August 7, 2008 / 11:02 AM / 10 years ago

日本経済は楽観できない、局面が曲がり角へと変化=与謝野担当相

 [東京 7日 ロイター] 与謝野馨経済財政担当相は7日、月例経済報告関係閣僚会議後の記者会見で、日本経済は必ずしも楽観できないとの認識を示した。

 8月7日、与謝野馨経済財政担当相は日本経済は必ずしも楽観できないとの認識を示した。昨年8月撮影(2008年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 月例経済報告で基調判断を「弱含み」に下方修正し従来からの「回復」の2文字を削除したことに関しては、日本経済は長い間続いた順調な歩みから曲がり角にきたと述べ、景気後退局面に入った可能性を示唆した。

 ただ、月例経済報の内容によって、現在策定中の経済対策がドラスティックに変わるとは想像していないと述べ、あらためて構造対策中心に検討を進める考えを示した。

 <対外的要因が解決すれば、日本経済は戻る>  

 基調判断の下方修正に関して、内閣府では景気は「踊り場」局面から「後退局面入りした可能性」を指摘した。

 与謝野担当相は会見で「景気後退局面」入りの明言は避けたが、「街の景況感は依然から悪化している。『弱含んでいる』は、数字の上でも、日本経済が踊り場から弱含みの方向に移動したことを率直に示した」、「専門用語で使われない表現なので『後退』は使わないが、文字通り、弱含みであるということは日本経済が必ずしも楽観できない状況に入りつつあるということを率直に表現した」、「長い間続いた順調な歩みがここで曲がり角にきた」などと述べ、局面の変化を明示した。

 一方、月例経済報告では先行きについても「当面、弱い動きが続く」と見通すなど、厳しい認識を示した。日本経済の回復の道筋については、今回の判断修正は米経済を中心とした外的要因に影響を受けた結果だとし「日本経済が回復局面にもう一度向かうためには、米国はじめ諸外国の経済状況に依拠するところが大きい」として「日本経済のリスク要因は存在し続ける」と語った。

 ただ、「米国はじめ各国の予想はそう長い時間をかけずに、経済は戻ってくると予想されている。それと平行して日本経済も戻ってくると確信している」と指摘。

 景気認識を下方修整したが、与謝野担当相は「日本経済の体質はしっかりしている。日本経済に内在的なマイナス要因はない」と強調。「対外的要因が解決されれば、(日本経済は)おのずと戻ると確信している」と繰り返した。

 基調判断を下方修正した背景については、(1)米経済減速で輸出が弱含んでいること、(2)生産が在庫調整に入った可能性があり当面減少傾向が続くと見込まれること、(3)雇用情勢が弱含み実質所得が下押しされる結果、当面個人消費の回復が見込みにくいこと──と説明した。

 <経済対策がドラスティックに変わるとは想像していない>

 政府は原油高による物価上昇と景気減速に対応して総合経済対策とりまとめに着手しており、お盆前の8月中旬には対策の骨格が示される予定。月例経済報告で景気情勢が「後退」も視野に入る厳しい局面に入ったことが確認され、総合経済対策作りへの期待が一段と高まりそうだ。

 経済対策取りまとめ役の与謝野担当相は、月例経済報告で「総理が指示した経済対策の必要性と根拠が強まった」としながらも、具体策に関しては「月例報告の内容によって、対策がドラスティックに変わるとは想像していない」と述べ、引き続き、構造対策中心に検討を進める考えを強調した。

 対策の策定にあたっては「ばらまき」をしないと繰り返しているが、ばらまきかどうかの判断基準は明確ではない。この点について与謝野担当相は「(ばらまきは)有効需要を財政出動によって無理矢理創出すること」とし、「以前やったような公共事業を中心とした有効需要創出の方法はとらない」と述べた。

 そのうえで、「国民生活に直接・間接寄与する、あるいは日本経済の競争力に寄与するなど、一定の目的や哲学があっての支出はばらまきにはあたらない」と説明。予定通り、旧盆前の8月中旬には、対策の骨格を提示する方針を明らかにした。

 (ロイター日本語ニュース 吉川 裕子)

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