人消費動向について引き続き注意していきたい」

 ──アジア経済はどうか。

 「アジアについて、中国は景気過熱抑制に向けて引き締め政策を強化している。中国経済は引き続き、輸出と固定資産投資にリードされた拡大を続けているが、富裕層や中間所得層の所得増加を受けて個人消費も好調だ。バランスがとれた景気拡大とは言いがたいものの、都市と地方の経済格差を縮小するため、地方政府は今後も大規模なインフラ整備のための固定資産投資を継続するとみられ、中国が近い将来に景気失速するがい然性は低いと予想される」

 「インド経済も9%程度という潜在成長率(並み)の拡大を続けており、わが国を除くアジア地域全体が世界経済のけん引役となっている構図は、今年も変わらないと思う。日米両国のみならず、ユーロ圏も中国経済への貿易依存度が高まっているため、それぞれの内需の減速は、アジア諸国向けの外需によって一部相殺されるシナリオが想定できる」

 ──日本からの輸出は影響を受けないのか。

 「金融市場では、米国の景気下振れリスクが高まる中で、諸外国の景気に悪影響が出ないわけがない、という見方が有力となり、中国もサブプライム問題の影響を大きく受けているとの一部観測がきっかけとなり、足元で新興成長国も含めて株価は大きく下落した。わが国の株価下落は、昨年大幅に上昇したアジア諸国における株式の益出しのあおりを受けた面もあると思う。識者によって『カップリング』『ディカップリング』の定義が不明確なので、その表現は使わないが、相応に各国経済に影響を与えると思う」

 「ただ、わが国の実質輸出、生産を見ると、米国の景気減速によって生産と輸出が弱まっていることは確認できないこと、エマージング諸国や中東諸国が内需拡大によって成長を続けていること、米国経済も昨年、実質実効為替レートで見たドル安と世界的な景気拡大を受けて、外需の伸びが景気拡大に貢献したこと、中国政府は景気減速懸念が強まるような場合、景気抑制姿勢をあらためる公算が高く、中国の景気失速懸念は低いこと、東アジア諸国はITの在庫水準も総じて適正な水準にあり、中国の内需拡大の恩恵も受けて東アジア諸国の輸出も好調を維持していること──など、2008年も世界経済全体で見れば、主要国の景気減速を新興成長国の景気拡大によって補うかたちで、今年も昨年よりは低いものの、世界経済は実質4%程度のペースで拡大する可能性が高いと思う」

 ──今年から来年にかけての世界の金融情勢と金融政策の見通しについてうかがいたい。また、乱高下の激しい為替相場の行方をどうみているか。

 「2009年にかけての世界の経済金融情勢をみる上での注目点だが、世界の主要国の金融政策運営を挙げたいと思う。ECB(欧州中銀)は、景気減速やサブプライム問題の影響が欧州系の金融機関に与える影響が深刻であるにもかかわらず、賃金上昇圧力の高まりへの警戒感から金融引き締めの継続を示唆している。ユーロ圏の金融市場は、ECBがビハインド・ザ・カーブに陥ることへの懸念から、株価が下落し、国債イールドカーブはブル・フラット化している。金融緩和を継続中のFRB(米連邦準備理事会)、食料品・不動産価格上昇に直面する中国、賃金インフレ圧力の根強さを懸念するECBをはじめ、各国中央銀行がインフレ圧力をうまく抑制できるのか、知らず知らずに次の資産バブルの温床となるような行き過ぎた金融緩和まで行ってしまうかも注目だ」

 「今年の外為市場は、久々に明確なコンセンサスがない。あえて言えば、ドル・ベア・ムードが強いものの、ボラティリティが非常に高い中で、キャリー・トレードが膨らみにくいと同時に、米国に遅れて景気減速と金利低下が発生する国の通貨を対ドルの買い対象に長期的にはできないためだ」

 「なお、米国をはじめ世界の株式市場は現在、不安定な状況となっているが、SWF(政府系ファンド)という新しいプレーヤーの登場や年金マネーの存在など、米国を投資対象から外しては運用できない規模の資金が存在することも忘れてはいけない」

 ──生産・所得・支出という前向きの循環メカニズムが機能しているか点検しなければいけないと指摘したが、4月の展望リポートに向けてシナリオの見直しが必要になる可能性もあるとみているのか。

 「日本経済は現在、内憂外患に直面している。こうした中、私が懸念するのは企業規模にかかわらず1人あたり名目賃金が、なかなか上昇しないのではないかということ。中小企業では、賃金に加え雇用も減少している。経済のグローバル化の中で、中堅・中小企業を中心に経営者の多くはますます国内の賃上げに慎重になっているように思う。中小企業の収益が伸び悩む中で、雇用者の賃金が上昇しないことが、地方経済、中小企業が景気の拡大を実感できない一因と思う」

