May 28, 2008 / 12:19 AM / 10 years ago

米住宅指標:識者はこうみる

 [東京 28日 ロイター] 米商務省が発表した4月の新築1戸建て住宅販売は前月比3.3%増の年率52万6000戸と、2007年10月以来初めて増加に転じた。一方、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラーが27日発表したデータによると、2008年第1・四半期の米一戸建て住宅価格は、前年同期比14.1%下落し、過去最大の落ち込みとなった。市場関係者のコメントは以下の通り。

●政府の対策効果で上昇、底入れとの見方は尚早

<バンク・オブ・アメリカ 日本チーフエコノミスト兼ストラテジスト 藤井知子氏>

 4月の米新築住宅販売は予想を上回る伸びを示した。規制緩和など米政府の住宅対策の効果が現れ、多少ではあるが下げ止まりの兆しを見せ始めた。しかしこれで住宅セクターが回復局面に入ったとは思わない。サブプライムではない通常クラスのローンに対する規制緩和措置が効果を発揮しているようで販売価格も上昇したが、銀行の貸出態度は依然慎重なままだ。前月も下方修正で、回復と見るには早い。北東部で伸びを示す一方、南部では減少するなど全地域が回復しているわけでもない。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラーの08年第1・四半期の米一戸建て住宅価格では、まだほとんどの地域が悪化している。以前のような大幅な落ち込みが続くという状況ではなくなってきたが、米金融政策への影響を考えると、しばらく様子見という判断になるだろう。

●依然として底打ち感出ず

<大和証券SMBC チーフストラテジスト 末澤豪謙氏>

 依然として住宅市場の底打ち感は出ていない。米商務省が発表した4月の新築一戸建て住宅販売は、前月比3.3%増の年率52万6000戸となり、2007年10月以来初めて増加に転じた。しかし、前月分が下方修正されており、修正前との比較では横ばい圏だ。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラーが27日発表したデータでは、2008年第1・四半期の米一戸建て住宅価格は、前年同月比14.1%の下落で、過去最大の落ち込み。価格指数は、なお下落が続いている。

 きょうの円債市場は、前日の海外市場で米金利が上昇した流れを継いで売りが先行しそうだ。ただ、27日入札の20年利付国債(101回債、2028年3月20日償還)の表面利率は2.4%と2004年7月以来3年10カ月ぶりのハイクーポン。これは、最終投資家の押し目買いが入ってくるレンジだ。米住宅市場の先行きには、依然として不透明感が漂っていることもあり、今後の金利上昇幅は限定的とみている。

●弱い、原油価格急騰で減税効果限定的

<三井住友銀行 市場営業推進部 チーフストラテジスト 宇野大介氏> 

 新築住宅販売件数は市場予測を上回ったものの、依然、弱い。米消費者信頼感指数(5月25日までの1週間)は前週のマイナス49からマイナス51に低下し、1992年2月につけたこれまでの最低水準マイナス50を下回るなど、米景気の不振を示している。減税の効果は4月末ごろから出ているはずだが、原油価格の高騰によるガソリン価格上昇などで、住宅市場などへのプラス作用は限定的となっているとみている。

 経済の減速とガソリンをはじめ物価上昇というスタグフレーション色が強まるなか、インフレ面だけが注目され米国金融政策は利上げに軸足を移してきたとの観測もある。市場は「利上げ」を「景気が回復してきた」と解釈する可能性が高く、先高期待感から株価は上昇しやすいのではないか。

 きょうの国内株式については、米住宅関連指標よりも原油価格急落の方が材料になるとみている。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below