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大和生命が更生手続き、金融市場混乱で国内初の金融破たん

 [東京 10日 ロイター] 大和生命は10日、会社更生法と更生特例法に基づき更生手続き開始の申し立てを東京地裁に行い、受理されたと発表した。負債総額は2695億0600万円。有価証券の下落で9月中間期に114億9000万円の債務超過に転落し、経営が立ち行かなくなった。

 サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題に端を発した国際金融市場の混乱で日本の金融機関が破たんに至ったのは初めて。 

 <外国証券などの比率は42.2%、ハイリスク・ハイリターン運用があだ> 

 会見した中園武雄社長は、破たんの原因は株式やオルタナティブ資産などの運用商品の価格が大幅に下落したためと説明。損失計上により、9月中間決算の当期純損失は110億4300万円となった。2008年3月末時点の運用資産残高は約2800億円で、このうちオルタナティブ投資が占める割合は、約30%だったとしている。オルタナティブ投資の具体的中身は、仕組み債やヘッジファンド投資、CLO、リートなどの不動産関連投資だったとした。そのほか、保有株式なども大きく値下がりしたという。 

 同社は、予定利率は08年3月期で3.35%と保険業界の中では高水準になっているが、逆ザヤにはなっていなかったと説明。金融庁によると、同社の有価証券保有残高のうち外国証券・その他の比率が42.2%で、国内独立系9社の平均の24.9%より高かった。ハイリスク・ハイリターン運用の結果、2004―2006年度の有価証券運用利回りの単純平均は5.36%で、9社平均の2.39%を上回っていた。しかし、2008年3月期には、減価や売却損などによる有価証券のき損率が対前年比12.38%に達しており、9社平均の5.03%より大きく痛んだ。08年度3月期決算では資産超過だったものの、経常損益が赤字に落ち込んでいた。

 中園社長によると、4月以降、自己資本増強を図るために投資家探しにほん走したが、投資家候補者から合意を得られなかった。中園社長は「リスク管理は適切に行ってきた」と説明している。今後は、スポンサー候補を選ぶ作業に入り、再建を図る。 

 <金融庁、大和生命と同様の生保・損保はまったくない> 

 大和生命は同日、更生手続きの開始申請とともに、金融庁に事業継続が困難と報告した。金融庁は、大和生命の破たんは「ハイコストの保険事業を高い利回りの有価証券運用で補てんするという特異な収益構造が主たる要因。他の保険会社と状況は異なる」(金融担当相談話)としており「9月末時点で大和生命と同様の生保・損保はまったくない」(監督局)としている。 

 金融庁は大和生命に対し、9月16日から立ち入り検査に入っている。この検査は、3月末を基準日とした検査だが、9月末のソルベンシーマージン比率の見込みを検証したところ、早期是正措置の発動基準の200%を下回る見込みと認定。10月9日に大和生命に通知したという。 

 大和生命の3月末のソルベンシーマージン比率は555%と公表。金融庁は、3月末時点の大和の財務状況に大きな問題を認めていないが、9月末までの半年間で200%割れの見込みまで急激に落ち込んだことについて「4月以降の市況の変化はそれほど急激だった」(監督局)と認識している。 

 生保の破たんは2001年の東京生命以来となる。1997年の日産生命以降、東邦生命(99年)、第百生命(2000年)、大正生命(同)、千代田生命(同)、協栄生命(同)、東京生命(2001年)に続いて8例目。日産から大正までは保険業法に基づく破たん手続きで、千代田から今回の大和生命まで会社更生手続きの適用を申請した。 

 大和生命は1911年の設立で、2001年には破たんした大正生命の受け皿会社になった。2008年3月期の総資産は2832億円で国内の独立系生保で10位。9位の富国生命の総資産5兆7252億円に比べると小規模。過去の破たん事例で最大は協栄生命で当時の総資産は3兆7250億円。協栄の債務超過額は6895億円だった。 

 (ロイター日本語ニュース 中川泉記者 布施太郎記者 村井令二記者 ;編集 石田仁志)

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