August 23, 2008 / 7:38 AM / 10 years ago

五輪=陸上のジャマイカ旋風、走る楽しさ取り戻す新時代の幕開けか

 [北京 22日 ロイター] 北京五輪の陸上競技で旋風を巻き起こしたジャマイカ勢の活躍は、間違いなく今大会で最も記憶に残る場面の1つになるだろう。ジャマイカ短距離選手の活躍は、スポーツが再び走ることの楽しさを取り戻す新時代の幕開けになるのかもしれない。

 8月22日、北京五輪の陸上競技で旋風を巻き起こしたジャマイカ勢の活躍は走る楽しさを取り戻す新時代の幕開けかもしれない。写真は金メダルを獲得した男子400メートルリレーチーム(2008年 ロイター/Dylan Martinez)

 スポーツ界ではここ最近、ドーピングスキャンダルによって数多くの汚点が残されてきただけに、ウサイン・ボルトやジャマイカ女子チームの目覚しい活躍は、スポーツ界が必要とする「イメージチェンジ」をもたらしている。

 ジャマイカの選手は勝利の瞬間を存分に楽しんでおり、自由や喜びを謳歌(おうか)しているように見える。過去に米国選手がしばしば見せてきた真剣で内向きな勝利の顔とは極めて対照的だ。

 ジャマイカ国内でも、自国選手の勝利を祝う車の列や派手な大騒ぎ、愛国心がほとばしるような様子がみられ、それはテレビの映像として世界中に流される。

 米国陸上界のトップコーチ、ボブ・カーシー氏は国家体育場(通称:鳥の巣)でジャマイカ代表の活躍ぶりを目にした21日、米国になくてジャマイカが持っているものは「陸上競技への尊敬の念だ」と指摘。「われわれは以前よりそれを持っていないように思うし、ジャマイカは陸上競技を愛している」と述べた。

 ジャマイカ陸上界が北京五輪で与えたインパクトは世界的なもの。ジャマイカ勢の出現により、陸上競技は個性とエンターテインメントとしての価値を手に入れたと言えるのではないだろうか。

 男子100メートル、200メートル、400メートルリレーで3個の金メダルを獲得したボルトは、世界の一流アスリートに求められるメディア対応のスキルを急速に学んではいるが、米国陸上界から「大量生産」されたアスリートのドライな印象と比べると新鮮な感じを与える。

 22歳になったばかりのボルトは、レース中に胸をたたいて喜ぶ仕草を見せたかと思えば、レース後には奇妙なダンスを披露したり、カメラに向かって笑いながら叫んだりもした。

 ジャマイカの女子陸上短距離勢も、100メートルでシェリーアン・フレーザーが金メダルを獲得したほか、200メートルではベロニカ・キャンベル・ブラウンが五輪連覇を達成、400メートル障害はメレーン・ウォーカーが五輪新記録で優勝するなど目覚しい活躍。レース後にはお互い抱き合って喜び、勝つことが単に「課せられた仕事の終わり」のようには決して見えなかった。

 世界の陸上競技界は向こう数カ月、スポンサーの関心やテレビ視聴率の数字など、北京での「ジャマイカ効果」を目の当たりにすることになる。一方、ジャマイカ国内での「北京効果」は持続的な成功の始まりになる可能性がある。

 ジャマイカ陸上界にタレント不足の心配はない。今年に入って行われた世界ジュニア陸上選手権では、17歳のデクスター・リーが男子100メートルで優勝したほか、男子200メートルと男女リレー種目でジャマイカ選手が銀メダルを獲得している。

 北京五輪の女子100メートルで銀メダル、200メートルで銅メダルに輝いたケロン・スチュアートは「ジャマイカが短距離王国であることを再び示せた。ジャマイカには昔も今も本当に多くの短距離選手がいる。すべての大会を少しずつ支配している」と語った。

(ロイター日本語サービス 原文執筆:Simon Evans、翻訳:宮井伸明)

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