October 27, 2008 / 12:44 PM / 11 years ago

アングル:1兆円増資の三菱UFJがストップ安、先行き懸念根強い

10月27日、1兆円増資の三菱UFJの株価がストップ安、先行き懸念が根強い。写真は東京で撮影(2008年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 [東京 27日 ロイター] 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T)が27日、1兆円増資を正式に発表した。前日に明らかになった増資計画に反応した27日の株式市場では、同社の株価が583円のストップ安まで売られた後、売り気配で推移した。

 大引けは比例配分で457万3300万株を売り残す結果となった。市場関係者からは「三菱の計画に対して株式市場が突きつけた反応はノーだ」との声も出たが、市場の反応をよい意味で裏切れるかどうかが課題になる。

 前日の1兆円増資報道を受けて始まった27日の株式市場で、三菱UFJの株価は午前9時過ぎにはあっさり600円を割り込み、朝方の段階でストップ安に急落。市場からは「エクイティストーリーを描けない増資で、希薄化を嫌気した」(外資系証券)との指摘が出た。他のメガバンクも増資に走るのではないかとの観測も出て、みずほフィナンシャルグループ(8411.T)と三井住友フィナンシャルグループ(8316.T)もそろってストップ安まで売られた。

 今回の増資では、普通株が上限6000億円、これとは別に優先株が3900億円発行される。普通株発行のタイミングや実際の発行額などは今後詰める。関係者によると、三菱UFJは9月、野村証券とモルガン・スタンレー(MS.N)、三菱UFJ証券の3社に対して、5000―6000億円規模の普通株による公募増資を打診。その後の急激な株価下落で早急な増資が必要と判断した模様だ。普通株による公募増資の規模やタイミングについて、現在、引き受け主幹事に内定した3社と年内の実施を目指して調整している。

 三菱は今年に入って、モルガンの他に米国の子会社ユニオン・バンカルUB.Nの完全子会社化やアコム(8572.T)への出資比率引き上げなどで総額1兆4000億円を超える巨額投資に踏み切った。三菱は「いずれも戦略投資。シナジー効果が得られ、投資による成長路線も描ける」(幹部)との考えだが、少なくても市場は、そう楽観的に受け止めていないことを27日に示したかたちだ。

 三菱が前回、公募増資に踏み切ったのは2003年3月。銀行の公募増資としては13年ぶりで、総額3000億円の普通株を国内外に売り出した。発表直後は希薄化を嫌気して株価を下げたものの、5月に入って反発。「あの時の夢をもう一度、という気持ちが三菱の中にはあるのかもしれない」と外資系証券の幹部は話す。

 ただ、当時と現在とでは、銀行を取り巻く情勢が異なるのも事実。当時、メガバンクは不良債権問題の重みに苦しんでいたが、現在は収益下振れ懸念と株価の急落にどう対応するのかが課題となっている。ある銀行アナリストは「03年の増資はメガバンクを破たんから遠ざける意味があった。もう破たんしないという確信が出た後に株価は上昇に転じたが、今回は株価反転のきっかけが見えない」とコメントしている。

 (ロイター日本語ニュース 布施太郎記者;編集 田巻 一彦)

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