May 30, 2008 / 7:54 AM / 12 years ago

インタビュー:地元密着の安心できる投信提供=浪花おふくろ投信

 岩崎 成子記者

 [東京 30日 ロイター] ユニークな社名の独立系運用会社、浪花おふくろ投信の石津史子代表取締役は29日、ロイターニュースとのインタビューで「地元に密着した、個人の投資家が安心して投資できる家計に身近なファンドを提供していきたい」と語った。

 浪花おふくろ投信は、4月8日に同社の旗艦ファンドとなる「浪花おふくろファンド(愛称:おふくろファンド)」62006575JPを7010万円で設定。5月29日現在の純資産残高は1億0100万円、基準価額は1万0119円となっている。

 インタビューの詳細は以下のとおり。

 ──会社設立のきっかけは。

 「地元に密着した、個人投資家が安心して投資できる投信を作りたかった。さわかみ投信の澤上篤人社長との出会いも大きい」

 「小学校教諭をしていたが体を壊してしまった。休みがちな先生など子供達にとってはよくない──。そんな思いから学校を去り、社会保険労務士の資格を取り、さらにファイナンシャル・プランナーの資格も取得し、仕事をするようになった。1996年からは旧郵政省郵便貯金振興会が運営する暮らしの相談センターで、独立系CFP(サーティファイド・ファイナンシャル・プランナー)が担当する貯蓄保障相談員として7年間、個人投資家と向き合った」

 「この相談員をしていた時期に、山一証券や相次ぐ生命保険会社の破たん、EB債(他社株転換社債)の問題など様々なことが金融界で起きた。この保険会社は大丈夫かというような相談に訪れる人ばかりになった。しかし、何が大丈夫だとかそんな話はできない。何もしてあげられないという思いが募っていった」

 「外資系運用会社にいた澤上篤人さんが、独立系運用会社さわかみ投信を設立し、直販でファンドを立ち上げたのをメディアを通じて知っていた。最初はどんなものだろうと思ってみていたが、そのうち澤上さんの言っていることは、とても簡単なことで、誰にでも出来るし、その通りだなと思うようになった」

 「安いところで買って、長期投資。複利効果──。そのうち自分でも少しずつ、さわかみファンドに投資するなど実践してみた。そうしたら少しずつ資産が積み上がって行った。この経験を伝えたい──そんな思いも募って行った」

 「一方で、女性FPの会(WAFP関西:Women's Association of Financial Planners)というFPのスタディグループを作り、勉強会を開いていた。一度、直接、澤上さんに話しをしてもたいたいと思いコンタクトを取った。そして自分達の思いをぶつけた。すべてはここから始まったといえる」

 ──会社設立で苦労したことは。

 「会社設立は2006年3月だが、金融商品取引業者の登録までに2年かかり、現在の人材と出会えるまでに丸1年かかった。その後は金商法改正や引き継ぎなどで時間がかかった。時間はかかったが、こうして集まった現在のメンバー(ファンドマネージャー2人、コンプライアンス2人、業務部2人)は自分も含め7人。正直なところ、素晴らしい人材に恵まれたと自負している。小さい会社で、名称に地域の名前が付いていることもあり(投資家の中には)不安を覚える人がいるかもしれないが、社名に浪花をつけたのには、地元に根ざした地域密着型でやっていきたいとの思いがあったからだ」

 ──ファンドについて。

 「投信は、小口の投資家の資金を集めて運用する手段としては最適の器で、仕組みもシンプルで透明性が高く、長期保有であれば財産作りに最適だと思っていた。株式や債券などに投資するため預貯金のような元本保証はないが、1万円という少額から投資することができ、運用を専門家に任せられるというものだ。少額でも定期的に時間をかけて長期で投資していくことは、時間と複利効果を武器に財産作りには有効だ」

 「<浪花おふくろファンド>は、元本保証ではないが、運用資産の増減幅(ブレ)を極力抑えて、安定的な財産作りができる投信を一般家庭に普及させたいという思いで作ったものだ。投信は、分散投資することでリスクを軽減できるというメリットがあるが、<浪花おふくろファンド>は、さらに複数の優れたファンドを組み合わせるファンド・オブ・ファンズ(FOFs)スタイルになっている」

 ──組み入れファンドについて。

 「選び方は至ってシンプルだ。投資哲学および運用方針が明確で一貫性があり、優れた運用成績をおさめていること。購入者から継続的な支持や高い評価を受けていること等が組み入れの条件だ。今後も増える可能性はある。その時々で状況を見ながら考えていく」

 ──口座開設数や投資家層は。ファンドの損益分岐点は。

 「ちょうど200口座を超えたところだ。30─40才台が約5割を占める。男女比は6対4だ。地域でみると、会社の名称に浪花をつけたこともあり、大阪が全体の38%、大阪を含む近畿では全体の62%になっている。関東は25%。あとは全国に散らばっている。地域密着型でやっていこうと考えていただけに、大阪や近畿地域のウエートが高かったのはうれしい」

 「ファンドの損益分岐点は100億円。まだ1億円になったところ。これからだ。ただ、まずはパフォーマンスだと思う。パフォーマンスさえよければ、投資家は注目して入ってきてくれるだろう」

 ──ホームページへの訪問者数などは。

 「正直なところカウントしていない。ネットを介せばどこからでもアクセスできる時代。口座開設の資料請求は電話でも受け付けているし、全国各地からあった。一風変わった名前なので、どんなものだろうと問い合わせてくれたのだろう。そういう意味で足元以外のところでは(口座開設の)書類の戻りが若干悪いといった傾向もある」

 ──今後の活動は。

 「相談員として個人の投資家と向き合った時代もそうだったが、一般の個人は<投信=ファンド>にはあまりよいイメージを持っていないという印象がある。アナログ人間の自分は、体を動かしてなんぼの世界の人間。そういう意味で、まずは投信初心者に投信とは何かというピュアな説明会を開き、みんなに投信について理解してもらおうと考えた。投信の悪いイメージを払しょくしたいと思っている。4月から始めたひよこ倶楽部がそれだ」

 「ひよこ倶楽部では、浪花おふくろファンドの説明はしない。参加者がおふくろファンドのことを聞きたいといっても、そこではしない。ピュアに投信のことを理解してもらうためだけに開いている。投信の仕組みを理解し、その先に進みたい、投資をしてみたいという人は、別の勉強会に出てもらうようにしている。そのくらい徹底して、地味かもしれないが草の根的にやっていきたいと思っている」

 (ロイターニュース 編集 田巻 一彦)

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