July 30, 2008 / 5:43 AM / 11 years ago

ローンスターがメリルの不良資産取得、PEの存在感に再び脚光

 [ニューヨーク 29日 ロイター] 米メリルリンチMER.Nが処分する方針を発表した不良資産をローンスター[LS.UL]が取得することは、1年にわたる信用危機を経て、プライベートエクイティ(PE)の存在感が再び高まってきたことを示すものと受け止められている。

 7月29日、ローンスターによるメリルリンチの不良資産取得はプライベートエクイティの存在感が再び高まってきたことを示すものと受け止められている。写真はメリルリンチのロゴ。トロントで4月撮影(2008年 ロイター/Mark Blinch)

 メリルは28日、不良資産の処分に伴って第3・四半期に57億ドルの評価損を計上する方針を明らかにした。主要銀行が昨年以降計上した評価損および損失は4000億ドル以上に上っている。

 メリルはリパッケージされた306億ドル相当の債務担保証券(CDO)を、ローンスターのファンドにわずか67億ドルで売却する。これは額面価格の22%の水準だ。 

 ローンスターは約230億ドルの運用資産を抱え、最大の企業買収ファンドの一つだが、運用内容を明らかにしないことで知られている。

 調査会社のヘッジファンド・リサーチによると、ディストレスト資産(不良化した資産)に特化したファンドの規模は、2007年末時点の1180億ドルから1290億ドルに拡大した。

 関係筋によると、マラソン・アセット・マネジメント、アベニュー・キャピタル・グループなど他のファンドもディストレスト資産への投資のため、数十億ドルの資金を調達した。両ファンドともコメントを拒否している。

 ローンスターもコメントを拒否しているが、同社は最近、2つのファンドで100億ドルを調達した。メリルはローンスターとの取引で44億ドルの評価損を計上することになる。

 ディストレスト資産などで10億ドルのファンドを運用しているグローバル・レバレッジド・キャピタル・マネジメントの創設者、トム・ベニンガー氏は「ローンスターにとっては素晴らしい取引で、彼らは多くの儲けを手にするだろう」と述べた。

 同氏は、市場はCDOを「傷んだ」資産とみなし、ディストレストの水準まで価格が下落しているが、多くのCDOは問題のないローンから多額のキャッシュフローを得ている、と指摘している。

 ローンスターはメリルリンチとの取引の前にも、多額のディストレスト資産を購入している。CITグループ(CIT.N)は29日、93億ドル相当のサブプライム・モーゲージ・ポートフォリオをローンスターに15億ドルの現金で売却することで合意したと明らかにした。ローンスターは既存の債務など44億ドルの負債も引き受ける。

 ローンスターがこれらの不良資産を引き受けていることは、現在の市場がダイナミックに動いており、プライベートの買い手が凍りついたクレジット市場を溶かす役割を果たしていることを示している。

 業界誌プライベート・エクイティ・インターナショナルの編集者、デビッド・ショー氏は「今回の危機は、資金力のある投資家が存在する点で、これまでの危機とは異なっている。これらのプライベート投資家からある程度の流動性が供給されることを示す明るい兆しかもしれない」と語っている。

 (ロイター日本語サービス 原文執筆:Walden.Siew記者、翻訳:長谷部正敬)

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