June 16, 2008 / 9:49 AM / 11 years ago

ホンダが燃料電池車を量産へ、3年で約200台の販売見込む

 [高根沢町(栃木県) 16日 ロイター] ホンダ(7267.T)は16日、新型燃料電池車の量産第1号車が栃木県の工場で完成したと発表した。従来よりも燃料電池を小型化したほか、製造ラインの自動化も進めてコストを削減。実用化に近づけた。

 6月16日、ホンダは新型燃料電池車の量産第1号車が栃木県の工場で完成したと発表。写真は4月撮影のホンダ車(2008年 ロイター/Issei Kato)

 米国で今年7月から、日本でも秋からリース販売する予定で、日米合わせて3年間で約200台の販売を見込む。

 <米国人女優など5組が購入を決定>

 同社の福井威夫社長は、新型車を生産する栃木県の高根沢工場でロイターなどの取材に応じ「これまでは化学プラントを作っている感じだったが、実用化が視野に入ってきた」と語った。

 ホンダにとって3代目となる燃料電池車「FCXクラリティ」は、業界初のセダン型。今までの燃料電池車は大型SUV(スポーツ用多目的車)が中心だったが、ホンダは発電装置の燃料電池スタックや、補助電源のリチウムイオン電池など基幹部品を小型化し、セダン型を実現した。

 燃料となる水素の貯蔵タンクも高圧化で容量を増やし、一回の充てんによる走行距離は620キロと、ホンダの従来型燃料電池車より3割長くなった。最高時速も160キロとガソリン車並み。

 ホンダはFCXクラリティを、まずは米国で7月からリース販売する。価格は月600ドルでリース契約を3年間結ぶことが条件。すでに米国の映画監督や女優など5組の顧客が契約を済ませた。今年秋からは日本にもリース契約車を投入し、今後3年で200台程度を販売する。

 <10年以内に1000万円切る価格に>

 燃料電池車は水素を燃料とし、空気中の酸素との化学反応で発生した電気でモーターを回して走行する。化石燃料を燃やして走るガソリン車やディーゼル車と違い、排出するのは二酸化炭素ではなく水なのが特徴で、究極の環境対策車と言われる。

 その一方で、電極に希少金属を多く使うなどの理由でコストが高いのが普及に向けた課題の1つ。FCXクラリティも価格が1台当たり数千万円とみられている。福井社長は「売り値が1000万円を切れるようになれば普及は進むだろう。その時期は10年を待たずに来るだろう」と語った。

 ホンダは今回、FCXクラリティを量産化するため、従来の燃料電池車の生産ラインを7割刷新。これまで手で行ってきた作業を大幅に自動化したほか、ラインの長さを半分にし、コスト削減に取り組んだ。さらに今後10年以内に希少金属の使用量を数分の1に減らすという。

 <ホンダは電気自動車に懐疑的>

 燃料電池車の開発は、ホンダと並びトヨタ自動車(7203.T)も力を入れている。トヨタが先日発表した新しい燃料電池車は、一回の水素充てんで830キロの走行が可能。ホンダと同様、日米でリース販売することを検討している。

 一方、日産自動車(7201.T)や三菱自動車工業(7211.T)は電気自動車を前面に打ち出している。しかし、ホンダは電気自動車は長距離走行に適していないなどとして実用化に懐疑的。福井社長は「アコードであれば数百キロの航続距離が必要だが、それを可能にする電気自動車のバッテリーは現在のところない」と語った。ホンダは当面はエンジンとバッテリーを組み合わせて走るハイブリッド車を、将来は燃料電池車を主力に据える考え。 

(ロイターニュース 久保 信博記者)

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