 「世界経済が緩やかながら拡大を続けること、企業部門が全体として好調を維持することを大前提に、家計部門は徐々に底堅さを増していくようなパスをたどるとみており、景気のリード役が外需や設備投資から個人消費にシフトする展開にはなかなか至らないと考えている。もっともこれまでのところ家計部門は、非正規雇用の正社員化など雇用の増加、あるいは財産所得の増加を通じ底堅く推移している」

 「あくまでも前向きの循環メカニズムについて点検を要すると申し上げているのであり、現時点で崩れているというつもりはないし、そういうデータもない。1月の決定会合で10月の展望リポートの中間評価を行い、生産・所得・支出の好循環メカニズムは基本的に維持されているとの見解が全会一致で承認されたことはご存知の通り。基本的には、ということだ」

 「今後の確認ポイントは、やはり各種制度変更や原材料価格の上昇が企業部門、とりわけ収益、設備投資動向にどのような影響を与えるかだと思う。4月の展望リポートは、2009年度の経済物価見通しも考えなければいけないので、それまでに明らかになったハード・データやソフト・データを総動員して、フォワード・ルッキングに経済物価のメカニズムを考えていきたいと思う」

 ── 好循環メカニズムの起点である輸出については全く心配ないのか。

 「先ほど言ったように先進主要国はどちらかというと減速で、エマージング諸国が相変わらず高成長をしているので、世界全体でみると成長率は昨年より低くなるとみている。ただ、日本から輸出は、今のところ減速してくるというデータがない。日本の大企業、特に製造業は相変わらず輸出競争力が強い。アメリカ向けの輸出は落ちているが、自動車輸出をみると、むしろしっかりとしていて、米国市場における日本メーカーのシェアは上がっている。輸出を起点とした、悪い言い方をする方はしょせん、外需主導ではないかという言い方をされるかもしれないが、それは認めざるを得ない。輸出がやはり起点となって、2002年からの回復を続けてきたわけで、もし回復を続けるというシナリオを4月の展望レポートで維持するならば、輸出が特に頑張らないといけないということであり、企業部門がしっかりしていないといけない」

 ──けさ発表された指標でも確認されるように、07年12月全国のコアCPI(消費者物価指数)は0.8%の上昇、08年1月の東京ではコアCPIが0.4%の上昇となり、消費者物価は緩やかに上がってきている。その一方で、景気の先行き見通しについては不透明感があるが、両者のバランスについてどうみているか。

 「今年は世界主要国の中央銀行にとって悩ましい年であることは間違いない。景気はどちらかというと減速、物価は少なくともヘッドラインの物価指数ではなかなか下がらない。日本も似てきている印象だ」

 「今日の全国CPIコア前年比が0.8%上昇したことによるものだと思うが、消費者物価指数の表面的な動き、単月の動きにとらわれすぎた質問だと思う。私は金融政策決定会合において物価情勢を考えるにあたり、表面上の消費者物価指数の動きをみて判断をしているわけではなく、各種物価指数の動きはもとより、その背後にある実体経済の分析をし、総合的に判断をしている。物価統計でも消費者物価指数以外のものも、実はすでにかなり上がってきていて、遅行指数である消費者物価が追随してきているイメージがある」

「また、足元の消費者物価指数の前年比がプラスに転化し、やや高まってきている背景には、原油価格や農産物価格といった原材料価格が上昇していること、わが国経済において、雇用、設備の高い稼動が続く中で、今までの需給ギャップの改善がある程度浸透してきたため、家計部門は徐々に値上げを受け入れるだけの準備ができてきたこと──が、複合的に絡み合っていると考えられる。単なるコストプッシュではないということだ」

 「原材料価格は、BRICsなど新興成長国を中心とする需要の強さに加え、投機資金の流入、原油の場合は地政学的な要因もあって上昇している。これらの要因は容易に弱まるとは思えない。金融市場でも、原油価格高騰が一服しても、レアメタル・貴金属、穀物価格の上昇または高止まりは続くとの見方が有力だ」

 「日銀短観を見ると、雇用の不足レベルは規模の大小を問わず強く、また設備の稼働状況も、中小企業で足元の経済の減速を受けて一服している面はあるが、総じてみれば不足気味状況が続いている。こうした中で、需給ギャップの改善ピッチははかばかしくない。ただ、幅を持ってみる必要があることは認識しているが、日銀の試算では需給ギャップが需要超に転じて、かれこれ2年弱が経過しており、需要超はそれなりに浸透しているように思う。足元でわが国経済は踊り場的な様相を呈しているが、これを抜ければ引き続き需給ギャップの改善は進んでいくものと考えられる」

「こうした前提理解の下で、家計の物価に対する見方がインフレ方向に変化し、川上から川下へと企業の価格転嫁が進むのであれば、原材料高は物価を押し上げる可能性があり、そうでなければ、原材料高は企業収益の圧迫等を通じて経済活動に対する下押し要因となり、それは物価を押し下げる可能性があると考えられる」

