September 10, 2008 / 4:08 AM / 11 years ago

自民総裁選で浮上する2つのリスク、補正予算先送りと規模拡大

 [東京 10日 ロイター] 福田康夫首相の突然に辞任表明に伴い、「緊急」を掲げた総合経済対策が先送りされる可能性が出てきた。自民党総裁選や衆院解散・総選挙という大きな政治イベントが控える中で、対策に伴う2008年度補正予算案の国会提出・審議の行方が見通せないためだ。

 9月10日、自民総裁選で浮上する2つのリスク、補正予算先送りと規模拡大。都内で1月25日撮影(2008年 ロイター/Toru Hanai (JAPAN)

 24日召集の臨時国会冒頭で解散となれば、補正予算の成立の後ずれは避けられない。一方で、有力視されている麻生太郎幹事長が次期総理・総裁になれば、対策規模が拡大する可能性を指摘する声もある。

 10日告示された自民党総裁選は麻生太郎幹事長、与謝野馨経済財政担当相、石破茂前防衛相、小池百合子元防衛相、石原伸晃元政調会長の5人が出馬を表明、乱戦の様相を呈している。結果は22日に判明し、24日に召集される臨時国会で新総裁が次期首相に選出され、新たな内閣が発足する見通し。

 福田首相の辞任表明を受け、政界では早期の衆院解散・総選挙が既定路線となっているが、市場ではそのタイミングに関心を寄せている。景気が事実上後退局面入りし、政府・与党が決定した「安心実現のための緊急総合対策」(総合経済対策)が宙に浮く可能性があるためで、臨時国会冒頭での解散なら、対策に伴う1兆8000億円規模の補正予算編成や国会への提出が大幅に後ズレすることは避けられない。政治の停滞が日本経済に追い打ちをかける可能性が懸念されている。

 自民党の古賀誠選挙対策委員長は7日のNHK番組で、総選挙の時期について10月は日程的に難しいとの見方を示した上で「総裁選を十分生かせるタイミングで総選挙を迎えることができれば、一番良い日程」と述べ、11月上旬以降の総選挙日程に言及した。

 衆院解散時期は、新首相の所信表明演説と各党代表質問を終えた直後の冒頭解散か、緊急経済対策に伴う補正予算案を審議し成立させた後の解散か、新首相の政治決断に委ねられているという見方が与党内の大勢を占めている。自民党総裁選をめぐる報道で自民党への注目度が上がり、与党に追い風が吹いているという認識が広がっており、この風がやまないうちに総選挙になだれ込むという戦術で総選挙に勝つ──との思惑が働いている。 

 与謝野担当相は8日午後の総裁選出馬会見で「補正予算を国会で迅速に処理することが政治に求められている」と述べ、新首相・総裁に選出された場合、解散は補正予算成立後に行う意向を示している。

 ただ、最有力と目されている麻生幹事長は、景気対策優先を掲げながらも、補正予算審議と解散のタイミングについて考えを明らかにしていない。

 与野党対決の構図の中で、補正予算案を成立させて話し合い解散に持ち込める保証がないことに加え、冒頭解散で11月上旬の総選挙となった場合でも、補正予算案の年内成立が間に合うとの読みも、与党内にはある。

 民主党の菅直人代表代行は「私たちが求めている緊急対策と政府がまとめた対策の中身は一致しないところがかなりある。白紙委任状を出すことはかなり難しい」と述べ、補正予算成立後の話し合い解散の可能性について「軽々にわかりましたと言えない」と早くもけん制している。

 一方、政府内の関心は対策規模の膨張リスク。解散・総選挙をにらんで「自民党総裁選の過程で大きくなる可能性もある」と警戒しており、とりわけ景気浮揚策を優先し積極財政を展開する麻生氏の発言に目を凝らしている。

 (ロイター日本語ニュース 吉川 裕子記者 伊藤 純夫記者;編集 田巻 一彦)

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