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政府がJパワー株の買い増しに中止命令、外為法で初めて
2008年5月13日 / 11:10 / 10年後

政府がJパワー株の買い増しに中止命令、外為法で初めて

 [東京 13日 ロイター] 政府は13日、英投資ファンドのザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI)に対し、電源開発(Jパワー)(9513.T)株式の買い増し中止を命令した。外為法に基づく中止命令は初めてのケース。

 5月13日、政府は英投資ファンドのTCIに対し、Jパワー株式の買い増し中止を命令した。写真は昨年6月に撮影したJパワー社長(2008年 ロイター/Issei Kato)

 TCIは60日以内(7月14日まで)に異議申し立てを行うことが可能。申し立てを行わない場合は行政処分の取り消し訴訟を起こすことはできない。

 中止命令を発動した理由について「弁明書の内容を精査した結果、TCIによるJパワー株の取得が公の秩序の維持を妨げるおそれがあると認められるとした当該勧告における判断に影響を与えない」との結論に至ったことをあげた。

 経済産業省幹部は、TCIの提出した弁明書でも懸念払しょくには至らなかったとし「電気の安定供給や原子力政策に影響を及ぼす恐れがあると判断した」と述べた。

 TCIは、Jパワー株を9.9%保有する筆頭株主。20%までの株買い増し計画を政府に提出したが、政府は4月16日に外為法に基づいてJパワー株の買い増しの中止を勧告。これに対してTCI側は、4月25日に勧告を拒否し、5月8日に財務相と経済産業相に弁明書を提出していた。

 弁明書では「正当な対内投資と自由であるべき資本市場の自由化を阻害するのみならず、Jパワー民営化の趣旨に反し、日本の安定的な電気供給と日本市場の将来を危うくする」と批判していた。

 <日本市場は閉鎖的でないと強調>

 外為法に基づく初の中止命令の発動で、海外投資家からの日本に対する投資が冷え込む可能性を指摘する声があるが、経産省幹部は「外為法を抑制的に運用している。外為法が対日投資の阻害要因になっているとは考えていない」と強調した。

 甘利明経済産業相も省内で記者団に対し「日本が欧米先進国に比べ、閉鎖的ということは全くない」と述べた。

 また、株式の追加取得を認めないならば、民営化するべきではなかったとの批判があることについては「外為法がなかったら、100%民営化はしなかった。外為法があることを前提に民営化している」と述べ、今回の措置と矛盾はないとした。

 経済産業省によると、過去3年間で約760件の届出があったが、全て30日以内に投資が可能になっている。今回、買い増し中止命令となったのは「電源開発がどういう位置付けの企業であるか、ということから発している。国民の安全・安心・秩序の維持に重大な使命を負っている」(甘利経産相)とし、日本が閉鎖的なわけではないと繰り返し説明した。 

 政府の中止命令を受けて、TCIのアジア代表、ジョン・ホー氏は「日本政府はJパワー株主を取捨選択しており、健全な株主民主主義に反する。Jパワーのコーポレート・ガバナンス改善を目指す合法的な株主を差別する」とするコメントを発表した。政府の意思決定のプロセスは「透明性に欠けた」と批判した。

 (ロイター日本語ニュース 伊藤 純夫、村井 令二、清水 律子)

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