 「このどちらの動きが優勢になるかについては、原材料価格の上昇の持続性であったり、需給ギャップの度合いと期待インフレ率の変化、企業の価格設定スタンス等にかかってくると思う。こうした点については、日銀の生活意識に関するアンケート調査などのサーベイ、企業ヒアリング等も参考にしつつ、もうしばらく物価指標をしっかり分析する必要があると思う」

 ──景気悪化に配慮して利下げを求める声や、自民党では量的緩和を求める声などもあるが、そのような環境の中で金融政策について考えをうかがいたい。

 「金融市場の一部には利下げという期待があることはわかっているつもりだ。もっともわれわれの情報発信とは関係なく、イールド・カーブ全体に金利が低下気味であると同時に、金融機関の貸し出し態度が緩いことを考えると、そもそも金融環境は十分緩和的であると思う」

 「政策を考えるうえで細心の注意を払っていかなければならないことの1つに、このところの株式相場や為替相場があると思う。株式相場はこのところ急落しており、為替相場も乱高下を繰り返している。こうしたボラティリティの高い状況が続くと、企業マインドや消費者マインドの悪化を通じ実体経済などに悪影響を及ぼすことが考えられる」

 「なお、過去10年間にわたって超低金利政策を続けてきたこともあって、わが国経済は金利感応度が低い経済体質になっており、利下げをしても追加的な景気下支え効果は乏しいという判断を私は持っている。このところ期待インフレ率が上昇しつつあるかもしれないことを踏まえると、仮に利下げを議論するのであれば、その副作用についても十分検討する必要がある」

 「達観してみれば、2001年3月に量的緩和政策に踏み切った際には、金融システム不安やデフレ・スパイラルに陥るリスクがあった。それを考えると、現在のマクロ経済環境は当時とは大きく異なるのではないかと考えている」

 ──最近の株価下落の背景について聞きたい。

 「世界的に株価が急落している背景としては、国際金融資本市場が総じて不安定な状況が続いていること、米国の景気下振れリスクが一段と高まり、諸外国の景気にマイナスの影響が出ないわけがないとする見方が強まったため、世界経済全体の不確実性がさらに高まっていること、そうした下で、投資家がリスク回避的な動きを強めていることが挙げられる」

 「わが国について言えば、企業部門は輸出を起点に生産、収益、設備投資と好調を持続している先が少なくないにもかかわらず、一過性のものとみられるが、わが国の株式市場は外国人投資家の占める割合が高いところにあって、海外市場での利益確定売りやポジション縮小といった動きのあおりを受けているほか、より本質的には、わが国が人口減少社会に突入していく中で、日本の将来性や日本経済の将来性に期待が持てないとする見方が多い、といったことが影響していると思う。後者の点を考えると、国を挙げて日本経済の将来について期待を抱かせるような政策が必要なほか、個別の企業においても世界と伍していける技術力や生産性などの向上を実現するべく、M&Aも含め積極的な対応が望まれる」

 ── 株式市場や金融市場のボラティリティが高いことに政策運営上細心の注意を払うべきと言われたが、そういうことに対応して利下げを検討することはないか。

 「株が下がったとか、為替が上がった、下がったということよりも、それが実体経済にどういう影響を与えて、日本銀行が想定していたメカニズムや景気見通しを大幅に変えないといけないことかどうかがまず大前提となる。だから日々の動きにはコメントしない、あるいは一喜一憂しないということはそういうことを言っている」

 「当然株価の水準がこれだけ下がって、しかも今後も ── この2─3日多少反発しているが ── こういう状況が続くのであれば、3月に短観が出てくるが企業マインドがかなり暗くなることも予想される。既に消費者マインドは最近、かなり悪くなっているとの結果が各種サーベイに出ている。こういうところが今後ハードデータにつながってくるはずだ。株価あるいは為替が何を示唆しているのか、われわれが正しくて、マーケットが単なる一時的な要因で動いているのか、それともマーケットがかなり強いメッセージを出しているのに、われわれがボーとしているだけなのか、そこはすごく重要なポイントだ」

 「ただ、年が明けてまだ3週間しかたっていない。今回の問題は日本発の問題ではない、ここに非常に複雑さがある。FRBは思い切った金融緩和をしたが、サブプライムの問題はアメリカ発であって、その震源地である中央銀行として思い切った措置をして、ブッシュ政権も財政対策を出そうとしている。日本についていえば、景気は少なくとも踊り場的な状況に止まっており、景気が減速しているが景気が後退に入っていくという判断までは行っていない。その中で株価がそれを示唆しているのだという議論は可能だろうが、それだけで政策変更 ── たかだか50ベーシスしかない金利の中で ── 相当慎重に議論しないといけないと思う」

 (ロイター日本語ニュース インタビュアー:中川泉、西川洋子、志田義寧、木原麗花 編集:田巻一彦)

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