October 22, 2008 / 8:57 AM / 11 years ago

ユーロ売り/日本株売りの新たな連鎖、輸出企業に打撃

 [東京 22日 ロイター] 22日の東京市場は午後に入り、株安/円高に拍車がかかった。特に、景気悪化や金融機関の損失拡大観測が強まりやすいユーロが売り込まれ、ユーロ/円が急落。つれてドル/円も99円台に値を下げた。

 10月22日、東京市場は午後に入って株安/円高に拍車がかかった。写真は東京証券取引所で(2008年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 米株先物やアジア株も軒並み下げているが、円高による輸出企業の業績悪化懸念が根強い日本株はより売られやすい展開になっている。ユーロ売りを起点とした日本株売りに警戒感が広がっている。

 <ユーロ売りがテーマ>

 為替市場ではユーロ売りがテーマ。欧州景気の悪化に伴う利下げ観測、出尽くし感がなかなか広がらない金融機関の損失問題など、ユーロ売りの材料は目白押しだ。

 ユーロ/ドルは1.2740ドルと2年ぶり安値を更新。きょうの高値からの下げ幅は300ポイントを超えた。心理的節目の1.3ドルを割り込んだ後、一段のユーロ売りを誘発するストップロスを巻き込み下げに拍車がかかった。

 ユーロは対円でも下げがきつく、127.00円まで下落し4年4カ月ぶり安値を更新した。

 三井住友銀行、市場営業部直物為替グループ長の高木晴久氏は「欧州周辺国の景気減速

がユーロ圏景気にインパクトを与える可能性や財政問題などを考えると、欧州中央銀行(ECB)が金融政策の舵を利下げに切る可能性も出てくる。ファンダメンタルズに市場の目が向いてくれば、ユーロはまだ売り通貨だ」と話す。

 みずほ証券、チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏もユーロ弱気派だ。同氏は「ECBが今後、複数回の追加利下げに動くと見込まれ、一段のユーロ下落は避けられない」とし、ドル/円が100円前後ならば、ユーロ/円は120円程度までの下げ余地がある、とみている。

 こうしたユーロ売りの動きは英ポンドなどのクロス円の下落につながり、英ポンド/円は162円ちょうどと2000年以来8年ぶり安値圏で取引されている。さらにクロス円の売りがドル/円に波及、99.54円まで下げた。「100円付近に下落すると個人投資家による買いの動きがみられる」(ある外銀筋)とはいうものの、商品投資顧問業者(CTA)など短期筋が積極的にドル売りを進めた、という。

 <円高加わり、日本株の下げ大きく>

 こうした為替市場での動きとあいまって株式市場では日経平均が午後に一段安下げ幅は600円を超えた。「対円でドル、ユーロとも下落していることで、売り方が攻めてきている。ロング筋の投げも出て下げ幅が大きくなった」(準大手証券)という。

 GLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システム)で米株先物がマイナス圏に沈んだことや他のアジア株が軟調になっていることで中低位の主力株に売りが出ており、「買い戻しが一巡した短期筋が売り直しているようだ。海外機関投資家は円高で日本株の資産が計算上増えており、ロングをいったん手じまう動きにもなっている」(大手証券トレーダー)との声も聞かれた。

 日本株の下げが大きいのは企業の収益構造にある。立花証券執行役員の平野憲一氏は「国内企業はユーロ/円の想定レートを157─160円程度に設定している。足元の130円割れの水準では、今期の業績予想下方修正が加速する懸念も出てくる」と話している。そのうえで「日経平均は8500─9500円のボックス圏での推移を予想しており、その範囲内に収まっているといえる。ただ、ユーロ安がさらに進むようであれば、8500円の下値を割り込む可能性もある」と警戒している。

 株価の下落は、リスク回避の高金利・新興国通貨売りにつながりやすく、為替と株式の連鎖的な動きに発展している。

 こうしたユーロ安と株価下落の連鎖懸念が強いため、なかなか買いが入らない、という。米アップル(AAPL.O)が21日発表した第4・四半期(7─9月)決算は市場予想を上回り、同社株は米通常取引終了後の時間外取引で10%上昇したが、買い材料としては力不足だった。

 野村証券、エクイティ・マーケットアナリストの佐藤雅彦氏は先行きの相場について「各国政府が金融機関に公的資金投入を決めるなど金融問題への取り組みが進んでいるため年初来安値を更新する可能性は目先は10%程度。ただ年末、年始にかけては50%程度に上昇する」という。同氏は「景気悪化が進むなかクリスマス商戦は厳しい。金融問題もすべてが解決したわけではなく10─12月決算などでサプライズが出れば再び下値を模索する可能性は大きい」と話している。

 <円債、先物に買い集まりやすい>

 株価急落を受けて、円債市場は堅調。国債先物・中心限月12月限は一時、1円超上昇した。

 海外勢やディーラーなどが買い戻しを強めた。市場では「米利下げ観測浮上で日銀の利下げも意識されやすいが、日銀は簡単に利下げカードを切りにくい。中短期ゾーンの金利低下が限定的となれば、割高感が解消されつつある国債先物に買いが集まりやすい」(国内証券)との声が聞かれた。

 米金利が低下していることも支援材料だ。予想を下回る米企業の決算が相次いでいることから景気先行きに対して悲観的な見方が広がっている。欧州市場でも金融機関の信用不安が絶えない状況で「海外勢が安全資産の国債に入れる動きが出ている」(国内金融機関)。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩)

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