May 23, 2008 / 11:36 PM / in 11 years

ゼロ金利や量的緩和政策、金融安定化後には副作用=日銀総裁

 5月23日、白川方明日銀総裁、景気悪化に対応してかつて採用したゼロ金利政策や量的緩和政策、金融システムが不安定な時には効果があるものの、安定後まで継続すればかえって副作用が出ると指摘(2008年 ロイター/Kiyoshi Ota)

 [東京 23日 ロイター] 白川方明日銀総裁は23日、ロイターなどとのインタビューに応じ、日本経済には物価上昇と交易条件悪化の両方のリスクがあるため、金融政策の方向性はあらかじめ決め打ちできないとの認識を示した。

 景気悪化に対応してかつて採用したゼロ金利政策や量的緩和政策をとる可能性については、金融システムが不安定な時には効果があるものの、安定した後まで継続すればかえって副作用が出るとした上で、最近のサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題の背景にも世界的な長期金融緩和があったことを考える必要があると指摘した。

 原油価格や商品市況の上昇など世界的なインフレ懸念が強まっている一方、日本経済には交易条件の悪化による景気下ブレリスクが高まっている。こうした環境下での金融政策について白川総裁は「最終的には各国の金融政策は自国の状況による」とそれぞれの国で対応が異なるとの認識を示し、「利上げしている国は主に産油国や新興国という交易条件の改善している国」だと指摘。その上で、日本の対応について「バランスとしては、物価上昇と交易条件悪化の両方のリスクがあり、あらかじめ政策の方向性を決め打ちはできない。上下両方向のリスクを見極めて金融政策を行う」と述べた。

 日本経済の景気悪化リスクが顕在化した場合、かつて採用したゼロ金利政策や量的緩和政策を行う可能性については「ゼロ金利も量的緩和も金融システム安定維持の上では大きな効果があった」との認識を示した。しかし、経済成長への寄与という面から見れば「3つの過剰、つまり設備・雇用・債務を解消しない限り、日本経済の本格的な成長につながらなかった」と指摘。「3つの過剰を解消する上で金融政策が効果を発揮するかというと、それは現にこうした過剰が発生してしまった場合には、効果は限定的だったと思う」として、ゼロ金利政策や量的緩和政策があくまでも金融システム対応の措置だったことを強調。

 その上で「金融システムが安定を回復した後もそうした政策を続けると、金融システムのショックへの耐久力を弱め、長い目でみてリスクテーク活動も変化していくことになる」として副作用を指摘。「サブプライムローン問題もなぜ起きたのか考えてみると、世界的な長期金融緩和という要素も考える必要がある」として、過度な金融緩和の継続に慎重な考えを示した。

 (ロイター日本語ニュース 中川泉記者;編集 内田慎一)

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