March 11, 2008 / 3:05 AM / 12 years ago

先進国でインフレ目標の下限がゼロ%の国ない=伊藤日銀副総裁候補

[東京 11日 ロイター] 日銀の副総裁候補となっている伊藤隆敏・東京大学大学院教授は11日午前の衆院での所信聴取で、中央銀行の最大の責務は物価安定だと述べた上で、インフレ率は低いがマイナスではないということが物価安定だとの認識を示した。

 その上で、諸外国にはインフレ目標を採用するところが多いが、先進国の中でインフレ目標の下限がゼロ%の国はない、と指摘した。

 伊藤副総裁候補は、日銀のあるべき姿と果たすべき役割について「金融政策の最大の責務は物価安定との認識が各国研究者や当局の間で共有されている」とし、「この場合の物価安定はインフレ率は低いがマイナスではない、一定の範囲内に収まっているという意味だ」と定義した。さらに「中銀が物価安定を図っているというマーケット関係者の信任・期待を得られていることも重要。つまり、物価安定というのは実行と期待の両方が重要だ」と述べた。

 日銀の独立性に関しては「十分に透明で説得的な説明を行う責務があるととともに、結果に対する説明責任を問われる」と指摘。日銀の総裁・副総裁は内外に金融政策の目的、経済状況、現状と見通しなどを説明することが求められているとした。そうした課題について日銀はこれまでいろいろと改善努力をして前進したが、まだ完成の域には達していないとして、今後の改善のための議論に副総裁として参加していきたいと述べた。 

 日本の金融政策の枠組みについては、透明性・説明責任・市場の期待に対応するために「諸外国ではインフレターゲットを導入するところが多くなった」と指摘。さらに「先進国の中でその下限がゼロ%の国はない」とも述べた。インフレ目標を導入しない場合の透明性については各国とも模索を続けているとした。

 ただインフレ目標はインフレを引き起こすことを目的としているのではなく、インフレ率を低位だがマイナスではない範囲に安定的に抑える政策だと付け加えた。

 世界経済の現状については、不況のリスクの高まりという第1のショックと資源価格の高騰などの第2のショックに見舞われているとの認識を示した。その上で「一番恐れられているのは成長率の鈍化と一般物価上昇の組み合わせであるスタグフレーションだ」と指摘、「金融政策の対応が非常に難しい」と語った。「日銀の副総裁としてこの困難な問題に真剣に向き合い、総裁・副総裁・審議委員と協力しながら最適な金融政策を検討していくつもりだ」と決意を述べた。

 伊藤副総裁候補はこれまでの経験から各国の政策当局にネットワークを築いていることを披露し、「もし副総裁に就任できればこのネットワークが貢献できると思う」と述べた。

 (ロイター日本語ニュース 中川泉記者;編集 山川薫)

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