April 25, 2008 / 5:52 AM / 12 years ago

食料不足への懸念、コメ急騰で世界に波及

 [バンコク/ワシントン 24日 ロイター] アジアでコメ価格が急騰したことをきかっけに、食料不足に対する懸念が世界的に広がっている。国連は最貧国向けの食料調達コストが大幅に上昇していると警告。米国では、大手スーパーでコメを買いだめする動きが出ており、政府が食料不足を否定する騒ぎになっている。

 4月24日、アジアでコメ価格が急騰したことをきかっけに食料不足に対する懸念が世界的に広がり、米国では大手スーパーでコメを買いだめする動き(写真)が出ている。写真はバージニア州の量販店で撮影(2008年 ロイター/Jim Young)

 ポールソン米財務長官はロイターとのインタビューで「米国で食料不足は起きていない。米国の食料は豊富だ。食品価格は上昇しているが、平均的なアメリカ人にとって、ガソリン高ほどの影響はない」と発言した。

 コメ価格は、シカゴ・ボード・オブ・トレード(CBOT)のアジア時間取引やタイ市場で最高値を更新。

 アジアの指標取引となるタイ産コメは今週に入って5%上昇し、1トン=1000ドル台に乗せた。年初の3倍近い水準で、アジアでは社会不安への懸念が強まっている。

 CBOTのコメ先物は今年に入って約80%上昇。一時100ポンド=25ドルを超え最高値を更新した。その後は利食い売りで下落している。

 アフリカやハイチでは、燃料・食品価格の高騰を受けて暴動が拡大。国際通貨基金(IMF)は、食料問題に関連して、アフリカを中心に10カ国と支援に向けた協議を進めている。

 IMF報道官は「食料輸出国には、輸出規制や国内向け生産の優遇など、国際市場の混乱を招く措置をとらないよう求めている」と述べた。

 国連の世界食料計画(WFP)のシーラン事務局長は、食品・原油価格の急騰で、最貧国向けの食料支援コストが40%近く増加したと指摘。支援国がコスト増加分を補わなければ、WFPは業務縮小を迫られると述べた。

 今回の食料危機は、昨年インドが国内供給確保のため輸出規制を導入したことをきっかけに拡大。今週には、米国まで余波が及んだ。

 米小売り大手ウォルマート・ストアーズ傘下の会員制ストア「サムズ・クラブ」は23日、コメの販売を1回の来店につき1人4袋に制限すると表明。

 前日には、米同業のコストコ・ホールセールが、買いだめの影響でコメや小麦粉の販売が急増していることを明らかにしていた。

 米農務省のシェーファー長官は、米国内でコメは不足していないと表明した。米政府統計によると、先週の同国のコメ輸出は、価格の急騰の影響で85%急減した。

 バンコクのトレーダーは、コメ価格が1トン=1300ドルに達する可能性があると予想している。最大の輸入国であるフィリピンからの買いが増えているという。

 イランやインドネシアは例年、タイから年間100万トンのコメを輸入しているが、今年の輸入はまだゼロ。インドネシアは、豊作や輸出規制のため、国内産で対応できると説明している。

 政府関係者によると、西オーストラリアでは降雨量が多く、コメの作付けは良好。インドも、記録的な豊作で在庫が増えており、今年は輸入の必要がないとしている。

 ブラジルは23日、コメの輸出を停止した。ブラジルのコメ輸出はそれほど多くないが、輸出2位のインドと3位のベトナムは、すでにコメ輸出を規制している。

 世界で取引されるコメの3分の1近くを生産するタイは、需要に対応できるだけの十分な在庫があり、輸出規制は行わないと繰り返し表明している。

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