Reuters logo
S&P、リーマンの高格付け維持への批判に反論
2008年9月25日 / 08:58 / 9年後

S&P、リーマンの高格付け維持への批判に反論

 [ニューヨーク 24日 ロイター] スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は24日、米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスLEHMQ.PKの経営破たんは、経営状態の悪化を予見しやすいファンダメンタルズの変化よりも、市場心理の悪化によるところが大きかったとし、同社の格付け「A」を維持したことへの批判に反論した。

 9月24日、S&Pはリーマンの高格付け維持への批判に反論。写真はニューヨークの旧リーマン本社ビル。23日撮影(2008年 ロイター/Eric Thayer)

 S&Pの格付け「A」は、6番目に高い格付け。

 S&Pを含む格付け会社は、米住宅市場の低迷を受けて経営状態が悪化した企業や価値が劣化した証券の格付けを引き下げるなどの対応が後手に回ったとして、強い批判にさらされている。こうした批判に対し格付け会社が反論するのは極めてまれだ。

 S&Pのリポートでアナリストのスコット・スプリンゼン氏はリーマンの格付けを維持について、「極度だが予見可能な一時的圧迫」に耐えうる流動性は確保しており、現在進行中の危機が収束すれば、収益性の回復が可能な状態だったからだと述べた。

 そのうえで「リーマンの破たんは、(市場の)警戒感が高まった結果、信用がなくなり、最終的にはリーマンの存続を脅かす結果となった。こうした過程は、基礎的なクレジット分析では、確信を持って予見できない」と述べた。

 S&Pは3月にリーマンの格付けを、格下げの方向で見直し開始。この時、政府の仲介でJPモルガン・チェース(JPM.N)に身売りしたベアー・スターンズの経営悪化の背景には、市場心理の悪化があったと指摘している。

 リーマンの格付けを「A+」から「A」に引き下げたのは6月。また、第3・四半期に損失が拡大する恐れがあるとして、リーマンの格付け見通しを「ネガティブ」に据え置いた。

 しかしその後、残る米大手投資銀のうち規模が最も小さいリーマンに対する市場心理は、悪化していった。

 スプリンゼン氏は「リーマンはベアー・スターンズよりもはるかに規模が大きく、経営もはるかに多角化していた。さらに重要なことに、資金調達や流動性管理の面ではリーマンはベアー・スターンズよりはるかに慎重だった。それにもかかわらず、市場では、ベアー・スターンズに続くのはどの銀行だとの憶測の矛先がリーマンに向っていった」と分析。「リーマンは市場の恐怖心理の指標のような役割を果たしたともいえる。それを反映して、リーマンの株価は下落し、債務のスプレッドは拡大していった」と振り返った。

 スプリンゼン氏はまた、空売りもリーマンを経営破たんに追い込む一因となった可能性があるとしている。

 リーマンの株価急落を受け、S&Pは今月9日にリーマンをクレジット・ウオッチに指定。翌10日にリーマンが発表した第3・四半期の税引き前損失が予想よりも大きかったため、リーマン株はさらに売り込まれた。この週の週末にかけてリーマンはまだ持株会社レベルで短期の資金ニーズを満たすに十分な420億ドルの過剰流動性を確保していたが、スプリンゼン氏によると「週明け15日には債権者、顧客などの信頼を完全に失った状態」になり、同日連邦破産法の適用を申請する事態となった。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below