[東京 10日 ロイター] 日常生活で当たり前のように使われてきたレジ袋。しかし、使用後に路上に投げ捨てられ、環境汚染を引き起こす原因になると、世界的にもやり玉に挙がっている。環境保護活動家は、ビニールなどでできたレジ袋は分解するのに1000年かかり、海洋生物や鳥類をはじめとする生物にとって脅威になると主張。
世界の多くの国でレジ袋の使用を規制するようになった。すでにレジ袋の使用を禁止している国や、禁止を計画している国は以下のとおり。
・アフリカ─ルワンダ、エリトリア、ソマリランドが使用を全面的に禁止している。南アフリカ、ウガンダ、ケニアは袋の厚さに関する最低基準を設けており、エチオピア、ガーナ、レソト、タンザニアも同じような措置を検討している。
・オーストラリア─タスマニアのコールズベイが、2003年4月にオーストラリア初の「レジ袋のない町」となった。多くの都市もそれに続き、2008年1月には環境相がスーパーに対し、年末までに国全体でレジ袋の使用をやめるよう求めた。
・バングラデシュ─2002年にレジ袋を禁止した。バングラデシュは、1988年に国土の大半が水没した大洪水は、投げ捨てられた大量のビニール袋が排水管を詰まらせたことが一因になったとみている。
・ブータン─2007年に「グロース・ナショナル・ハピネス(国家全体の幸福)」政策の一環として、レジ袋や街頭広告などを禁止した。
・中国─国務院は、6月1日から実施された厚さが非常に薄いレジ袋の使用禁止措置が、環境汚染を改善し、貴重な石油資源の節約につながると考えている。香港は2007年5月に、レジ袋に対する50セントの「汚染者費用」を課すことを提案している。
・英イングランド─2007年にデボン州南部のモドベリーが、欧州で初めてレジ袋を廃止し、再利用可能で分解性のある袋を販売した。ロンドンの33地区は2009年から非常に薄いレジ袋の使用を禁止する計画。
・フランス─議会は2005年に、2010年までに非分解性のレジ袋を禁止する法案を成立させた。フランス領のコルシカ島は1999年に大規模店舗でのレジ袋使用を禁止した。
・インド─西部のマハラシュトラ州は、レジ袋がモンスーン期に排水溝を詰まらせているとして、2005年8月に製造、販売、使用を禁止した。他の州も、環境汚染の改善と、ヒンズー教徒にとって神聖な存在である牛がレジ袋を食べて死亡するのを防ぐため、非常に薄いレジ袋の使用を禁止した。
・アイルランド─2002年にレジ袋に課税する法案が成立した。その結果、使用量が90%減少したが、その後が再び緩やかに使用量が増えている。
・イタリア─2010年に全面的な使用禁止措置が導入される予定。
・台湾─2003年に導入された部分的な使用禁止措置により、デパートやスーパーが無料の袋を提供しなくなったほか、ファストフード店からは使い捨てのプラスチック皿、カップ、食器が姿を消した。自分でそれらを持ってこない客は、1台湾ドル(0.03米ドル)を支払う必要が生じた。
・米国─サンフランシスコは全米で唯一、2008年4月にレジ袋を禁止した。禁止されたのは大型スーパーのみ。ニュージャージー州は、2010年までにそれらを禁止することを検討している。ニューヨークのブルームバーグ市長は2008年1月に、大規模小売店に対し、レジ袋のリサイクル・プログラム実施を義務付ける法案に署名した。