February 19, 2008 / 12:08 PM / 12 years ago

東芝がHD事業から撤退を正式発表、米ワーナーの離反で決断

 2月19日、東芝は新世代DVD規格「HD DVD」に関連する大半の事業から撤退する方針を発表。写真は本社で会見する同社の西田社長(2008年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 [東京 19日 ロイター] 東芝(6502.T)は19日、新世代DVD規格「HD DVD」に関連する大半の事業から撤退する方針を正式に発表した。HD方式のプレーヤーとレコーダーは開発・生産を中止し、3月末をメドに販売を含む事業を終了する。

 西田厚聡社長は同日夕、本社で会見し、米映画大手ワーナー・ブラザーズがHD方式から離反し、競合規格「ブルーレイ・ディスク(BD)」の単独支持に回ったことで、「事業を継続すると消費者に迷惑をかけるし、競争上も勝ち目はないと判断した」となどと、撤退する理由を説明した。

 同社はパソコンやゲーム機向けのドライブ(駆動装置)の量産も終了するが、HD方式のドライブを内蔵した東芝ブランドのパソコンは今後、市場ニーズを踏まえ、パソコン事業全体の中で位置付けを検討するとしている。ソニー(6758.T)や松下電器産業(6752.T)などが推進するBD方式のレコーダー、プレーヤーを発売する意向について西田社長は、「現時点では全くない」と否定した。青森県五所川原市にある国内の製造拠点については、東芝グループの他の事業で活用を検討するという。

 HD方式を支持するパラマウント・ピクチャーズやユニバーサル・ピクチャーズといった米映画大手に対しては、撤退の方針を説明したという。今後の新作映画ソフトの供給については「どういう決定がされるかは、私からは言えない」(西田社長)としている。ただ、これまでHD方式を主導してきた東芝がハード機器の生産、販売を止めれば、HD方式の新作映画ソフトなどの供給が打ち切りとなるのは確実とみられる。

 HD方式のプレーヤーは2006年3月に発売開始された。国内限定のレコーダーを含めたこれまでの販売台数は約100万台。内訳は、プレーヤーが70万台、レコーダーが2万台、米マイクロソフト(MSFT.O)のゲーム機「Xbox360」に接続するドライブが30万台(推定)。このほか、パソコン用ドライブがこれまで70万台程度販売された。これらのユーザーは、従来方式のDVDをみることはできるが、HD方式による高画質の映画ソフトなどは、新作が打ち止めとなれば、既存の作品(国内約200タイトル、世界で約1000タイトル)を除くと、再生・視聴ができなくなる。

 東芝は、購入者にはコールセンターの回線を増強するなどで対応にあたるが、損害賠償には応じない方針だ。今後、不利益を被る購入者が、同社を訴えるリスクも想定されるが、西田社長は「米国は訴訟社会で、集団訴訟は考えられる」としながらも「当社はハードを販売し、ソフトは映画会社などが作っている。この責任を全て持って製品を提供しているわけではない。(訴訟リスクには)十分対抗できるのではないか」との認識を示した。

 また、撤退に伴う損失額については「不確定な要素が多く、現時点では詳細は話せない」(西田社長)としている。事業撤退に伴う収益上の影響としては、大幅な営業赤字とみられるHD事業から撤退することで、2008年度以降は同社の営業収支にはプラス要素となり、07年度中に大半の費用を計上すれば、08年度中には営業外収支へのマイナス影響も抑えることできる見込みだ。この点について西田社長は「08年度は大枠としてはそうなる」と述べた。

(ロイター日本語ニュース、浜田 健太郎記者)

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