May 30, 2008 / 7:49 AM / 10 years ago

来週の外為市場、ドル106円を突破するかが焦点に

 [東京 30日 ロイター] 来週の外為市場では、このところ堅調な米株式市場と拡大傾向にある日米金利差を見据えながら、ドルが最近のレンジ上限とされる106円の壁を突破し、かつ106円以上に定着するかが焦点となる。

 5月30日、来週の外為市場ではドルが106円を突破するかが焦点に。写真は昨年10月に都内で撮影(2008年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 6日に発表予定の5月の米雇用統計では、米雇用市場の悪化が予想されているが、米株が底堅さを維持する限り、ドルにとって大きなマイナス材料にならないとの見方も浮上してきた。 

 予想レンジはドル/円が103.00―106.50円、ユーロ/ドルが1.5300―1.5800ドル。 

 <米景気指標悪化でも、米株高ならドル買いも> 

 米国では経済指標の発表が相次ぐ。2日には米5月のISM製造業景況指数が発表される。ISMは3カ月連続で50割れとなっている。ロイターがエコノミストを対象に実施した調査によると、予想レンジの中心は49.0と依然弱い。

 6日発表の米5月雇用統計では、失業率が4月の5.0%から小幅上昇して5.1%となり、非農業部門雇用者数は4月の2万人減から、5月は5万人減となることが予想されている。4月は市場予想よりも雇用者数のマイナス幅が小さかったことから、ドルが全面高となった。

 今回は、「たとえ米雇用統計が悪化したとしても、それはある程度市場に折り込み済みで、株が売り込まれず、逆に底堅い動きをみせる可能性がある。そうなれば、リスク許容度が上がり、円売りを招きかねない」とロイヤル・バンク・オブ・スコットランド東京支店ヘッドオブFXストラテジーの山本雅文氏は語る。

 <原油、ユーロ、ECB>  

 為替市場は、このところ原油相場との直接の相関関係を弱めつつあるものの、原油価格が上昇トレンドを回復すれば、ユーロ反発のきっかけとなるとの見方もある。

 「原油については騰勢が完全に弱まったわけではないが、原油価格の反落は株高を通じてドルの買い戻し材料になっている。 また、原油が反発しても、米株価が勢いを維持する限りは、ドルが買われやすい」(外銀)との声が聞かれる。

 米原油先物は、日本時間30日午後2時過ぎの電子取引で1バレル=126.41ドル付近で取引されており、前日NY市場の終値から約20セント低下している。原油先物は約1週間前に135.09ドルと過去最高値を更新したが、その後は利食い売り等に押されて、いったん騰勢が収まっている。 

 「原油価格が再度上昇基調に戻り、かつ米指標が弱めとなる場合には、ユーロ/ドルが反発に向かうと見られる」と山本氏は言う。

 ユーロ圏では欧州中央銀行(ECB)の政策理事会が5日に予定されている。ドイツを中心に景気が予想外に堅調な一方でインフレ率が高まっており、ECBは引き続きタカ派姿勢を維持するとみられるが、声明文に「strong vigilance等の先行き利上げを示唆するような表現が盛り込まれない限り、タカ派スタンス自体は概ね折り込み積みでサプライズはないかもしれない」(RBS山本氏)という。

 <金利差相場、低金利通貨は売られやすい>

 為替市場ではこのところの日米金利差拡大傾向に注目する参加者が多い。

 日米2年物の国債利回りの格差は、月初に155.5ベーシス・ポイント(bp)だったが、30日の東京時間に178bpまで拡大している。米国債2年物の利回りは、米連邦準備理事会(FRB)の政策についての市場の見通しを最も敏感に反映すると言われている。

 JPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏は、「現状(ドル高/円安)は、ポジションのあやなのか、ドル高トレンドが始まったのか見極め難いところだ」としたうえで、「実質金利でみた米金利も上昇しており、これはドルにポジティブな材料と言える」と指摘する。

 他方、金利差にもとづくドル買いに疑問を呈するエコノミストもいる。

 クレディ・スイス証券ヴァイス・プレジデントの小笠原悟氏は「現在の株価や金利は、昨年8月のパリバ・ショックの前に戻った水準。当時と比べて、経済の先行き見通しは明らかに下ぶれしている。この状況でインフレ懸念のみで金利が持続的に上昇するとは思えない」と言う。「日米金利差にしても、ドル買いを正当化するほど資金が米国に流入するのか疑問」と小笠原氏は付け加える。

 <オプション市場からみた為替動向> 

  スポット市場で、円やスイス・フランなどの低金利通貨に売り圧力が高まっていることを反映して、ドル/円の予想変動率(インプライド・ボラティリティ)が急低下している。市場筋によると、1カ月物ボラティリティは10.7―11.0%の気配、前日東京市場の11.1―11.4%から低下した。

 「ユーロ/ドル、ユーロ/円とも1カ月物のボラが1けた(9%台)に下がってきており、ドル/円のボラが1けたに下がるのも時間の問題」 (外銀)との指摘もあり、オプション市場では、円高警戒感は過去のものとなりつつあるようだ。

 106円を意識した取引も増えている。「106円には、来週の米雇用統計の発表日(6日)を期日とするオプションのトリガーがあり、106円に向かってはガンマがロングになるため、相場がこう着しやすい」 (外銀)、「106.00円に接近するとオプションに絡む防戦売りが出る」(都銀)などの声も聞かれ、一気に106円を突破するには相当のエネルギーが必要と見られる。

 ユーロ/ドルのリスクリバーサルのユーロ・プット・オーバーの幅が最近序々に縮小している。これまでは、スポット市場でのユーロ買い持ちに対するヘッジとして、ユーロ・プットの需要が続いてきたが、このところ、投機筋はユーロ買い持ちを圧縮しており、これに伴ってユーロ・プットの需要も減退しているという。リスク・リバーサルは現在0.0―0.3%のユーロ・プット・オーバーで、月初の0.6%から縮小した。リスク・リバーサルは昨年の11月に一時的にユーロ・コール・オーバーとなっている。

 市場筋によれば、ユーロ・プットの需要が今後も減少するようであれば、スポット市場でユーロの反発力にも限界が表れる可能性があるという。

 (ロイター日本語ニュース 森佳子)

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